後発医薬品の使用促進案が示される(中医協)

 30日開催の中医協では、後発医薬品の使用促進のための環境整備が改めて取り上げられ、具体的な対応案が示されています。

第204回中央社会保険医療協議会総会(2011年11月30日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o.html

資料(総-4)後発医薬品の使用促進のための環境整備について(その2)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o-att/2r9852000001wkdt.pdf

 今回の総会では、9日(TOPICS 2011.11.09)・16日の議論を踏まえ、薬情への後発医薬品情報の記載、処方せん様式の変更、一般名処方推進などについての対応策が示されています。(議論の様子が報道され次第、記事更新またはコメント予定)

現状と課題、論点 対応案
 検証部会の調査結果では、平成23年の後発医薬品調剤率(数量ベース)は平成22年と比較してわずかではあるが増加しているとともに、個々の保険薬局においても、調剤率が高い方に移行してきている。
その一方、約半数の保険薬局は依然として本加算を算定しておらず、保険薬局の対応は二極化している。
「生薬」及び「漢方製剤」を除外した場合の後発医薬品全体の調剤率が2%程度上昇すること、現に加算を算定している保険薬局の更なる取組を促すために、「調剤体制加算2、3」の数量割合を引き上げてはどうか。

改定案
調剤体制加算1 22%(現行20%)
調剤体制加算2 30%(現行25%)
調剤体制加算3 35%(現行30%

また、加算を算定していない保険薬局(特に調剤率が10から15%の薬局)についても引き続き取組を促すために、「調剤体制加算1」の数量割合は算出方法を考慮し、現状維持を基本としてはどうか。
なお、点数についてはメリハリをつけてはどうか。

ジェネリック医薬品軽減額通知には一定の効果がみられているものの、実際に受け取っている患者はまだ少ない。
患者が後発医薬品に切り換えようと思ったきっかけの中には、薬剤師からの説明や後発医薬品に関する宣伝等の割合が高い。
一方で、薬局で後発医薬品への変更を希望していながら、「後発医薬品がない薬であること」や「既に後発医薬品が処方されていること」を知らない患者がいる。
保険薬局での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用し、
後発医薬品に関する情報提供を行うことを評価してどうか。後発医薬品に関する情報については、次の内容としてはどうか。
①後発医薬品の有無、②価格、③在庫情報
平成22年度改定において医療機関の薬剤部門が後発医薬品の使用を促進するための体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が20%以上の場合の加算を創設しているが、検証部会の調査結果では、加算を算定している病院は平成23年度においても、依然として少ない状況。
また、検証部会の調査結果では、病院における入院患者への後発医薬品の使用を進める要件及び医師の使用を進める要件として、「処方する際の診療報酬上の評価」という回答があった。
医療機関における後発医薬品の使用に向けたさらなる取組をすすめるために、現行の採用品目数割合「20%以上」に加え、「30%以上」の評価を加えてはどうか。
一般名処方の推進について

(委員意見)
一般名処方の推進方策を検討していただきたい。
一般名処方について、検証調査の結果では薬局も望んでおり、医者も環境整備を望んでおり、一般名処方を原則として普及したら良いのではないか。
一般名処方を行った場合、保険薬局で処方者が意図していないような高い薬剤が調剤されて205円/日を超え、7種類以上の内用薬を処方したとして、処方せん料が変わってしまうことが起こり得るので、そのあたりを配慮する必要がある。

保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が一般名処方を行うことを推進することとしてはどうか。なお、推進にあたり、処方せん発行システムの改修の費用として、一部の関係者によれば数十万円程度を要するといわれているが、この費用についてどのように考えるか。

一般名処方を行った場合の処方せん料の算定において、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち一番薬価が低いものを用いて計算することとしてはどうか。

処方せん様式の変更について

(委員意見)
ドイツの処方せんは3カ所しかチェックできない様式であり、日本の場合は薬の種類が多い方もおり、ある程度まとめられる様式が有効である。
一部の病院の処方せんにおいて、後発品変更不可を事前に印刷されている例があると聞く。療担規則の趣旨に逸脱していると考えられ、個別の対応には限界があることから一歩踏み込んだ対策を検討していただきたい。
後発品を銘柄指定したうえで、後発品への「変更不可」欄に署名した処方せんが見受けられることについて、理解しがたいので対策を検討していただきたい

現行の処方せん様式について、「すべて後発医薬品への変更が不可の場合の署名」欄を廃止し、個々の医薬品について、変更の可否を明示する様式(資料p26)に変更してはどうか。
その他

(委員の意見)
「後発医薬品調剤体制加算」、「後発医薬品調剤加算」、「後発医薬品情報提供料」を併せたら30点となる。算定要件を含め、この内容を整理する必要があると思う。
医療費の効率化のために後発医薬品の使用を促進しているが、使用率は全然伸びていない。「加算によるコスト」と「その結果」がどなっているのか、薬剤費がどのくらい削減されたのか、試算をしていただきたい。

「後発医薬品調剤加算」、「後発医薬品情報提供料」については、「後発医薬品調剤体制加算」の見直し等に合わせて、整理合理化することとしてはどうか。

2011年11月30日 11:43 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    CBニュースによれば、上記厚労省案は大筋で了承されたそうです。

    医療介護CBニュース11月30日
    http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36108.html