新年雑感2014

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年2013年も、一般用医薬品のネット販売解禁に向けての検討と、これに伴う薬事法・薬剤師法の一部改正が決まるなど、さまざまな出来事があった一年でした。

 個人的には近隣医療機関が再開、処方せん応需の体制づくりのため、特に秋以降はほとんど余裕がなくなってしまいました。

 このため、研究会の開催検討や、最新情報などを紹介するブログ記事のアップがほとんどできない状態となり、訪問される方の期待に沿えず申し訳なく思っています。

 また、ここのところ、基礎的な勉強や知識の習得の不十分さを痛感しており、不勉強さを皆さんにさらけださないか心配に思うこともあります。

 さて、今年は診療報酬(調剤報酬)の改定が行われます。全体的には大きな変更はなさそうですが、いわゆる「調剤薬局たたき」に対して、どういう判断が改定に盛り込まれるか、近く行われる中医協の答申が注目されます。

 また、4月からは一般用医薬品のネット販売が一定の条件の下、解禁となります。詳細のルール等(薬局医薬品などの販売も含む)については、現在省令案が示され、パブコメが行われているので、是非確認して、皆さんも意見を出してみて下さい。

薬事法施行規則等の一部を改正する省令(案)に関する意見の募集について
(案の公示日 2013年12月26日 意見・情報受付締切日 2014年01月24日)
(ネット販売、店舗販売のルールなど)
  →薬事法施行規則等の一部を改正する省令(案)の概要

薬事法施行令の一部を改正する政令(案)に関する意見の募集について
(案の公示日 2013年12月26日 意見・情報受付締切日 2014年01月24日)
(薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の取扱い)
  →薬事法施行令の一部を改正する政令(案)の概要

OTC薬の新販売ルールを盛り込んだ薬事法施行規則案が公表
(日経DI 2013.12.26 要会員登録)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201312/534430.html

 事実上の解禁状態になっているネット販売については、ルールが決まっていないため、不適切と思われる販売(特に乱用が懸念される品目の大量販売。省令案では、該当となる成分が具体的に示されていないのが気になる)が散見される現状にありますが、4月以降、改正薬事法等に沿ったきちんとした販売が行われるか(もちろんリアル店舗での販売も含む)どうかが注目です。

 さらに、厚労省の中医協など各審議会でも取り上げられていますが、地域薬局のあり方というものが、今年は議論となるような気もします。

 本年もよろしくお願いします。


2014年01月01日 13:42 投稿

コメントが2つあります

  1. あけましておめでとうございます。
    昨年も、こちらのサイトの啓発に助けられ、知識を広めることが出来ました。
    ネット販売については、合理性よりも、政治家の発言のしりぬぐいをする形での整備
    となった個所が多いと思われます。
    リスクの引き受けという点が正しく生活者に受け止めてもらえるかが懸念点です。

  2. アポネット 小嶋

    いつもコメントを頂きありがとうございます。なかなか余裕がなく、記事の本数は少なくなりますが、今年もよろしくお願いします。

    元記事で触れるのをすっかり忘れていましたが、今年はどんな成分がスイッチされるかが注目ですね。

    ネット販売の事実上の解禁で、新たなスイッチは望めないのではないとの悲観論も少なくありませんが、「要指導医薬品」を社会に認知することで、海外では一部の国で既にスイッチされている、PPIやトリプタン製剤、内服の抗ウイルス薬(タミフル、ファムビル)、抗菌薬(トリメトプリム、アジスロマイシン)、抗肥満薬、緊急避妊薬など、日本でも生活者が必要とする成分のスイッチの検討が進むのではないかとの期待を私は持っています。

    とりあえずは、平成24年度からストップになっている、医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としての利用も可能と考えられる候補成分についての各学会の意見の公表と、医師会が求める「生活習慣病分野でのスイッチOTCのあり方についての新たな検討の場」が立ち上がるかどうかが注目ですね。