厚労省は、セレコキシブ(セレコックス錠)、エスフルルビプロフェン・ハッカ油(ロコアテープ)、エストラジオール・酢酸ノルエチステロン(メノエイドコンビパッチ)、過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)の4成分について、スイッチOTCとした際の効能・効果、OTCとしてのニーズ、OTC化された際の使われ方、スイッチOTC化の課題点及びその対応策等について、意見募集を開始しています。(10月11日まで)
セレコキシブなど4成分、スイッチ化で意見募集
(PNB 2025.09.17)
https://pnb.jiho.jp/article/244860
セレコキシブなど4成分、スイッチ化で意見募集 厚労省 https://t.co/kSzX7PJy5S
— PHARMACY NEWSBREAK (@jiho_pnb) September 17, 2025
今回の意見募集は、医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議での検討に先立って行われるもので、承認を前提とした意見募集ではありません。
スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望募集について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000127534.html)
今回の意見募集は、生活者や専門家の視点でメリット・デメリットについての声を広く求めることで、評価検討会議評価会議での判断材料ともなります。
厚労省には、すでにこれだけの成分の要望がありますが、今回意見募集が行われるということは、海外のスイッチの動向などを見て、スイッチ化の可能性や必要性がある考えた方がいいと思います。(おそらく半年以内にこれら4成分の検討が行われる)
日本独自の進め方ですが、会議ではこの意見募集の結果が取り上げられることで、スイッチの可否の判断(とりまとめは両論併記)や、製薬会社が開発をするかどうかの目安にもなると思うので、意見がある方はぜひ提出してみて下さい。
スイッチOTC医薬品の候補となる成分及びその検討結果について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144557.html
それぞれの成分について、コメントと共に意見提出先のリンクを張っておきますので、ご活用下さい。
1.セレコキシブ(セレコックス錠)
スイッチ OTC とした際の 効能・効果: 各種鎮痛
OTC としての ニーズ: ロキソプロフェンより消化管潰瘍を起こしにくいから。 1 日 2 回の服用で良いから
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250186&Mode=0
資料では承認された国はないとされていますが、豪州では200mg錠10錠までが成人の原発性月経困難症または筋骨格系もしくは軟部組織損傷による急性疼痛の短期治療を目的として、2024年にSchedule 3(Pharmacist only medicines)に分類が変更
発売当初は、心血管リスクが高いとの指摘もありましたが、確か今はそのリスクは既存のものと変わらないと。短期使用であれば、胃腸障害の少なさで有用かもしれない
2.エスフルルビプロフェン・ハッカ油(ロコアテープ)
スイッチ OTC とした際の 効能・効果: 鎮痛、消炎
OTC としての ニーズ:効果の高い貼付剤を使用したいから
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250185&Mode=0
そもそも海外では貼付タイプの鎮痛剤がほとんどない状況で比較は困難
「効果の高い貼付剤を使用したいから」という理由だけで、全身作用への影響を考えたときに必要性がどこまであるのか
3.エストラジオール・酢酸ノルエチステロン(メノエイドコンビパッチ)
スイッチ OTC とした際の 効能・効果: 更年期症状の改善
OTC としての ニーズ:更年期障害のセルフメディケーションにおいて安全な薬剤であるため
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250184&Mode=0
日本では以前から、エストラジオール+エチニルエストラジオールの塗布剤が、「不感症、冷感症、不妊症、婦人更年期障害、婦人神経衰弱」などを効能としてOTCとして使われています。
また欧州ではエストラジオール、エストリオール膣錠などが、北欧各国や英国などで、閉経後の膣萎縮の治療の目的でOTC化されています。
一方で、全身に及ぶパッチ剤やノルエチステロンが配合されたものがOTC化されているものはなく、実現には課題が多いのでは。
4.過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)
スイッチ OTC とした際の 効能・効果: 更年期症状の改善
OTC としての ニーズ:ニキビのできる年代の中高生は皮膚科に何度も受診するこ とが難しいから
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250183&Mode=0
資料にある、カナダ、米国、米国の他、欧州では多くの国で承認されているので、適切な販売ガイドが示されれば問題ないのでは
関連情報:TOPICS
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