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2006.04.30 抗菌剤の不適切な使用が耐性菌を招くことに日本人は無頓着?

2006.04.30 鉛入りアクセサリー問題、リスク評価の検討会設置へ

2006.04.30 足利赤十字病院が、週末夜間の小児救急診療を開始

2006.04.28 アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査

2006.04.25 中学校の女子生徒が担任教諭の給食に抗うつ剤を混入(4/26更新)

2006.04.22 薬科大学誘致は慎重対応を、市議会会派がタウンミーティングで答える

2006.04.21 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No8

2006.04.20 薬事法改正法案の参議院での審議状況(4/26更新)

2006.04.20 吸入型インスリンは費用対効果が十分でない(英国)

2006.04.18 薬局従事者をとりまく環境の国際比較

2006.04.18 下水への医薬品廃棄は環境に影響するか? 環境省実態調査へ

2006.04.14 日薬が、後発品に関するデータベースの作成を検討

2006.04.13 特定高齢者と介護予防手帳

2006.04.13 禁煙で心疾患リスク半減(厚労省研究班)

2006.04.10 既存配置販売業への優遇措置に、医薬品監視機関が意見書を提出

2006.04.10 「後発医薬品」意思表示カード

2006.04.10 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No.7

2006.04.07 『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービス

2006.04.03 東京都が、健康食品の安全確保に向けた取組の方向性を提言

2006.04.03 波紋を呼ぶ政府広報(4/21更新)

2006.04.02 小児薬物療法検討会議(4/18更新)

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2006.04.30 抗菌剤の不適切な使用が耐性菌を招くことに日本人は無頓着?

この4月に行われた欧州臨床微生物・感染症会議(European Congress of Clinical Microbiology and Infectious Diseases)で、多くの人が抗菌薬の耐性を懸念しているが、抗菌薬の不適正な使用がこの問題にどのように影響しているかを理解している人は少ないとする調査の中間集計が発表されました。

この調査は、ファイザー社などの協力で行われているCOMPLy (COmpliance, Modalities by Population, Lifestyle and Geography)という、日本など世界11カ国4,500人を対象とした調査で、興味ある結果が発表されています。

まず、抗菌剤の服用状況ですが、回答者の全体の22%が、「服薬指示どおりに服薬しなかった」と答えています。ただ、これには国ごとの差が大きく、オランダ、イタリアが約10%にとどまったのに対し、日本は34%で最もコンプライアンスが悪かった中国の44%に次ぐ結果になっています。

また、「抗菌薬を正しく服用しないと、効果を減弱させてしまうことを知っている」のは全体では61%に上っています。しかし、これも国ごと差があり、ブラジル87%、メキシコ85%などでは認識が高いのに対し、日本では41%に過ぎず、最低だった中国の33%に次いで認識が低くなっています。

また 回答者の半数は飲み残した抗菌薬を保管して次回服用してもよいと信じており、抗菌薬を飲み残したことのある人の4分の3近く(73%)が、残った抗菌薬を保管すると回答しています。

これらの結果を受け、この調査を監督した医療の専門家で構成される国際委員会は、抗菌薬の不適正な使用を招く根底には国と文化の違いがあるとし、それぞれの状況に合わせた抗菌薬に関する啓発キャンペーンの推進を提唱しています。

抗菌剤を好む国民性の日本では、ともすると患者自身の自己判断で、服用の中断や再利用などが行われているのが実感です。しかしこういった抗菌剤の不適切な使用は、耐性菌を招く可能性があることをもう少し私たちも関心を持つ必要があります。

参考:ファイザー社プレスリリース(4月26日)
      http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2006/2006_04_26.html
    薬事日報 HEADLINE NEWS(4月28日)
    共同通信PRワイヤー(2006.4.5)
      http://prw.kyodonews.jp/prwfile/release
        /M000010/200604054774/_prw_open.html

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2006.04.30 鉛入りアクセサリー問題、リスク評価の検討会設置へ

安価な子供向け金属製アクセサリーから高濃度の鉛が見つかった問題で、厚生労働省と経済産業省が23団体1,091社に改めて調査を行ったところ、国内で流通している鉛含有の金属製アクセサリーが105社のネックレス・ペンダントなど12品目延べ218製品にのぼることがわかった。

両省では、国内では健康被害の報告はないとしながらも、鉛の含有量や使用状況に応じたリスク評価が必要として、有識者検討会による5月下旬にも発足させ、今秋に今秋をめどにリスク評価に基づく安全対策をまとめる方針を決めた。

また、これらのアクセサリーを販売する関係団体も消費者へ注意喚起を促す店頭用ポスターを作成し、今後掲示が行われる。

鉛を含有する金属製アクセサリー類等に関する実態調査について(報告)
 (厚労省4月28日、PDFファイルの最後のページに注意喚起ポスターあり)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/04/h0428-6.html

