電子版「糖尿病連携手帳」「お薬手帳」検討状況

 おくすり手帳の電子化や電子版「糖尿病連携手帳/カード」などの導入の提言が行われている(TOPICS 2011.05.27)、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)・医療情報化に関するタスクフォースの第12回の会合が13日、5か月ぶりに開催されています。

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・医療情報化に関するタスクフォース
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/

第12回高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部
医療情報化に関するタスクフォース(2012年2月13日開催)
資料:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai12/gijisidai.html

 資料によれば、電子版「糖尿病連携手帳/カード」については、この間『「どこでもMY病院」糖尿病記録に関する作業部会』により、

  • 「どこでもMY病院」糖尿病記録として取り扱う具体的情報(データセット)の項目の検討
  • 他疾病を考慮したデータセット拡張の検討
  • 「どこでもMY病院」糖尿病記録がどのように利活用されるかのユースケースの検討
  • 医療機関等から情報が患者に電子的に提供され、情報が集約、蓄積され、利活用されるまでの情報の流れに着目したワークフローについての検討

などが行われ、今回中間報告が行われています。

資料1:「どこでもMY病院」糖尿病記録に関する作業部会 中間報告
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai12/siryou1.pdf

 登録データは、氏名・生年月日などの「共通基本情報」、HbA1c値・尿蛋白など他の用途への活用も踏まえた最低限かつ十分な「臨床データ」、患者の病期等に合わせてデータセットを追加できる医療機関からの「追加データ・コメント」、健診センター等から提供される「健診データ」(希望する患者が登録)、体重/血圧/運動量/食事量(カロリー) 等の「自己理データ」から構成されるとし、薬剤等の情報については、電子版「お薬手帳」の情報と併せて利用されることを想定するとしています。

 作業部会では、これにより「薬剤師は患者の健康状態を把握でき、服薬指導などの際の参考にできる」としています。

 情報のやりとり(検査データなど)については、紙ベースのものにQRコード(2次元バーコード)をつけて、患者自身が必要に応じて携帯電話にデータを取り込めることを想定しているようです。(院外処方せんに処方情報だけではなく、こういった情報もQRコードで薬局で読み取れるようにすれば利活用できると思う)

 一方、電子版「お薬手帳」については、総務省が3地区で行っている実証事業(TOPICS 2011.11.06)と厚労省が石川県能登北部地域で行っている実証事業に加え、日薬からも検討の現況が報告されています。

資料6-1:シームレスな地域医療連携 に関する評価指標について(総務省)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai12/siryou6_1.pdf

資料6-2:シームレスな健康情報活用基盤実証事業について(厚労省)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai12/siryou6_2.pdf

資料7:電子版お薬手帳の現況(日薬)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai12/siryou7.pdf

 民間では、株式会社ファルコバイオシステムズと株式会社インテージが開発し、日本調剤が運用を開始したものもありますね。

「電子版お薬手帳」サービス開始に関するお知らせ(2011.11.21)
http://www.dokokaru.net/modules/news/article.php?storyid=114
(PDF→イメージ図あり

 実証事業の評価を行い、できるだけ早く全国統一したものをつくってほしいですね。(一部地域や一部グループだけのものとならないように)

関連情報:TOPICS
 2011.11.06 第2回日本版EHR事業推進委員会(総務省)
 2011.05.27 医療情報化に関するタスクフォース報告書(IT戦略本部)
 2011.03.02 IT活用、まずは電子版「お薬手帳」と「糖尿病連携手帳」を
 2010.09.15 第1回医療情報化に関するタスクフォース
 2010.05.11 2013年にもおくすり手帳は電子化される?


2012年02月16日 00:19 投稿

コメントが2つあります

  1. シッフズジャパン鈴木

    1糖尿病患者(A1c 6.3%)の立場では、「どこでもMY病院」糖尿病記録が魅力的です。特に、患者が自ら登録する「自己管理データ」の食事量・アルコール量(カロリー)と運動量の自己コントロールに弾みがつきます。

  2. 二次元コードをまず義務化して欲しいですよ。レセの突合チェックするくらいなら、薬局では読み込めば、突合しても99%イコールになるんですから。病院を審査して薬局から処方せん取り寄せてって時間とお金が無駄な気が。

    何にしても、今回は糖尿病は一緒になりますが、それこそ母子手帳とか、連携パスの情報とか、あっちもこっちも別々にやらないで、何か統一した指針をまず作ってからやって欲しいですね。もちろん都道府県でばらばらでは、全国どこでも持っていける処方せんが機能しなくなりますよね。