潜在的に危険な医薬品のリスト(仏Prescrire 誌)

 フランスの独立系の医学雑誌 Prescrire は1日、リスクから見てメリットが少ないとして、危険で市場から撤去する必要がある医薬品のリストを公表しています。  

Pour mieux soigner : des médicaments à écarter
(Rev Prescrire 2013 ; 33 (352) : 138-142.)
http://www.prescrire.org/fr/3/31/48400/0/NewsDetails.aspx
PDF(オープンアクセス・フランス語)

 このリストは、同誌が2010年から2012年までに記事として取り上げた成分をまとめた、いわゆる日本でいうところの「飲んではいけない薬」のリストなのですが、フランスでは先日のDiane-35 の問題(TOPICS 2013.01.30)など、最近の薬をめぐる問題が次々と明らかになっていることから、メディアでも大きく取り上げてています。(日本では、こういったリストが出てもメディアはまずスルーだけど)

 ただ、この雑誌記事はフランス語のため、これだと正直よくわかりません。

 そこでニュース記事にあたってみたら、成分ごとにまとめた記事があったので、一部を抜粋して一覧表にしてみました。(誤りがあったらご指摘下さい)

La longue liste noire des médicaments dangereux
(e-sante.fr 2013.02.01)
http://www.e-sante.fr/longue-liste-noire-medicaments-dangereux/breve/746

Médicaments : une nouvelle liste noire est publiée
(LE FIGARO 2013.02.01)
http://sante.lefigaro.fr/actualite/2013/02/01/19800-medicaments-nouvelle-liste-noire-est-publiee

薬効群  成分名(日本での販売名)
Cardiologie
(循環器系)
アリスキレン(ラジレス)、フェノフィブラート(リピディル、トライコア)、ベザフィブラート(ベザトール他)、gemfibrozil<フィブラート系高脂血症薬>、ciprofibrate、 ivabradine<慢性心不全への選択的心拍数低下薬>、ニコランジル(シグマート他)、トリメタジジン(バスタレルF)、dihydroergocryptine<ドパミン刺激薬;麦角アルカロイド;血管拡張作用>、ヒドロエルゴトキシン(ヒデルギン)、ニセルゴリン(サアミオン他)、Praxinor®<カフェイン+テオフィリン?>、Exforge HCT®<アムロジピン+バルサルタン+ヒドロクロルチアジド>
Cancérologie – Hématologie
(腫瘍・血液系)
Catumaxomab<モノクローナル抗体>、パニツムマブ(ベクチビックス)、trabectedin<軟部肉腫治療>、vandetanib<甲状腺随様癌>、vinflunine<膀胱がん・ビンカアルカロイド系微小管重合阻害薬>、Iron Dextran
Dermatologie – Allergologie
(皮膚・アレルギー系)
タクロリムス(プロトピック)、メキタジン(ゼスラン)、プロメタジン注射、セチリジン(ジルテック)、ロラタジン(クラリチン)
Diabétologie – Nutrition
(糖尿病・栄養系)
saxagliptin<DPP-4阻害薬>、シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)、ビルダグリプチン(エクア)、orlistat (Xenical®)<抗肥満薬>
Gastro-entérologie
(消化器系)
ドンペリドン(ナウゼリン他)、Prucalopride<5-HT4受容体作用薬>
Gynécologie – Endocrinologie
(産婦人科・内分泌系)
Tibolone<閉経後エストロゲン補充、骨粗鬆症予防>
Infectiologie
(感染症)
モキシフロキサシン(アベロックス)、テリスロマイシン(ケテック=販売中止)
Neurologie
(神経系)
フルナリジン(フルナール=販売中止)、Indoramin<降圧・α遮断薬>、natalizumab<モノクローナル抗体>、 tolcapone<パーキンソン病治療・COMT阻害薬>
Psychiatrie – Dépendances
(精神神経系・依存症?)
Agomelatine<抗うつ薬・ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬(NDDI)>、デュロキセチン(サインバルタ)、ミルナシプラン(トレドミン)、tianeptine<抗うつ薬・モノアミン再取り込み促進>、venlafaxine<抗うつ薬・SNRI>、asenapine<非定型抗精神病薬>、etifoxine<非ベンゾジアゼピン系抗不安薬・抗けいれん薬>、メプロバメート、bupropion<抗うつ薬・DNRI>、バレニクリン(チャンピックス)
Pneumologie – ORL
(呼吸器系・耳鼻科系)
Almitrine<呼吸興奮薬>、経口及び点鼻の鬱血除去薬(オキシメタゾリン、ナファゾリン、プソイドエフェドリンなど)、オマリズマブ(ゾレア)、tixocortol<Thiovalone®・うがい薬>
Douleur – Rhumatologie
(痛み・リウマチ)
セレコキシブ(セレコックス)、etoricoxib・parecoxib・nimesulide<NSAIDs・COX-2選択的阻害>、 floctafenine<NSAIDs・アントラニル酸系>、ケトプロフェンゲル、nefopam<非麻薬性中枢系鎮痛薬>、ピロキシカム(フェルデン)
Ostéoporose
(骨粗鬆症)
denosumab<抗RANKL阻害剤>、strontium ranelate、テリパラチド(フォルテオ)
Arthrose
(変形性関節症)
diacerhein、グルコサミン
Autres
(その他)
メトカルバモール、thiocolchicoside<中枢性筋弛緩薬>、キニーネ、Colchimax®<痛風治療・コルヒチンなどが配合>、Percutalgine®<dexamethasone acetate, salicylamide and hydroxyethyl salicylate>、Cortisal®<プレドニゾロン+サリチル酸ジピロピレングリコール(外用)>

 すでに、日本でも販売中止・開発中止のものもありますが、今後新たに日本でも発売されるものもあるかもしれません。

 もし、承認・販売された場合には、どういう点に留意すべきなのかを下記サイトなどでチェックするといいかもしれません。

Prescrire(フランス語)
http://www.prescrire.org/fr/

Prescrire(英語)
http://english.prescrire.org/en/Summary.aspx

Signals(オランダLareb)
http://www.lareb.nl/Informatie-bijwerkingen/Signalen

参考(検索サイト):
Recherche d’un médicament
(EurekaSante.fr par VIDAL)
http://www.eurekasante.fr/medicaments/alphabetique.html

International Drug Names (Drugs.com)
http://www.drugs.com/international/ 

関連情報:TOPICS
 2011.02.01 監視が必要な医薬品リスト(フランス)


2013年02月02日 22:21 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    Prescrire 誌が2014年更新版を発表しています。

    詳細は紹介しきれませんが、若干の入れ替えがあります。

    “Towards better care: drugs to avoid”: the February 2014 update from independent French medical journal Prescrire
    (Prescrire Int. 1 February 2014)
    http://english.prescrire.org/en/81/168/49170/0/NewsDetails.aspx

    “Pour mieux soigner, des médicaments à écarter : bilan 2014″ Rev
    (Prescrire 2014 ; 34 (364) : 137-143.)(フランス語。選定の理由が記されています)

    フランスでは、一覧表や関連記事が出ています。

    La liste des 68 médicaments que la revue Prescrire estime « plus dangereux qu’utiles »
    (economiematin 2014.01.31)
    http://www.economiematin.fr/ecoquick/item/8388-liste-medicaments-dangereux-prescrire-benefice-risque
    (→Google 翻訳

    Le revue Prescrire pointe 68 médicaments plus «dangereux qu’utiles»
    (rfi 1014.01.31)
    http://www.rfi.fr/france/20140131-revue-prescrire-pointe-68-medicaments-dangereux-alzheimer-vaccin