アセトアミノフェン製剤の添付文書改訂

 順次、各施設にDMにて「使用上の注意改訂のお知らせ」が届いているかと思いますが、3月22日の厚生労働省医薬食品局安全対策課の事務連絡等により、アセトアミノフェン製剤の安全対策(TOPICS 2011.01.21)に沿った添付文書の改訂が行われています。

「使用上の注意」の改訂について
(厚生労働省医薬食品局安全対策課 事務連絡 2011年3月22日)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110323I0010.pdf

[警告] の項を新たに設け、下記項目を追記。

  • 「本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。」
  • 「本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤( 一般用医薬品を含む) との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現する
    おそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。」

[禁忌] の項に

「重篤な肝障害のある患者」を追記(PL配合顆粒など合剤。単剤は反映済み)

[重要な基本的な注意]の項に下記項目を追記

  • 重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。 
  • 慢性疾患に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。  

[慎重投与] の項に下記項目を追記

  • 「アルコール多量常飲者」(PL配合顆粒など合剤。単剤は反映済み)
  • 「絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者」

[相互作用] の「併用注意」の項の「アルコール含有製剤」を

「アルコール含有製剤、アルコール」と改める(幼児用PL配合顆粒、小児用ペレックス配合顆粒)

[過量投与] の項に

「アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝障害の軽減等) には、アセチルシステインの投与を考慮すること」を追記

[重大な副作用]]の項の「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)」を

「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)」と改める

 医療用医薬品に警告欄が設けられたことにより、一般用医薬品のアセトアミノフェンのリスク区分(第2類医薬品)や添付文書の取り扱いはどうなるのでしょうか?

関連情報:TOPICS
 2011.01.21 アセトアミノフェン製剤の安全対策
 2011.01.14 アセトアミノフェン配合鎮痛剤は含量325mgに制限(米FDA)
 2009.07.01 米FDA諮問委、アセトアミノフェンの安全対策を勧告
 2009.05.28 アセトアミノフェンの安全対策(肝障害)が示される(米国)
 2009.04.29 OTC解熱鎮痛剤に潜在的リスクの明示を求める(米国)
 2005.12.04 アセトアミノフェンと肝不全(米国研究)


2011年04月11日 14:09 投稿

コメントが1つあります

  1.  これは、医療用医薬品としての用法・用量、効能・効果の変更がなされ、欧米並みの大用量が認められたことに伴うものと理解しています。
     むしろ、OTC医薬品については、相変わらず海外からはそれは一日量なのか、一回量なのかと首を傾げられる状況が続いています。