楽天、医薬品のネット販売の継続を求めてネット署名を開始

 楽天株式会社は13日、医薬品のネット販売の継続を求めるため、ネット署名を求める画面を開設したと発表しました。

医薬品のネット販売の継続を求めるため、ネット署名を開始
   (楽天株式会社ニュースリリース11月13日)
 http://www.rakuten.co.jp/info/release/2008/1113pa.html

 楽天では、第一類・第二類医薬品のネットでの販売などを禁じた厚労省が示した薬事法の省令案について、改めて、消費者の利便性を損なわれることや、ネット販売が今や重要な販路となっている地方の中小の薬局・薬店にとっては、死活問題になりかねないとして、「楽天市場」の医薬品関連カテゴリー内に署名ページを開設、消費者や事業者に賛同を求めるネット署名を開始しました。

困ります、私たち。〜ネットで薬が買えない何て(楽天市場)
 https://common2.rakuten.co.jp/form/medicine/net_signature/index.html

 いよいよ、消費者だけではなく、中小薬局も味方につけて、攻勢に出てきたようです。

 今となっては後の祭りですが、私はセルフ販売をすすめたドラッグストア業界と、調剤ばかりに目を向け、セルフ販売・ネット販売などを放置し、何ら適切な対応を行ってきた日薬、そしてきちんと薬事法に従って指導を行ってこなかった行政が、こういった主張を正当化させてしまっていると考えます。

 中小薬局の気持ちもわかります。「消費者は(薬剤師の)説明を聞かないで、自分でOTCを買ってしまうようになってしまった。」「詳しく説明しても、いざ買うときはドラッグストアに行ってしまう」「かといって、調剤に取り組もうと思っても患者を門前薬局にとられて、まだまだ面に広がらない」など、そんな中で彼らはネット販売に活路を見出したということがよくわかるからです。

 いまさら、「対面販売」の重要性を唱えても、一般消費者はおそらく違和感を覚えるでしょう。チェーンドラッグストア協会・日薬はだんまりを決め込んでいるようですが、例えば「OTCを買うときは、専門家に相談しましょう」などのキャンペーンも可能なはずです。このままだと、果たして消費者から理解が得られるかどうか、心配でなりません。

関連情報:TOPICS
  2008.10.09 ネット販売、規制改革会議の疑問にどう答えるか?
  2008.09.17 薬事法施行規則等に関するパブリックコメント
  2008.08.07 医薬品のネット販売制限は消費者の利便を損なうか?

関連記事:「医薬品のネット販売規制、困ります」楽天が署名呼び掛け
         (Internet Watch 11月13日)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/13/21527.html


2008年11月13日 22:21 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    楽天は、利用者に対して署名を求めるメールを送りつけているようです。ここのところブログに書き込みが相次いでいます。

    多くは署名しましたとの書き込みでしたが、中には楽天のメールに対して疑問を投げかける書き込みもあります。

    省令改正の動き(こぼれぴょん記11月29日)
     http://d.hatena.ne.jp/pyonpyon21/20081129/1227927666

    薬のネット販売はできなくなる(ふと思うことフムフム11月29日)
     http://plaza.rakuten.co.jp/klaklaken/diary/200811290000/

    医薬品がネットで買えないことで(Be Free(写真と競馬と物欲の日々♪11月29日)
     http://crossalpha.air-nifty.com/cross/2008/11/post-cd09.html

    ネットで大衆薬が通販されなくなる?(mikimaru 11月29日)
     http://habopnt.whitesnow.jp/weblog1/?p=340

    それぞれ指摘していますが、私もメールの次の部分がひっかかりました。

    >楽天市場でも現在様々な医薬品が販売されており、
    >多くのお客様にご利用いただいていることから、
    >省令の発効により、お客様にご不便をおかけする
    >ことはもちろん、楽天アフィリエイトをご利用中の
    >パートナー様にとっても、成果報酬(ポイント)の
    >獲得機会が減ってしまうことになります。

    つまり、「ネット販売ができなくなったら、アフィリエイトで紹介してくださっている皆さんも収入が減るので損ですよ」と、損得勘定を出して署名を呼びかけているのです。

    最後の方も賛成の立場をとりながらも、「社会的に問題のあることなのに」と指摘しているなど、「利用者の名を借りて、実は自らのビジネスを維持存続させるためではないか」と冷静に考えている人もいるようです。 (安心しました)

    個人的にはネット販売について、現状では反対の立場ではありますが、仮に条件付きでネット販売が緩和された場合でも、ヤフーや楽天などインターネットショッピング運営事業者が係わることは、こういった点から禁止にする仕組みを作るべきではないかと思います。

  2. アポネット 小嶋

    2日、ヤフーもネット署名を開始しています。

    ネット署名にご協力下さい(医薬品インターネット販売継続希望のメッセージ)
     (YAHOO! ショッピング)
     https://order.store.yahoo.co.jp/cgi-bin/wg-request-catalog?help

    一般医薬品のネット販売、継続求め、ヤフーもオンライン署名開始
     (Internet Watch 12月2日)
     http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/02/21732.html

  3. アポネット 小嶋

    楽天が行っているネット署名が10万人突破したそうです。(本当?)

    医薬品ネット販売規制に反対する楽天のネット署名が10万人突破
    (IT Pro 2008.12.9)
      http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081209/321086/