後発医薬品等が薬価に収載(Update)

 12月13日付け官報で、後発品などの薬価が告示されました。インターネット版官報(http://kanpou.npb.go.jp/)の号外273号(2-11ページ)で閲覧できます。

 収載されたのは、694品目の後発医薬品などで、うち新しく後発品として収載されたのはバラシクロビル塩酸塩(31社35品目)、ピタバスタチンカルシウム(24社61品目)、アジスロマイシン水和物(16社27品目)など、11成分26規格142品目です。

後発品名 先発医薬品名 発売メーカー
アジスロマイシン小児用錠100mg (新用量) タカタ
アジスロマイシンカプセル小児用100mg ジスロマックカプセル小児用100mg SN、JG、YD
アジスロマイシン錠250mg ジスロマック錠250mg  アメル、SN、NP、F、KN、KOG、サワイ、サンド、JG、タカタ、DSEP、テバ、トーワ、日医工、YD、わかもと
アジスロマイシン錠500mg (新用量) トーワ、日医工
アジスロマイシン小児用細粒10% ジスロマック細粒10%小児用 SN、KN、JG、タカタ、YD
アトルバスタチンOD錠5mg/10mg (新剤型) トーワ
イマチニブ錠100mg グリベック錠100mg EE、NK、KN、ヤクルト
ウェルビー錠2.5mg メインテート錠0.625mg サンド
エスワンエヌピー配合カプセルT20/T25 ティーエスワン配合カプセルT20/T25 ニプロファーマ
エスワンメイジ配合カプセルT20/T25 ティーエスワン配合カプセルT20/T25 Meiji
オキシコドン徐放カプセル5mg/10mg/20mg/40mg (新剤型) テルモ
カルテオロール塩酸塩LA点眼液1%/2% ミケランLA点眼液1%/2% わかもと
タクロリムス錠0.5m/1mg/5mg (新剤型) トーワ/日医工
タクロリムス錠1.5mg/3mg (剤剤型) トーワ
チモロールXE点眼液0.25%/0.5% チモプトールXE点眼液0.25%/0.5% 杏林、TS、ニットー
テノックス配合カプセルT20/T25 ティーエスワン配合カプセルT20/T25 あすか
テメラール配合カプセルT20/T25 ティーエスワン配合カプセルT20/T25 共和薬品
ドネペジル錠10mg アリセプト錠10mg  アメル、FFP、NP、NPI、オーハラ、科研、杏林、ケミファ、サワイ、JG、タカタ、タナベ、TCK、テバ、DSEP、DSP、TSU、TYK、トーワ、日医工、日新、BMD、明治、YD
ドネペジルOD錠10mg アリセプトOD錠10mg  アメル、FFP、NP、NPI、オーハラ、科研、杏林、KO、ケミファ、サワイ、サンド、JG、ZE、タカタ、タナベ、TCK、DSEP、DSP、テバ、TYK、トーワ、日医工、日新、明治、モチダ、YD
ドネペジル塩酸塩内服ゼリー10mg アリセプト内服ゼリー10mg NP、日医工
ドネペジル塩酸塩ODフィルム10mg (新用量) EE
ドネペジル塩酸塩内服液3mg/5mg/10mg (新剤型) タナベ、トーワ
シタラビン点滴静注液400mg/1g キロサイドN注400mg/1g テバ
バラシクロビル錠500mg バルトレックス錠500 アメル、EE、イワキ、F、FFP、NP、MEEK、オーハラ、科研、杏林、KOG、ケミファ、サトウ、三和、サワイ、CEO、JG、ツルハラ、DSEP、DK、TCK、テバ、トーワ、日医工、日本臓器、PP、ファイザー、明治、YD、わかもと
バラシクロビル粒状錠500mg (新剤型?) モチダ
バラシクロビル顆粒50% バルトレックス顆粒50% MEEK、トーワ、日医工、明治、
ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg メインテート錠0.625mg サワイ、ZE、テバ、日医工、日新
ピタバスタチンCa錠1mg/2mg リバロ錠1mg/2mg アメル、EE、FFP、NP、MEEK、科研、杏林、ケミファ、KO、サワイ、サンド、三和、ZE、タカタ、ツルハラ、TCK、テバ、トーワ、日医工、日新、ファイザー、明治、モチダ、YD
ピタバスタチンCa錠4mg リバロ錠4mg アメル、EE、FFP、NP、MEEK、サワイ、ZE、タカタ、トーワ、ファイザー、明治
ピタバスタチンCa・OD錠1mg/2mg リバロOD錠1mg/2mg トーワ
フェキソフェナジン塩酸塩DS6% (新剤型) トーワ
ブロムフェナクNa点眼液0.1% ブロナック点眼液1% 日新
ヘモポリゾン軟膏 強力ポステリザン(軟膏) ジェイドルフ
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg セルセプトカプセル250mg テバ、ファイザー
リュープロレリン酢酸塩注射用キット1.88mg/3.75mg リュープリン注射用1.88/3.75 NP、あすか
リルゾール錠50mg リルテック錠50mg AA

