Category Archives: 国内外の話題・報告

国内外で報告された、論文、話題等を紹介します。

ヴィックス ヴェポラッブ、2歳未満への使用は安全か?

 日本でも有名なプロクター・アンド・ギャンブル社の『ヴィックス ヴェポラッブ』(大正製薬が販売、医薬部外品)について、気道の狭い2歳未満の小児が使うと気道における粘液分泌が高まり、気道の炎症を悪化させ、呼吸困難になる可能性があるとした論文がCHEST 誌に発表され、海外では大きな話題となっています。 続きを読む


患者副作用直接報告は、医療専門職からの報告を補完する

 信頼性の問題や過度の報告を懸念してか、日本ではまだ実施されていない副作用患者直接報告(Direct patient reporting of suspected adverse drug reactions by patients、本来は有害事象と訳すべきですが、この記事では副作用で統一します)ですが、国際学会では、医療専門職には話しにくい症状などの把握ができるなどの利点が報告されています。 続きを読む


OTC風邪薬による有害事象は、偶発的過量服用だけが原因ではない

 あまりメディアでは取り上げてはいませんが、19日のAnnals of Emergency Medicine 誌のオンライン版にOTC風邪薬・咳止め薬による死亡例について、原因の分析をまとめた調査結果が発表され、これらOTC薬が子どもへの虐待の手段として使われている可能性もあるとしたショッキングな指摘が行われています。 続きを読む


チアゾリジン系薬剤による骨折リスクは女性の方が2倍高い

 ピオグリタゾン(アクトス)やRosiglitazoneなどのチアゾリジン系の糖尿病治療薬(thiazolidinediones)については、臨床試験で骨折の発生頻度が上昇することが知られています(日本でも2007年11月の改訂で、その他の副作用の項に追記)が、 続きを読む


科学技術の発展のためであれば、ドーピングは許される?

 日本では、依存性や濫用問題などから厳しい流通規制がとられているメチルフェニデートとモダフィニルですが、7日のNature 誌のオンライン版に、これらの薬は認知機能を強化する薬(cognitive-enhancing drugs)として、健康な人への使用も検討すべきであるとした論評(Commentary)が掲載され、波紋を呼んでいます。 続きを読む


高齢者の認知症予防にイチョウ葉エキスは有用でない(米国研究)

 認知症(dementia)予防に効果があると言われているイチョウ葉エキスですが、これを裏付けるために行われた大規模試験の結果が19日付のJAMAで公表されています。 続きを読む


湾岸戦争症候群の主因は予防薬や殺虫剤

 以前から耳にしたことがある、「湾岸戦争症候群(Gulf War Syndrome)」についての記事が目にとまりました。私たちにも決して関係ない問題でもないので、いろいろ調べてみました。 続きを読む


スタチンの効果はLDL-C低下によるものだけではないかもしれない

 高脂血症の治療意義について、これまでは『高LDL-C値→心臓血管病リスクが高い→スタチンの投与』というのが定説でしたが、このほど、リスク要因は高LDL-C値ではなく、Hs-CRP(高感度C反応性タンパク:high-sensitivity C-reactive protein)の高値が関与する可能性があるとした研究の結果が米国心臓病学会及び論文で発表され、大きな話題になっています。 続きを読む


アジスロマイシンのOTCが発売(英国)

 英国内の一般紙ではまだ取り上げられていないので、正式な販売はまだのようですが、PJ Onlineは6・7日の記事(一定期間を過ぎると閲覧には登録が必要)で、クラミジア対策でスイッチされたアジスロマイシンのOTC“Clamelle”が発売されたことを伝えています。 続きを読む


European Antibiotic Awareness Day

 かぜやインフルエンザのシーズンが近づいていますが、EUでは今年から11月18日を“European Antibiotic Awareness Day”と定め、各国ではこの日を中心に抗生剤の適正使用の一斉キャンペーンが行われます。 続きを読む