厚労省、処方せん医薬品等の取り扱いについて通知

 厚労省は4月からの改正薬事法の全面施行に伴い、3月31日付で「処方せん医薬品」等の取り扱いについて、都道府県に通知した。(日薬HP会員向けページに掲載されている)

 今回の通知では、処方せん医薬品以外の医療用医薬品について、今まで口頭等で指導するなどあいまいにされていたものを明文化し、これらの厳格な安全管理等についての周知徹底が図られている点が注目される。

 具体的には、処方せん医薬品以外の医療用医薬品の販売(=いわゆる『零売』)については、一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などに限るとし、もし販売する場合には、 1.数量の限定 2.調剤室での保管・分割  3.販売記録の作成 4.薬歴管理の実施 5.薬局における薬剤師の対面販売といった事項を遵守することを求めた。また、留意事項として、1.広告の禁止(患者のみの判断に基づく選択がないように)2.服薬指導の実施(消費者が与えられた情報に基づき最終的にその使用を判断する一般用医薬品とは異なり、医療において用いられることを前提としているため)3.添付文書の添付等などを示している。

 薬事日報によれば、厚労省は「店頭に並べての販売などは違反」との見解を示していて、「違反に対する罰則規定はないが、薬事監視などで行政指導による対応を求めることになる」という。また、パッケージ販売(カタリンKや、フルコートFも含まれる?、オキシドールなどの局方品も該当?)のような販売方式は、「好ましいものとは言えない」としている。

 業界紙では、今回の処方せん医薬品以外の医療用医薬品の販売について、「処方せんに基づく交付が原則」と報ずる一方で、条件付きで零売を認めたのではないかという見方も示されていて、今後はこの通知の解釈・実際の運用が注目される。

 参考:薬事日報 HEADLINE NEWS 4月6日


2005年04月06日 23:30 投稿

コメントが2つあります

  1. 処方せん医薬品以外の医療用医薬品の薬局における販売等について、種々の行政指導が行われても、行政指導はこれを強制することはできません。改正薬事法において、店舗販売業で、薬剤師の存在において販売できる第1類医薬品の種類はわずかなものです。薬剤師と簡単な都道府県の試験を受け合格した登録販売者との差別化のためにも処方せん医薬品以外の医療用医薬品を薬剤師の専門知識により販売する薬局(本来は販売目的で調剤を行う場所となっていますが)の許可を得たドラッグストアが存在してもよいと思います。このような行為を違法とするのであれば、きちんと法制化すべきと思います。店頭に並べても需要者が選択するのではなく、薬剤師が相談をうけ適当な医薬品を選択、販売すれば問題ないと思います。

  2. アポネット 小嶋

    コメントありがとうごさいます。

    TOPICS 2008.9.28 で紹介しましたが、薬事法施行に伴い、処方せん医薬品以外の医療用医薬品については、新たに「薬局医薬品」というカテゴリーがつくられましたので、きちんと販売方法などが規定されました。ただ、まだまだ不十分です。(TOPICS 2008.10.9

    個人的にはKsさんと同じ考えで、通知による指導ではなく、きちんと法律での対応が必要と考えています。(TOPICS 2008.10.9

    それと、ネット販売の禁止は明文化すべきだと思います。医療用医薬品は単一成分であり、濫用の対象となりやすいからです。濫用のリスクを知らないで、メジコン錠を100錠単位で販売しているところもあるようですが、これなどは薬物濫用に手を貸しているようなものです。

    TOPICS 2006.12.06 急増するデキストロメトルファンの濫用(米国)(最近の話題旧サイト)