sexual and reproductive health (SRH) services （性と生殖に関する健康サービス）について、日本、タイ、カナダの地域薬局に勤務する薬剤師を対象に横断的なWeb調査を実施し比較した（Xに2023.06.15に投稿したものを再構成しました）
【Healthcare (Basel). 2023 May 24】
Community Pharmacists’ Experiences and Attitudes towards the Provision of Sexual and Reproductive Health Services: An International Survey
https://ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10252229/
地域の薬剤師が提供するセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・サービスの3国の比較
妊娠検査に関する患者教育
日本 36% タイ 98% カナダ 70%
排卵検査に関する患者教育
日本 42% タイ 83% カナダ 50%
複合ホルモン避妊薬の供給
日本 47% タイ 99% カナダ 98%
緊急避妊薬（レボノルゲストレル）の提供
日本 7% タイ 98% カナダ 97%
緊急避妊薬に関する患者教育
日本 15% タイ 99% カナダ 98%
性感染症および血液媒介感染症（STBBI）の治療に関する患者教育
日本 18% タイ 97% カナダ 82%
性感染症および血液媒介感染症（STBBI）の予防に関する患者教育
日本 13% タイ 94% カナダ 71%
妊娠中の医薬品の安全性に関する情報提供
日本 74% タイ 100% カナダ 98%
授乳中の医薬品の安全性に関する情報提供
日本 76% タイ 100% カナダ 98%
薬物に関連する性機能障害に関する患者教育
日本 30% タイ 61% カナダ 84%
女性患者が性機能障害の選択肢を特定・選択できるよう支援
日本 11% タイ 39% カナダ 34%
男性患者が性機能障害の選択肢を特定・選択できるよう支援
日本 13% タイ 63% カナダ 68%
一方調査で特徴的だったのが、日本ではこういったSRHに関するサービスを提供する必要性について、25％の薬剤師があまり感じていない他、とりわけ25歳未満へ若者に対してのサービス提供については56%の薬剤師が否定的でした。
研究者らはこの結果について、地域薬局での、性的な自由、健康リスクの認識、SRHサービスへのアクセスについては、近年公衆衛生上の関心事となってきているとしたものの、日本では、薬局業務の進化は他の2か国に比べて緩やかであるとしてます。
また関心事は各国で異なっていた
日本：緊急避妊
カナダ：STBBI治療
タイ：性機能障害（性機能障害治療薬の需要が高い）
報告を読んでみて、日本の地域薬局もこの分野について、積極的に取り組むことと、リアル店舗での対面での情報提供としての地域薬局の役割の重要性を感じました
2025年06月07日 12:09 投稿
