メサラジン使用中の特発性頭蓋内圧亢進症の発現に留意が必要(英MHRA)

英医薬品庁のMHRAは、メサラジン投与患者において、特発性頭蓋内圧亢進症 (IIH:Idiopathic intracranial hypertension)が極めて稀だが報告されているとして、製品情報に警告を追加すると発表しています。

【英MHRA Drug Safety Update 2025.12.04】
Mesalazine and idiopathic intracranial hypertension
https://www.gov.uk/drug-safety-update/mesalazine-and-idiopathic-intracranial-hypertension

メサラジンの安全性データに関する最近の欧州レビューでは、極めて稀な症例報告を受けて、メサラジンと特発性頭蓋内圧亢進症との関連性が明らかになったして、MHRAでは、メサラジン製品の製品情報を更新し、特発性頭蓋内圧亢進症に関する警告を追加することを推奨。

医療従事者への助言

  • メサラジン投与患者における特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)は極めて稀だが報告がある
  • 英国における報告数は非常に少ない
  • メサラジンを何らかの形で使用している患者は、重度または反復性の頭痛、視覚障害、耳鳴りを含むIIHの兆候や症状に注意するよう警告されるべきである
  • メサラジン服用患者におけるIIHの徴候・症状に常に注意し、速やかに多職種連携による対応を行うこと。これには患者のメサラジン管理を担当する臨床医だけでなく、必要に応じて神経学、脳神経外科、眼科チームも関与する多分野にわたるアプローチで迅速に行動する。
  • IIHの症状が現れた場合は、メサラジンの中止を検討し、症状の管理を直ちに開始する必要がある。
  • 過去にIIHと診断された、またはIIHが疑われた患者に処方する際には注意が必要である。

医療従事者が患者に提供する助言

  • メサラジンを服用している患者の中には、特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)と呼ばれる頭蓋内の圧力上昇が稀ですが報告されています。
  • IIHは通常、生命を脅かすものではありませんが、まれに深刻な視覚障害を引き起こす可能性があり、可能な限り経過観察と治療が必要です。
  • 次第に悪化・反復する頭痛、視覚障害、耳鳴り、背中の痛み、めまい、首の痛みなど感じたばあには、IIHの兆候である可能性があるため、直ちに医師に連絡してください。

確認したところ、いくつかの国ではこの件については既に注意喚起が行われていました。

文献も確認したところ、いくつかの症例の報告がありますが、発症メカニズムについては現時点ではわからないようです。


2025年12月08日 16:56 投稿

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