医療計画の作成指針

 16日、第10回の医療計画の見直し等に関する検討会資料が開催され、2013年度から実施される医療計画策定のための作成指針案等が了承されています。

第10回医療計画の見直し等に関する検討会
(厚労省2011年12月16日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85.html

 「(地域保健)医療計画」は、各都道府県の保健医療に関し、施策の方向を明らかにする「基本的かつ総合的な計画」としての性格を持つもので、区市町村にとっては行政施策の展開の、民間医療機関や各種団体、企業にとっては活動の、そし地域住民にとっては行動の指針となることを期待するもので、おおよそ5年ごとに見直しが行われています。

 この検討会では、この5年に一度行われる医療計画の策定(見直し)を行うのにあたって留意すべき指針を検討するもので、この間1年をかけて審議が続けられてきました。

医療計画の見直し等に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi34 

 前回の見直しでは、医療制度改革や医療法の改正(薬局が医療提供施設として位置づけられる)を受けて、各都府県の保健医療計画のいずれでも「薬剤師」や「薬局」の文言が目立つようになった他、薬局に地域医療ネットワークへの参画が求められるようになっています。また、近年全国各地で地域連携クリティカルパス(連携パス)が推進されているのは、この保健医療計画で連携パスの策定と運用が明記されている背景があります。

 この検討会の審議の様子はこれまでも本サイトや日薬雑誌に紹介されていますが、検討会の座長を務めた武藤正樹氏の講演スライドにわかりやすくまとめられています。

2012年診療報酬改定と地域連携
武藤正樹のWebサイト・講演 11月30日分 p52-82)
http://masaki.muto.net/lecture/20111130a.pdf

 上記にあるように、今回の見直しでは、現在の4疾患5事業に精神疾患(認知症も含む)が疾患として加わる(精神疾患の医療体制の構築)他、在宅医療に係る医療体制の充実・強化などが示されています。

(資料3)医療計画の見直しについて(案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yje7.pdf

 今後、各都道府県では2012年度中に下記のような指針(正式な指針は来年初めにも通知)に従い、2013年から5年間の医療計画を策定することとなります。

 薬剤師や地域薬局が地域医療においてどのように位置づけられるか、また、認知症など精神疾患の連携パスの策定と運用も行われていくのか、来年はお住まいの都道府県からのアナウンスには十分留意する必要があるでしょう。(職能団体の働きかけや連携も必要かも)

医療計画作成指針(案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yjek.pdf
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yjez.pdf

関連情報:TOPICS
 2008.01.24 地域保健医療計画からみた薬局・薬剤師の役割
 2009.03.13 「地域連携パス」における地域薬局の役割
 2011.10.06 認知症連携パスと地域薬局


2011年12月21日 15:08 投稿

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