  今後、大きさ・生物学的同等試験のデータチェックしますが、例によって、大きさ・重さ、生物学的同等試験などが一致して、中身が同じものが多数散見されています。ネット上でも既に話題になっていますが、バラシクロビル錠500mgについては10社を超えており、やはり問題ではないでしょうか。

 注目は、この生物学的同等試験等が一致した(つまり中身は同じ)のバラシクロビル錠のうち、ファイザー社の製品が受注多数のため発売開始が延期になったことです。

 傘下のマイランが製造したのか(ファイザー分が足りなくなった?)、製造委託品を導入した(需要数が見込み違いだった?)かはわかりませんが、いずれにしても薬価収載の時期が分かっているのに、どう考えても不可解です。大学病院などではファイザー社のGEに期待する向きもあるようですが、私のところに来ているMRが語った「2バルクで生産しているので安心して下さい」という言葉には今回の件で期待は大いに裏切られました。

 この他、アテレック錠20、イリボーOD錠2.5μg/5μg、オキノーム散20mg、カソデックスOD錠80mg、カルデナリンOD錠0.5mg/1mg /2mg/4mg、ヒドロクロロチアジドOD錠12.5mg「トーワ」、ビーソフテン油性クリーム(ヒルドイドソフト軟膏のGE?)、ピモペンダン錠 0.625mg「TE」、ラベキュアパック400/800(エーザイ)、ラベファインパック(エーザイ)、リバロOD錠4mg、などの新規格品、多数の名称変更品が薬価に収載されています。

 なお、サンド社のバルサルタン錠「サンド」や、テイカ社のピタバスタチンカルシウム錠「KOG」の薬価収載はされず、フェキソフェナジン塩酸塩錠「SANIK」に続く、「オーソライズド・ジェネリック」の登場とはなりませんでした。 

 成分ごとには、下記のページを参考するとよいでしょう。

平成24、25年度診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品(新規収載分)(厚労省)
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/04/tp0402-1.html

 また、全体のリストは下記ページを参考にするよいでしょう。

使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている医薬品について(厚労省)
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/03/tp120305-01.html

 一般名処方名も追加になっています。

処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について
 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen.html

関連資料:
後発品12月追補  リバロ、グリベックなど11成分で初収載
(日刊薬業 WEB フリーサイト 12月13日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226575737943.html?pageKind=outline

後発品12月追補  AG収載なし、また日の目見ず ディオバン、リバロも
(日刊薬業 WEB フリーサイト 12月13日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226575739941.html?pageKind=outline

日刊薬業行政資料

後発品12月収載 リバロなど参入、サンドはグリベックも見送り
(RISFAX 12月13日)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=43352

関連情報:TOPICS
 2013.08.16 2013年12月に新たに収載予定の後発医薬品等
 2013.06.21 後発医薬品等が薬価に収載
 2008.07.11 GE品銘柄別収載を見直すべき(アムロジピン錠データから)
 2012.05.24 セフカペンピボキシル塩酸塩細粒GE品の回収に思う

12月13日 10:02更新


2013年12月13日 09:13 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    まだ数社確認できませんが、現時点でバラシクロビル錠は、何と17社分(アメル、イワキ、FFP、NP、オーハラ、杏林、KOG、ケミファ、サトウ、三和、JG、DSEP、TCK、テバ、日本臓器、PP、ファイザー)をどこかが委託製造しているようです。

    ファイザーの発売延期は、委託会社の自社のライン分で数量が確保できなかったのが今回の理由のようです。

    ブランド力を生かして、プロモーションをやって多くの受注を受けたものの、結果的に見込み違いであわてて増産をお願いしたものの、数量はするに確保できる見込みが立たなかったということなのでしょうか。

    いずれにしても、今回の件はファイザーの後発品事業に傷がついたことは確かです。

    ところで、官報を見落としていたのですが、同じ13日の官報の号外273号12ページから経過措置品がリストアップされています。

    よく見ると、経過措置の期限が何と来年の3月31日までとなっています。

    薬価改定の関係だと思うのですが、まだ多くで新名称品が出ていないはずです。

    これまでの慣例から、おそらく来年4月の薬価告示時には、経過措置の再延長があると思いますが、念のために卸やメーカーに確認する必要はあるでしょう。

    もし、この通りになってしまったら、薬局にとっては大迷惑です。(私のところも該当品目が複数ある)