オメプラゾールと低マグネウシウム血症

 ニュージーランド(NZ)の医薬品規制機関のMedsafeは、Prescriber Update (http://www.medsafe.govt.nz/profs/PUarticles.asp)の最新号で、オメプラゾールによる低マグネシウム血症(hypomagnesaemia)のリスクについて注意喚起を行っています。

Omeprazole and risk of hypomagnesaemia
(Prescriber Update 2010;31(2))
http://www.medsafe.govt.nz/profs/PUArticles/OmeprazoleJune2010.htm

 Medsafeでは報告のあった2つの症例と海外の事例を検討し、オメプラゾールの通常の用量(といっても20~40mg/日と日本より多めですが)で使用と低マグネシウム血症が関連があり、オメプラゾールの使用中止で、マグネシウムレベルは回復したとしています。

 原因は明らかでないものの、能動輸送メカニズム(?)によって、マグネシウムの吸収が減るためではないかとしています。

 Medsafeではオメプラゾールを使用中の患者が、muscle cramps(筋肉痛)、weakness(気力低下)、 irritability(短気)、confusion(錯乱)などの症状を訴えたときは、低マグネシウム血症の可能性があることを留意するよう呼びかけています。

 なお、同様の注意喚起は、オランダのファーマコビジランスセンターにより既に公表されています。

Omeprazole, esomeprazole and hypomagnesaemia
(The Netherlands Pharmacovigilance Centre 2009)
http://www.lareb.nl/documents/kwb_2009_2_omepr.pdf


2010年06月11日 12:39 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    オランダの報告も含めて、医薬品安全性情報Vol.8 No.15で日本語訳が掲載されています。

    医薬品安全性情報Vol.8 No.15
     http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly8/15100722.pdf