薬局脆弱性指数(pharmacy vulnerability index)を基に薬局砂漠の現状を分析し、必要な政策について検討
【JAMA Netw Open.2025 Mar 3】
Vulnerability Index Approach to Identify Pharmacy Deserts and Keystone Pharmacies
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11907307/
最近の薬局閉鎖の傾向、特に低所得の都市部と農村部の独立系薬局の閉鎖は、医療への公平なアクセスを脅かしている。
米国の人口(3億2,130万人)を対象としたこの横断研究では、17.7%が薬局砂漠に居住し、さらに8.9%が地域で唯一の薬局(Keystone Pharmacies)に頼ることで医薬品を入手していることが明らかになった。
注目すべきは、個人経営の薬局はチェーン店よりも、Keystone Pharmacies となる可能性が高い。
全国的な薬局アクセスの不平等の悪化を防ぐ上で、Keystone Pharmacies なる可能性が高い独立系薬局の持続可能性が重要である。
通信販売薬局の人気の高まりは、薬局へのアクセスに関する課題を部分的に緩和する可能性があるという意見もあるだろう。
しかし、地域薬局は調剤だけでなく、予防接種の提供など、患者との直接のやり取りを必要とする多くの貴重なサービスを提供しており、これらのサービスはオンライン薬局や通信販売薬局では代替できない。
さらに、通販薬局の利用は、非ヒスパニック系白人、高所得者、大卒者、民間保険加入者に偏って多く、導入における格差が、特に不利な立場にある人々にとって、普及率の格差が全体的な影響を限定的なものにしている可能性があることを示唆された。
これらの結果から、特に小規模な農村部において、薬局へのアクセスにおけるさらなる不平等を防ぐためには、その地域における唯一の薬局サービスの供給源である薬局の財政的持続可能性を確保することにより、的を絞った政策介入が不可欠であることが示唆された。
調剤手数料または償還率を段階的に引き上げるなど、薬局砂漠となる地域にある keystone Pharmacies への財政的持続可能性を高める必要がある。
2025年05月06日 18:28 投稿