2011年からたばこの陳列販売禁止へ(英国)

 英国保健省では、5月31日から9月8日までたばこ販売の規制強化案についてのPublic cosultationを行ってきましたが、9日、その結果を公表するとともに、たばこを棚に並べて店頭で販売することをスーパーマーケットなどの大規模店では2011年11月から、その他の店舗でも2013年までに禁止すると発表しました。

Johnson stubs out recruitment of young smokers
   (英国保健省 NEWS RELEASE 2008.12.9)

Stubbing out recruitment of young smokers
   (英国保健省 2008.12.9)
  http://www.dh.gov.uk/en/News/Recentstories/DH_091689

Consultation on the future of tobacco control
  (2008.5.31、意見募集開始時)

Consultation on the future of tobacco control: consultation report:
December 2008
(2008.12.9)

 英国保健省によれば、96,000件以上の意見が寄せられ、多くの人が規制案に賛成の意見を寄せたそうです。

 英国でも経済危機の中、こういった規制が導入することは、中小店舗の売り上げ減を招いてさらに苦境に追い込むのではないかとの声もありましたが、英国政府は健康増進のためには必要な政策だとして、今後粛々と準備をすすめていくようです。

●たばこの陳列販売を禁止または予定している国

 アイスランド(2001)、タイ(2005)、英国領バージン諸島(2007)、カナダ(サスカチェワン、マニトバ、 ヌナバト、プリンスエドワード島、ブリティッシュ・コロンビア、ニューブランズウィック、ノースウェスト・テリトリー、ノバスコシア、オンタリオ、ケベック、アルバータユーコンなどの州や地区)、オーストラリア(クィーンズランド、タスマニア、ビクトリア、ニューサウスウェールズの州が2011年に禁止令を導入に向け準備中).

 ただ今回の案では、自動販売機での販売については禁止にせず、年齢確認を求めることにとどまったために、不十分ではないかとの声もあるようです。保健省では年齢確認の方法として次のような方策を検討していますが、2011年までに効果が出なければ、2013年からの自動販売機の全面禁止も検討しているようです。

  • 日本のタスポのようなIDカードの導入(ドイツ・オランダで導入)
  • 店舗で年齢確認を受けて購入した専用のコインを使用(アイルランド、スペインで導入)
  • 赤外線による遠隔操作で確認?(ニュージーランドで導入)
●たばこの自動販売機を禁止している国

 ベトナム、中国、香港、ロシア、シンガポール、タイ、バミューダ、米国、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、エストニア、フランス、ハンガリー、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、せルビア、スロバキア、スロベニア

 やはりこういった政策は、政府がイニシアチブをもってすすめないとすすみません。経済活動を優先として、神奈川県の禁煙条例案が次々と骨抜きにされていく姿を見ると、日本も国を挙げて取り組まないと開発途上国も含めた世界で最もたばこ対策が遅れた国とのレッテルを貼られてしまうでしょう。

関連情報:TOPICS
  2008.03.24 子どもの目に触れないところにたばこは陳列すべき(英国)

参考:
たばこ陳列販売を禁止 英政府、若年層の喫煙対策
  (MSN産経新聞 2008.12.9 共同通信配信)
  http://sankei.jp.msn.com/world/europe/081209/erp0812092133007-n1.htm
Ban on tobacco displays announced(BBC NEWS 2008.12.9)
  http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7771210.stm
Cigarettes displays in shops will be banned but not until 201
  (Telegraph 2008.12.9)
  http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/3688947/
  Cigarettes-displays-in-shops-will-be-banned-but-not-until-2013.html


2008年12月10日 00:43 投稿

Comments are closed.