薬害を学ぶための副読本の内容が固まる

  薬害の歴史や医薬品の副作用を学ぶための中学生向けの副読本の内容を検討する、「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」の第6回会合が7日行われ、第5回までの議論踏まえた教材の最終原案が示され、大筋で合意したそうです。

第6回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会(2010年12月7日開催)
 厚労省資料(12月9日掲載) WAM NET 資料(12月8日掲載)
   資料1:教材の原案(表紙)(PDF:1015KB)(どれになったかは不明)
   資料2:教材の原案(前回の議論を受けた修正版)(PDF:1890KB)
   資料3:被害者の声(執筆者の方からいただいた全文)(PDF:371KB)

 最終案は、前回検討会で示されたたたき台より大幅に文字数が減って、考えるためのきっかけとなるよう内容に絞り込まれています。

 前回案を製作した会社も、教科書的なものを作るのか、それとも副読本として参考資料の情報を多くつめこむのかで迷ったようです。(→第5回検討会議事録)(前回検討会のたたき台は、教師用として活用にしたらとの意見も)

 また、今回の案では被害者の声が、「なぜ薬害は起ったのだろう?」の前に入れ替わっています。これは、薬害の年表に加えて、被害者の声を聞いたうえで、「なぜ薬害は起ったのか」ということを考えることにより、学習効果が上がると考えられたようです。

 さらに、サリドマイドが骨髄腫に効いているから復活しているという事項も削除されています。これは、現在進行形のものと過去に起こった薬害とは区別して考えた方がいいという意見が出されたためです。(→第5回検討会議事録

 中学生が薬害を学ぶためのどのように教材を作成し、それをどう活用するかの議論は結構興味深いものがありました。

 医系学生向けや薬害を学ぶ機会のなかった私たち向けの冊子でも作成してもいいのではないでしょうか。(もしかして、すでにあるのかな?)

 また、副読本案にもありますように、より深く学びたい人向けに「薬害教育支援サイト」というのも開設されるようです。こちらも注目です。

 なお各回の資料・議事録は下記ページからリンクされています。

薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会
  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ax9a.html#shingi68

関連情報:TOPICS
  2010.11.16 第5回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会
  2010.09.03 第2回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会
  2010.07.26 第1回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会

参考:
中3向けに薬害学ぶ教材 厚労省が来年度配布へ
(47NEWS 12月7日 共同通信配信)
  http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120701000837.html
医療介護CBニュース 12月7日
  https://www.cabrain.net/news/article/newsId/31296.html

リンク追加 12月10日


2010年12月08日 18:41 投稿

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