欧州から遅れをとる日本のたばこ対策

 現在、世界各国では公共の場での禁煙など、さまざまな取り組み対策が行われていますが、欧州ではその取り組み状況を6つの基準で数値化(100点満点)し、たばこ対策の各国の進捗状況を比較したレポートが既に昨年発表されています。

 The Tobacco Control Scale : a new scale to measure country activity
  (Tobacco Control 2006;15:247-253
  http://tobaccocontrol.bmj.com/cgi/content/full/15/3/247

 読売新聞によれば、大島明・大阪府立成人病センターがん相談支援センター所長らの厚生労働省研究班はこのほど、このレポートで使われた評価基準で日本のたばこ対策を採点したそうです。そうしたところ、何と欧州30カ国で最下位レベルの21点(禁煙治療の保険適用を加えても、6点加点の27点)にしかならず、欧州各国より取り組みが大きく遅れていることがわかったそうです

日本の採点 満点 主な採点基準
Price of cigarettes and other tobacco products
(価格)
8 30 2005年1月時点でのMarlboroの価格を比較
Smoke free work and other public places on 1 July 2005
(2005年1月現在における、職場や公共の場での禁煙状況)
3 22 カフェやレストランを除いた職場での完全禁煙(喫煙スペ−スの設置も不可)の達成(10点)、カフェ・レストランでの完全禁煙(同上)の達成(8点)、公共交通(鉄道・バス・地下鉄)での完全禁煙の達成(2点)、公共施設・医療施設での完全禁煙の達成(2点)
Spending on public information campaigns in 2004
(2004年に行われた国民への啓発キャンペーンへの政府予算)
0 15 GDP比で比較
Comprehensive bans on advertising and promotion on 1 July 2005
(2005年7月1日時点における広告や販売促進の包括的禁止)
5 13 TV広告の禁止(3点)、戸外におけるポスター類の完全禁止(2点)、新聞や雑誌での広告の完全禁止(2点)、洋服や時計などでのロゴの完全使用禁止(2点)、店頭での広告禁止(1点)、映画館での広告禁止(1点)、スポンサーの禁止(1点)、インターネット広告の禁止(0.5点)、ラジオ広告の禁止(0.5点)
Large direct health warning labels on 1 July 2005
(2005年7月1日時点におけるパッケージへの警告表示)
4 10 警告文をローテーションする(2点)、警告文のスペースの大きさ(包装の41%以上なら4点)、目立つ字体(1点)、写真の使用(3点)
Treatment to help dependent smokers stop
(たばこ依存の人への治療の取り組み)
1
(7)
10 国が資金を提供する禁煙窓口(Quitline)がある(2点)、禁煙をサポートするネットワーク(Network of smoking cessation support)がある(3点)、禁煙治療に保険が適用されている(Reimbursement of treatment)(3点)、薬剤に保険が適用されている(Reimbursement of medications)(2点)

 ちなみに欧州での順位は、パブを禁煙などにしているアイルランド(74点)が1位で、英国(73点)、ノルウェー(71点)などが続き、最下位はルクセンブルクの26点でした。

評価基準 ・欧州各国の順位(いずれも上記の論文へリンク)

 日本でもアイルランド並みの得点を上げるとなると、やはりたばこの大幅値上げ、職場や公共の場における禁煙の強化、パッケージに写真入りの目立つ警告文を採用することが必要ですが、何よりも国家レベルでの禁煙啓発やサポートへの取り組みが重要に思われます。

関連情報:TOPICS 2006.05.29 たばこのパッケージに視覚に訴える警告は必要

参考:読売新聞6月1日
   http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070601ik09.htm

6月5日 1:20掲載


2007年06月05日 01:20 投稿

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