第一類医薬品2製品の承認を了承(一般用医薬品部会)

 24日、薬事・食品衛生審議会の一般用医薬品部会が非公開で開催され、第一類医薬品として新たに2製品の承認が了承されたそうです。

薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会 審議品目一覧 資料
(日刊薬業・行政情報資料 2月24日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226503395468

 承認されたのは、「エルペインコーワ」「リフィットコーワ」(興和)と、「ストナリニ・カット」「ストナリニ・ガード」(佐藤製薬)・「ニポラジンAG鼻炎錠」(アルフレッサ・ファーマ)で、3月の薬事分科会に報告を経て、4月以降に正式承認となります。

 「エルペインコーワ」などは、イブプロフェン(450mg/日)とブチルスコポラミン臭化物(30mg/日)を配合したもので、効能・効果は、「生理痛(主に軟便を伴う下腹部の痛みがある場合)」だそうです。

 欧州ではこういった配合のOTCがあるようですが、果たして対象となる生活者はどれだけいるでしょうか?

 「ストナリニ・カット」などは、メキタジンを医療用医薬品と同量(6mg/日)配合したもので、効能・効果は、「花粉、ハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)の症状緩和」だそうです。(用法は、成人1回1錠を1日2回(朝・夕)服用)

 薬事日報記事にある通り、メキタジン自体は成分としては第二類であり、4mg/日配合された「ロートアルガード鼻炎内服薬Z」などの製品がありますが、6mg/日という理由で今回第一類となったのでしょうか? 効能は若干異なりますが、配合量が異なるということで、リスク分類を変えたというのであれば、初のケースとなるのですが、果たして4mg/日と6mg/日でどれだけ眠気に差があるのでしょうか?

 一方、部会ではエパデールについての意見交換も行われています。薬事日報の記事を見る限り、議論は今回も平行線で、承認は相当先になる印象です。

 薬剤師委員から示されたとされる、「医師と連携して疾患予備群を見出すことにより、健康増進に努める」(薬事日報記事)というのは、医療専門職の役割分担という観点からも、もっと尊重されるべきです。こういった意見を医師側委員が一切受け入れないというのなら、直ちに同様の効果を訴えるトクホやサプリの販売を禁止すべきでしょう!!

 厚労省も、「薬剤師を(プライマリ)セルフケアでいかに活用するか」という視点で話をすすめないと、こういった分野のスイッチが行われることは永遠とないでしょう。(海外がうらやましいな)

 そして審議は、セルフケア=生活者に関連することですので非公開にする必要はなく、公開で行われるべきです。

関連情報:TOPICS
  2010.11.25 OTCエパデールの承認了承は見送り(Update2)
  2011.02.22 海外におけるスイッチOTCの状況(Update)

参考:
【脂質異常症治療薬】スイッチOTC化見送り
(薬事日報 HEADLINE NEWS 2月24日)
http://www.yakuji.co.jp/entry22136.html
一般薬部会  新配合医薬品の1類薬など承認を了承
(日刊薬業WEBフリーサイト 2月24日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226555469851.html?pageKind=outline


2011年02月25日 21:07 投稿

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