イミグラン自己注射

 偏頭痛治療薬イミグランには、現在注射剤、錠剤、点鼻の剤型がありますが、激しい片頭痛発作が起きたときには医療機関での注射が必要です。このため、患者によっては偏頭痛の痛みに耐えながら医療機関に駆け込まなければならないという不便さがありました。

 これを解決するためグラクソ・スミスクライン社(GSK)では、在宅における自己注射を前提とした製剤「イミグランキット皮下注3mg」の開発を行い、10月17日には製造の承認を取得しています。

 12日行われた中医協の総会では、このキット剤を保険医が投与することができる注射薬及び在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加することが提案され、これが了承されています。今月下旬には薬価収載され、合わせて在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加されることが告示される予定です。

第117回中央社会保険医療協議会総会資料(2007年12月12日開催)
  資料(WAM NET 12月12日掲載)

 日本頭痛学会、日本神経学会が提出した要望書(上記資料に掲載)によれば、経口や経鼻のトリプタン製剤でも効果が十分得られない難治性の発作をもつ患者が数%存在するとしていて、欧州各国で広く普及している自己注射製剤が在宅で使えるようになれば、注射剤の投与を受けるために入院している患者が在宅での治療が可能になるとしています。

関連情報:片頭痛治療薬「イミグランキット皮下注3mg」承認へ
       (グラクソ・スミスクライン株式会社プレスリリース10月18日)
       http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2007_07/P1000439.html
      片頭痛の新しい治療方法
      (やさしい医療を目指して-大和田潔氏ブログ11月5日)
       http://owada-dr.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_d3e7.html

12月18日更新


2007年12月12日 23:30 投稿

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