GE新規収載銘柄数、実際は多くない

 前記事のアムロジピン錠5mgと同様の手法で、今回新収載となったものについても調べて見ました。数値やメーカー名は省略します。       

一般名 データが同じメーカー
(名前が違っても中身は同じ)
同じデータが存在しない
(おそらく他社への導出なし)
メロキシカム錠10mg JG=タイヨー=ユートク=科研
NT=NP=田辺
ケミファ=NPI
TYK=YD
TCK、アメル、トーワ、日医工、サワイ
イミダプリル塩酸塩錠5mg JG=オーハラ
TCK=TYK
タイヨー
イトプリド塩酸塩錠50mg JG=タイヨー
NP=NT=タナベ
TCK=YD
TYK=NS
サワイ、トーワ、日医工、PH
エバスチン錠10mg JG=CH=マイラン=YD=NS
MED=サワイ
TCK、ケミファ、ト−ワ、日医工
エバスチンOD錠10mg ZE=NP=MED=サワイ
SN=タイヨー
日医工、ケミファ
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg JG=タイヨー
アメル=日医工
NP=NT
TYK=AFP
サワイ、トーワ、

 上記からわかったことは、次の通りです。

  • 多くのGEメーカーが、自社製造といいながら、全ての商品を自社で開発(この表現が適当かどうかわかりませんが)しているわけではない。このため真の製造元(導出元)がわからなくなる。
  • 他社からの導入品が多いメーカーがある一方、他社への導出はせず自己完結するメーカーもある。 
  • ブランド力をもって他社品を導入して、自分のブランド名を付することで、あたかも自分のところで作っているかのようにすることが可能となる。(どことはいいませんが、おおよそ想像がつきますね)
  • 後発医薬品の銘柄選択理由について、患者に説明するよう薬局に求めているが、流通面以外はあまり意味を持たないのでは(GEメーカーに甘くて、薬局に厳しいのでは?)
  • 後発医薬品の銘柄変更をする場合でも、薬物動態が同じものが存在する。(このことは、今後役立ちそうです)

そして、今後は是非次の点を検討してもらいたいと思います。(個人的見解です)

  • 他社導入品の場合は、最低でもインタビューフォームにその旨を記載させること
    (スーパーのPB商品では、多くの場合製造元は明かしませんが、保険医療で使われている以上明示すべきではないでしょうか)
  • GEメーカーの団体は、薬物動態が同じ品目についてリストアップし、情報を開示すること
    (最低でも薬局に必要な情報です!)
  • 医療保険という公費を投入する以上、薬物動態が同じ後発品については、薬価改定の際、銘柄ごとではなく該当するすべての銘柄の実勢価格を平均させたものを反映させること
  • 自社で製造していないにもかかわらず、錠剤の刻印やヒートシールを変えた(製造メーカーに作らせた)だけで、あたかも自社で製造したかのように自社ブランドを名乗らせることは原則的に認めさせないこと
  • 将来的には、GE品については銘柄ごとの薬価収載ではなく、一般名での収載を検討すること。無理であれば、最低でも、2〜3のグループに集約させること。

 あまりの多さに愕然としましたが、今回各メーカーとも、おそらくGEが使用促進されるとして、なりふりかまわず自社ブランドで発売したかったのでしょう。薬局・患者にとってはいい迷惑です。

 GE品の選択やGE品の銘柄変更に大きなヒントとなりました。既に発売中の主力品についても同様のケースがないかどうか確認が必要のようです。(上表、誤りがあったら指摘して下さい)

 関連情報:TOPICS 2008.07.11 GE品銘柄別収載を見直すべき(アムロジピン錠データから)

7月12日 1:10掲載 9:20コメント追加 23:40更新


2008年07月12日 01:10 投稿

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