偽造医薬品問題や品質確保はグローバルな課題(IOM)

 米国医学研究所(IOM:U.S. Institute of Medicine)は13日、偽造医薬品や医薬品の品質確保のための対策を求める報告書を公表しています。

Countering the Problem of Falsified and Substandard Drugs
(IOM Consensus Report 2013.02.13)
http://www.iom.edu/Reports/2013/Countering-the-Problem-of-Falsified-and-Substandard-Drugs.aspx

Report Brief
http://www.iom.edu/Reports/2013/Countering-the-Problem-of-Falsified-and-Substandard-Drugs/Report-Brief021313.aspx

(報告書)
Countering the Problem of Falsified and Substandard Drugs
(National Academy of Sciences)
http://books.nap.edu/openbook.php?record_id=18272&page=1

 近年、米国の製薬会社では海外での医薬品を生産するケースが増えていることに加え、昨年劣悪な環境で作られた汚染ステロイド剤による真菌性髄膜炎の発症例が相次いだことから、偽造医薬品や品質が確保されていない医薬品問題への対応について関心が集まってます。

 報告書によれば、偽装医薬品は低・中所得の少なくとも124か国で販売されている他、品質の問題に目をつぶるなどの規制が緩い国も少なくないとしています

 報告書では、WHOに取り締まりのための法整備やモニタリングのガイドラインづくりなどを求めた他、政府に対してはライセンス要件の強化、インターネット薬局が詐欺的なサイトが合法的なサイトに紛れ込む問題について指摘、ボードが行う認証制度の充実など、さまざまな対策を求めています。

 日本ではこの「偽造医薬品」や「品質が劣る医薬品」の問題は関係ないと思われがちですが、ジェネリックの原薬などは輸入されているのが現状であり、また、個人輸入で医薬品を入手することができるなど決して他人事の問題ではありません。(報告書でも生物学的同等性のデータを評価する技術的な問題を抱える国もあると指摘)

 医薬品の流通がグローバル化する中、これら医薬品による健康被害を防ぐためにも、この問題への関心を高めることも必要でしょう。

参考:
Global counterfeit drug business driven by crime and corruption
(PMLiVE 2013.02.14)
http://www.pmlive.com/pharma_news/
global_counterfeit_drug_business_driven_by_crime_and_corrumption_463679

Report: Action Needed To Wipe Out Fake And Substandard Drugs
(NPR 2013.02.13)
http://www.npr.org/blogs/health/2013/02/13/171923516/report-action-needed-to-curb-fake-and-substandard-drugs
Tracking system to fight fake drugs needed in U.S.
(CBC.Ca 2013.02.14 AP配信)
http://www.cbc.ca/news/health/story/2013/02/14/drugs-fake-.html


2013年02月15日 17:00 投稿

コメントが1つあります

  1. シッフズジャパン 鈴木

    インドは米国の重要な貿易相手で、2011年はインドは米国への医薬品輸出で2番目だそうです。
    (食品安全情報blog 2013-01-09 [FDA]消費者向け情報 FDAはインドへの入り口を提供)