薬学生のくすりとの関わり方とドーピングの認識

 日本薬学会発行の英文の雑誌なのですが、とても興味深い内容になっています。(日本語での学会報告等があるのだろうか?)

Survey on the Attitudes of Pharmacy Students in Japan toward Doping and Supplement Intake
Biol Pharm Bull. 2013;36(2):305-310.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23370359
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/36/2/36_b12-00315/_article/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/36/2/36_b12-00315/_pdf

 この研究は、3大学162人の2年生、408人の3年生に、「薬をふだんどのように使っているか」「ドーピングについての認識」「サプリメントについての認識」の3つの項目について訪ねたアンケート結果です。

 結果によると次のようなことが明らかになったそうです。

  • ちょっとした病気やけがの場合には、50%が家にあるOTCで対応し、30%が何もしないと答えた
  • 薬局でOTCを選ぶ際に薬剤師のアドバイスを求めると答えたは3割弱で、よく宣伝されている薬や価格という基準で選ぶ学生が1割強もいた(薬学生だからくすりの知識があるとも考えられるが、薬学生でさえも薬剤師に相談しにくいという雰囲気があるのかもしれない)
  • 90%の学生がドーピングについてネガティブなイメージを持ち、82.2%の学生がドーピングについてよく知っていると答えた一方、1/3の学生はOTC医薬品にドーピング禁止物質が入っていることは知らなかった
  •  70%の学生がサプリメントに対してポジティブなイメージを持っている一方、情報源はテレビ・インターネット・家族など不確かなものが多く占めていた。
  • ドーピングについては男子の方が正しい認識を持っていた
  • サプリメントについては女子の方がより正確な知識を持っていて、摂取について懸念を持つ人もいた

  いつ、どの大学(たぶん、北大・北里大・慶応大だと思うけど)で、具体的にどのような調査票で調査が行われたかが示されていないのが大変残念ですが、薬学生の「くすりの認識」というか、「薬学に対しての興味」の程度を垣間見ることができ、非常に興味深い結果となっています。

関連情報:TOPICS
 2011.12.01 ドーピング防止活動から学ぶ薬剤師職能(薬学雑誌誌上シンポ)


2013年02月04日 00:53 投稿

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