若者と鎮痛剤(ノルウェー)

ノルウェー薬剤師協会(Norges Farmaceutiske Forening)の機関紙 Farmatid が、「若者と鎮痛剤」という特集記事を掲載していることが目に留まったので、関連情報と合わせて紹介したい。

【Farmatid】
Ungdom og smertestillende(若者と鎮痛剤)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/

Ungdommers bruk av reseptfrie smertestillende og apotekets veiledningsrolle
(青少年による市販鎮痛剤の使用と薬剤師の指導における役割)
(Norsk Farmaceutisk Tidsskrift 2026; 6: 35–40.)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/ungdommers-bruk-av-reseptfrie-smertestillende-og-apotekets-veiledningsrolle

若者の半数以上が自発的なアドバイスを求めていたが、薬局従業員のうち積極的に対話を始めるのはわずか26% 薬局従業員は時間的制約や顧客が忙しいという認識を障壁として挙げている一方、若者で時間的制約が問題だと答えたのはわずか7%だった。

多くの若者は専門家との接触を望んでいるものの、必ずしも自ら対話の意思を示すわけではない。そのため、医薬品や健康に関する重要な会話の機会が失われてしまう可能性がある。

若者が必要としているのは、情報量を増やすことではなく、専門知識を持ち、対話を促す大人の存在なのかもしれない。

一方、若者の中には、「処方箋なしで買えるし、お店で買えるんだから、たくさん飲んでもそんなに危険じゃないと思ってたんです」と考える人もいる

保健師からは、「例えば、とても悲しいと言って、パラセタモールを10錠も飲んでしまう人がいます」との声も

Ser ikke på reseptfrie smerte­stillende som legemiddel
(Farmatid 2026.10.02)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/ser-ikke-pa-reseptfrie-smerte-stillende-som-legemiddel

ノルウェーの若者の20%強が、市販の鎮痛剤を毎週使用している。
調査によると、彼らは特定の痛みのためではなく、ストレス、不安、競技会や社交の場への参加、家族問題、トラウマの問題など不安感などから生じる、より漠然とした痛みのために鎮痛剤を使用していることが多い

薬の使用の背景には、特定の孤立した痛みの経験よりも、もっと複雑な事情がある場合が多い

最も深刻だと思うのは、鎮痛剤を服用しなければ日常生活を送れないと思い込んでしまうことです

Frykter unge ikke lærer å mestre livet
(若者が人生をうまく乗り切る術を学べないのではないかという懸念)
(Farmatid 2026.10.09)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/frykter-unge-ikke-larer-a-mestre-livet

ある女性薬剤師は、若者を対象に鎮痛剤の使用に関する講演を行った。彼女は、若者たちが薬の作用機序や正しい使用方法の説明を聞くと、何かを考えるようになることに気づいたという。

Ungdom vil lære rett bruk av smertestillende
(Farmatid 2026.10.09)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/article-10045

調べたところ、ノルウェーでは、アセトアミノフェン(パラセタモール)500mg錠、1パック20錠(合計10g)を超えると処方箋が必要

こちらのサイトでは過量服用の問題もまとめられている

Paracetamolforgiftninger(パラセタモール中毒)
(ノルウェー公衆衛生研究所 2026.03.17 Update)
https://www.fhi.no/mh/giftinformasjon/fakta-om-paracetamol/

一方で、アセトアミノフェン(パラセタモール)やイブプロフェンは、LUA制度(legemidler utenom apotek)により、18歳以上であれば、コンビニやスーパーマーケットでも購入が可能

OTC Medicine in Norway: The Rules for Buying
(Working wiht Norwegians 2026.07)
https://workingwithnorwegians.com/otc-medicine-in-norway-guide-to-rules-buying

政治家は、こういった現状に「これは医薬品であり、潜在的に危険な医薬品でもあるため、薬局に戻すべきだと思います。私たちは、国民の間で医薬品の不適切な使用を一般化してしまっているのです」と指摘している。

Toppe ønsker smerte­stillende tilbake i apotek
(Farmatid 2026.10.09)
https://www.farmatid.no/aktuelt/temanumre/tema-ungdom-og-smertestillende/toppe-onsker-smerte-stillende-tilbake-i-apotek

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考えてみれば、日本では多くの鎮痛剤をドラッグストアの棚から手に取って、購入し、十分な説明が行われない、潜在的なリスクを知らないままで使用されているかもしれないと考えると、ノルウェーと状況は同じなのかもしれない

日本もこういう特集を組んで欲しい


2026年10月14日 15:45 投稿

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