後発医薬品の使用促進のための環境整備方針まとまる(Update)

 14日開催の中医協総会で、下記のような処方せんの新様式の他、これまでの議論(TOPICS 2011.11.30)を踏まえてまとめられた「後発医薬品の使用促進について(骨子案)」が提示され承認されています。

第212回中央社会保険医療協議会総会(2011年12月14日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xgcc.html

(総-1)後発医薬品の使用促進について(骨子案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xgcc-att/2r9852000001xgg2.pdf

2012年からの処方せん新様式案

 骨子案では、下記のような内容が示され、診療側と支払側ともに了承したそうです

  1. 保険薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
    ・加算の要件を 22%以上、30%以上及び 35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつけることとする。
    ・漢方薬、経腸成分栄養剤などは使用割合算出から除外する。
  2. 薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品に関する情報提供
    ・後発医薬品に関する情報提供を充実させる手段として、保険薬局での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬学管理料の中で評価を行うこととする。
  3. 医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価
    ・医療機関における後発医薬品加算の要件(採用品目数の割合20%以上)に「30%以上」の評価を加えることとする
  4. 一般名処方の推進及び処方せん様式の変更等
    一般名による処方を行うことを推進するため、
    ・一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が低いものを用いて計算することとする。(まるめにする際に21点以内にする配慮だった思う)
    ・処方せんの様式について、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更することとする

 現場として検討して頂きたい点としては、これまでの記事でも指摘していますが、以下のようなことがあげられます。

  • 薬情に「在庫情報」を具体的にどのように盛り込むか
  • 「一般名処方」はよいが、一般名で収載されている後発品の薬価収載名は“ロラタジン錠10mg「サワイ」”など、“一般名+規格+メーカー名”というのがほとんどで、電算医薬品マスターコードには一般名のみというのは統一名収載に限られる。今後、“ロラタジン錠10mg”など、メーカー名を冠さないマスターコードを設定し現場が利用しやすいようにするのか
  • 銘柄指定の後発品の変更不可の取扱いはどうするのか(上記の新様式だと、あくまでも「後発品」の変更が不可の場合となっているので、後発品チェックを入れること自体が無効だと思うけど)
  • 処方せん不可欄への記載は原則印字は認めない(手書きのみとする)などの工夫はできないのか

関連情報:TOPICS 2011.11.30 後発医薬品の使用促進案が示される(中医協)

12月14日 18:10更新(タイトルも変更)


2011年12月14日 10:11 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    提案通り了承されたそうです。各紙が伝えています。

    NHK NEWS WEB 12月14日
     http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111214/t10014632951000.html

    m3.com 医療維新 12月14日(要会員登録)
     http://www.m3.com/iryoIshin/article/145864/

    「「最も安い薬価」を医療機関のレセコンで判定するためのシステム対応も必要になる。」との発言があったそうですが、新たに一般名の電算コード(一番安い薬価で設定?)をつくればいいと思うんだけど。

    そして、院外処方時にもこの一般名のコードを使用する(つまりメーカーを指定しない)ことを強く推奨してくれるとなおいいんだけど。

    ところで、後発品の銘柄指定の件は出たのでしょうか?