「メルクマニュアル医学百科 家庭版」オンライン版

 一度はウェブサイトを訪問したことや、書籍版が手元にあるよという方もいるか思いますが、メルクマニュアル(The Merck Manual)を平易な文章に編集した「メルクマニュアル医学百科 家庭版」の最新版がWEBに登場しています。

「メルクマニュアル医学百科 家庭版」オンライン版をリニューアル
「高齢者の健康問題」と「応急処置」の内容を充実
(MSD ニュースリリース 2013.02.21)
http://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2013/pages/corporate_0221.aspx

 今回のリニューアルは単なるデザインの変更ではなく、2009年に刊行された第三版である、「The Merck Manual Home Health Handbook」を翻訳したもので、手元にある書籍版(第二版)と比べたところ、記述内容の見直しが結構行われているようです。

メルクマニュアル医学百科 家庭版
 http://www.merckmanuals.jp
 http://www.merckmanuals.jp/home/

 プレスリリースによれば、新たに「高齢者の健康上の問題」のセクションが新設された他、緊急対応時に速やかに情報が得られる「応急処置」のインデックスが新たに追加され、社会のニーズに合わせたコンテンツ提供を追及したとしています。

 このうち、加齢と薬のページ(→リンク)では、抗コリン薬の問題を取り上げた他、高齢者で特に問題を起こしやすい薬が一覧表になっています。

 また、市販薬に関する注意事項のページ(→リンク)にある高齢者に関する事項のうち、「高齢者は制酸薬の副作用を受けやすくなっています。アルミニウムを含む制酸薬では便秘を、マグネシウムを含む制酸薬では下痢や脱水を起こす機会が増えます」という部分はつい忘れがちになりそうです。

 メルクマニュアル家庭版というと、以前、ジェネリックの記載を巡って誤解を招く表現があったとして、修正を余儀なくされた(TOPICS 2011.02.21)ということがありましたが、該当するページも第三版の内容に準じて改められています。

  • ジェネリック薬の生物学的同等性と互換性(→リンク
  • Bioequivalence and Interchangeability of Generic Drugs(→リンク

 一方、サイトのデザインも上記原版の英語のサイトをみてわかるように、同じようになっています。

Merck and The Merck Manuals
 for PATIENTS & CAREGIVERS
http://www.merckmanuals.com/home/

 ところで、コミットメントのページを見て、今まで知らなかったのですが、2004年に「高齢者医療メルクマニュアル(The Merck Manual of Health & Aging)」というのを出しているのですね。

 残念ながら英語の書籍版だけで、オンライン版もありませんが、この分野の日本語版があったら役に立つと思うのですが。(翻訳でもしているのかなあ?)

The Merck Manual of Health & Aging
http://www.merckbooks.com/mmha/
(ページのサンプルが見れます。29.95ドルだそうです)

 とても参考になりそうですが、唯一の不満は記事のURLが原版とおなじタイトルに即したもの(しかも日本語)になってしまい、ページのURLが示しにくくなった点です。(でも書籍版が出れば、買ってみたい)

 ちなみに本家は下記です。

THE MERCK MANUAL: The Merck Manual of Diagnosis and Therapy
(19th edition)
http://www.merckmanuals.com/professional/

メルクマニュアル18版 日本語版
http://merckmanual.jp/mmpej/

関連情報:TOPICS
 2011.02.21 第6回ジェネリック医薬品品質情報検討会
 2013.02.20 ヘルパーから見た要介護者の一般用医薬品の利用状況


2013年02月21日 23:40 投稿

Comments are closed.