後発医薬品調剤体制加算は5点、15点、19点(中医協答申)(Update2)

 10日、中医協の総会が行われ、2012年度診療報酬改定案について原案通り答申が行われました。注目の後発医薬品調剤体制加算は、22%以上が5点、30%以上が15点、35%以上が19点(現行20%以上6点、25%以上13点、30%以上17点)となりました。

第221回中央社会保険医療協議会総会(2010年2月10日開催)
  資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1.html

薬剤師関連は、
資料(総-1)のp39-40、p77-79、p194-196、p250-265別紙1-3(調剤報酬点数表)

 この他の注目事項は、以下の通りです。

  • お薬手帳が包括となった、「薬剤服用歴管理指導料」(処方せんの受付1回につき) が41点(現行30点、手帳は15点)
  • 特定薬剤管理指導加算(ハイリスク加算)が4点(現行通り、算定要件を明確化)
  • 基準調剤加算1が10点(現行通り、要件は一部変更) 2が30点(現行通り、要件は一部変更)
  • 新設の「在宅患者調剤加算」(処方せん受付1回につき)が15点
  • 新設(包括化)の「乳幼児服薬指導加算」(処方せんの受付1回につき) 5点
  • (医科)後発医薬品使用体制加算の現行の要件(後発医薬品の採用品目割合20%以上)に「30%以上」の評価を加える。
  • 一般名処方による加算(医科)が2点
  • 包括化された「服薬情報等提供料」(施設基準・算定要件あり)が15点
  • 「後発医薬品調剤加算」と「後発医薬品情報提供料」は廃止
  • 「病棟薬剤業務実施加算」(薬剤師が勤務医等の負担軽減等に資する業務を病棟で一定以上実施している場合に対する評価、施設基準・算定要件あり)が100点(週1回)
  • 外来化学療法加算の評価区分の見直し(p194-196)
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件に患家との距離要件の設定
    (保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える場合、特殊の事情がある場合を除き算定できない。)
  • 麻薬4剤(コデインリン酸塩(内用)、・ ジヒドロコデインリン酸塩(内用)、 フェンタニルクエン酸塩の注射剤(注射)、フェンタニルクエン酸塩の経皮吸収型製剤(外用))の30日投与可

在宅患者調剤加算について
[算定要件]
施設基準に適合している薬局において、在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定している患者に対する調剤を行った場合

[施設基準]

  1. あらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生局長等に届け出た保険薬局であること。
  2. 在宅業務を行うにつき必要な体制が整備されていること。
  3. 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28 年法律第14号)第3条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
    ※ なお、必要な体制整備の要件として、過去一年間の在宅患者訪問薬剤管理指導等の実績、医療材料及び衛生材料を供給できる体制、医療機関及び福祉関係者等に対する在宅業務実施体制に係る周知等を定めることとする。

病棟薬剤業務実施加算について
[算定要件]
1.すべての病棟に入院中の患者を対象とする。ただし、療養病棟又は精神病棟に入院している患者については、入院した日から起算して4週を限度する。
2.薬剤師が病棟において医療従事者の負担軽減及び薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務(以下「病棟薬剤業務」という。)を実施している場合に算定する。

※ 病棟薬剤業務として、以下を規定することとする。

  当該保険医療機関における医薬品の投薬・注射状況の把握

  • 当該保険医療機関で使用している医薬品の医薬品安全性情報等の把握及び周知並びに医療従事者からの相談応需
  • 入院時の持参薬の確認及び服薬計画の提案
  • 2種以上(注射薬及び内用薬を1種以上含む。)の薬剤を同時に投与する場合における投与前の相互作用の確認
  • 患者等に対するハイリスク薬等に係る投与前の詳細な説明
  • 薬剤の投与にあたり、流量又は投与量の計算等の実施
  • その他、必要に応じ、医政局通知で定める業務

[施設基準]

  1. 薬剤師が病棟において医療従事者の負担軽減及び薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務を実施するにあたって十分な時間を確保できる体制を有していること。
  2. 病棟ごとに専任の薬剤師を配置していること。
  3. 医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設を有していること。
  4. 当該医療機関における医薬品の使用状況を把握するとともに、医薬品の安全性に係る重要な情報を把握した際に、速やかに必要な措置を講じる体制を有していること。
  5. 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制が整備されていること。
  6. 薬剤管理指導料に係る届出を行った保険医療機関であること。
    ※ 十分な時間として1病棟・1週当たり20時間を規定する予定
    ※病棟薬剤業務実施加算の新設に伴い、実施業務が重複する薬剤管理指導料における医薬品安全性情報等管理体制加算は廃止する。

 調剤基本料、調剤料は変更なしのようです。詳細については、日薬などの情報で再確認をお願いします。

 この他、今回の中医協では関連の案が提案されています(調剤ポイントについては別記事をたてます)

関連情報:TOPICS 2012.01.30 調剤報酬の改定点と算定要件などが示される

参考:47NEWS 2月10日(共同通信配信)
     http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021001001502.html
  

2月10日10:40更新 14:00更新


2012年02月10日 10:17 投稿

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