国は一般向け安全性情報の充実が図れないものだろうか?

 米FDAは1日、アセトアミノフェンによる SJS、TEN、AGEP などの皮膚反応について注意喚起を行っています。

FDA warns of rare but serious skin reactions with the pain reliever/fever reducer acetaminophen
(FDA Drug Safety Communication 2013.08.01)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm363041.htm
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/DrugSafety/UCM363052.pdf

 日本でも添付文書で注意喚起済みの内容なので、詳細については紹介しませんが、日本との違いを感じることは、きちんと今回の注意喚起に至った経緯や根拠、関連文献などを紹介したうえで、医療専門職に注意を呼びかけていることと、一般向け(生活者・消費者)のわかりやすい情報を同時に発出している点です。

FDA Warns of Rare Acetaminophen Risk
(FDA Consumer Updates 2013.08.01)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm363010.htm
http://www.fda.gov/downloads/ForConsumers/ConsumerUpdates/UCM363067.pdf

 FDAでは。アセトアミノフェンの使用に関する一般向け情報はこれまでもさまざまな情報を発出していますが、考えてみれば、日本ではこういった形での成分ごとの継続的な一般向けの公的情報(くすりとどう関わったらよいか)というのは存在しません。

Don’t Double Up on Acetaminophen
(Consumer Updates 2013.08.01 Update)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm336581.htm

 New Steps Aimed at Cutting Risks from Acetaminophen
(Consumer Updates 2011.01.13)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm239747.htm

Acetaminophen and Liver Injury: Q & A for Consumers
(Consumer Updates 2009.06.24)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm168830.htm

A Guide to Safe Use of Pain Medicine
(Consumer Updates 2009.02.23)
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm095673.htm

 一方、添付文書改訂指示や医薬品・医療機器等安全性情報についての情報は、最近はメディアでも取り上げられるようになりましたが、ときに危険性を煽ったり、誇張する報道も一部に見られます。(バルサルタンの皮膚障害の副作用だって、詳細がまだ公表されていないのに、今回の問題に乗じて先行報道して、危険性を煽っている)

 ワクチンなどはかなり詳細なわかりやすい情報が出るようになりましたが、一般用医薬品のネット販売が事実上解禁になっていることも考えれば、厚労省/PMDAはもっとこれらについて(特に一般用医薬品配合成分。コデインだってそう。)の一般向けのわかりやすい情報も発信すべきではないでしょうか?

 また医療専門職向け情報についても、米FDAでは成分ごとに情報が整理されています。

Acetaminophen Information
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/InformationbyDrugClass/ucm165107.htm

 日本では添付文書ごとの改訂情報(といっても少し前のものについてはないので、いつどの部分がどのように改訂されたかがわからない。米国では発売時からのlabel の履歴が全てアップされているので、後になっても改訂の経緯がわかる)はありますが、厚労省やPMDAは、この米国のように成分ごとの情報の整理・発信も必要ではないかと思います。

 


2013年08月02日 11:54 投稿

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