パーキンソン病治療薬・酸化マグネシウムの添付文書改訂を指示

 厚生労働省は19日、ドパミン受容体作動薬、L-dopa製剤、酸化マグネシウム等に対して、使用上の注意の改訂を指示しました。

 使用上の注意改訂情報(平成20年9月19日指示分)
  (医薬品医療機器総合機構HP・医薬品関連情報)

 ドパミン受容体作動薬、L-dopa製剤については、従来「その他の注意」の項目にあった、病的賭博に関する注意喚起が、今回「重要な基本的な注意」の項目に移動し、

「レボドパ又はドパミン受容体作動薬を投与されたパーキンソン病患者において、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

に内容が改められました。

 パーキンソン病治療薬といわゆるギャンブル依存症との関連について一歩踏み込んだ内容になったことで、パーキンソン病の患者さんの家族から、「最近パチンコにはまってしまって」といった話を聞いたら、今度は医師にきちんと報告する必要が出てきました。

 また、酸化マグネシウムについては、高マグネシウム血症への注意喚起が強化され、「副作用」の項に新たに「重大な副作用」として、

 「高マグネシウム血症:本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。
悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

が追加され、また、「重要な基本的注意」の項が新たに設けられ、

「本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがあるので、長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。」

を記載するよう指示しています。

 緩下剤として酸化マグネシウムを服用する患者は多く、薬局の現場でも高マグネシウム血症の初期症状をチェックし、必要に応じて医師への連絡が必要となるでしょう。

関連情報:TOPICS
   2006.11.10 ドパミン作用薬と病的賭博・性欲亢進(英国レポート)
   2006.03.21 パーキンソン病とギャンブル依存症


2008年09月20日 00:01 投稿

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