一方、この調査とは別に国立医薬品食品衛生研究所が実施した金属アクセサリー類の鉛含有量調査によれば、調査した1000円以下の金属アクセサリー類171品目中、90品目で鉛の含有量が米国CPSC(The U.S. Consumer Product Safety Commission:米国消費者製品安全委員会)の基準値(0.06%)を上回り、うち3品目は50%以上の高濃度で鉛を含有していたという。

また、この171品目のうち、飲み込む危険性のある71品目について、溶出試験を行ったところ39品目で米国CPSCの暫定基準(175μg)を超えたとの結果が得られ、東京都が3月に公表した調査結果とほぼ同じ結果が出た。

金属製アクセサリー類等に含有する鉛量に関する試買調査(概要)(厚労省4月28日)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/04/h0428-7.html

関連情報:TOPICS 2006.03.08 子供向け金属アクセサリーなどに高濃度の鉛が含有

参考:産経新聞4月28日
     http://www.sankei.co.jp/news/060428/sha168.htm
    東京新聞4月28日
  http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060429/mng_____sya_____008.shtml

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2006.04.30 足利赤十字病院が、週末夜間の小児救急診療を開始

足利赤十字病院(福内靖男病院長)は今月から、風邪など小児の軽症患者を対象にした夜間救急診療を始めた。診療日は毎週金、土曜日の午後7−11時で、受付は救急救命センター窓口で行う。なお金・土曜日が祝日に当たる場合でも診療を行う。

小児夜間救急診療の実施について(足利赤十字病院HP)
   http://www.ashikaga.jrc.or.jp/13info/in01.php#info6

夜間救急診療にあたるのは足利市医師会に所属する小児専門の開業医(15人程度の輪番?)で、開業医の負担も考慮して、当面は比較的患者の多い金、土曜日の2日間の夜間に限って診療することにしたという。

下野新聞によれば、診療にかかる人件費などの費用は足利赤十字病院が負担することから、関係者から「病院や医師会だけでは医療体制づくりには限界がある。さらに行政が主導的な役割を果たすように期待したい」とするコメントが寄せられている。

参考:下野新聞4月27日、足利市広報あしかがみ2006.5.1

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2006.04.28 アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査

東京都は25日、2004年9月に実施した3歳児健診対象者に行ったアンケート(対象者数8,294人中、有効回答数4,305人、回答率51.9%)調査結果をまとめ公表しました。この調査は、アレルギー性疾患の現状把握及び今後の対策の基礎資料とするために行われたもので、1999年に行われた調査との比較も行われています。

今回の調査方法は各区市町村に協力を依頼し、無記名による自記式調査票を配布し、回収を行ったもので、項目としては、 @ 基本属性(性別、住所地、出生順位) A アレルギー性疾患の状況(ぜん息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、じんましん、その他のアレルギー性疾患) B 生活環境及び生活習慣(同居人の喫煙状況、保育園等への通園状況、寝室の床の材質、掃除の頻度等) C アレルギー性疾患に対する意見・要望 があります。

「アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査」の結果まとまる
  (東京都報道発表4月25日)
−3歳までに「アレルギー症状有り」との回答は、約半数
 「症状有りで、アレルギー疾患と診断された」は、全体の3分の1 −
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2006/04/60g4p200.htm

 調査概要
  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/allergy/data/3saichousa16.html

 報告書全文[PDF1MB]
  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/allergy/data/3saichousahonnbunn.pdf

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2006.04.25 中学校の女子生徒が担任教諭の給食に抗うつ剤を混入

県東部の那須烏山市の市立中学校で、3年生の女子生徒2人が担任の男性教諭の給食に抗うつ剤を混ぜ、それを知らずに食べた教諭がめまいを訴えるなど体調を崩していたことが24日明らかになった。

混入されたのはトリプタノール(下野新聞によれば25r錠?)で、この女子生徒2人は同じクラスの別の女子生徒から1錠5円で5錠を入手、今月18日、給食で出された担任のなめこ汁にこのうち3錠をすりつぶして混入させたという。

県教委などによると、女子生徒2人は担任に不満を持っていて、「担任が自分たちを他の生徒と平等に扱っていないと不満だった。この薬が心が安らぐというので、自分たちにも優しくなってくれるのではと思って、なめこ汁に入れてしまった」と説明しているという。

また、トリプタノールをこの女子生徒に譲渡した女子同級生は、「『眠れる薬』を探したところ、同薬を売るサイトに行き当たった。安いと感じて一錠50円で10錠を購入した(実際には100錠が送られてきた)」と答えているという。この女子同級生は、今回の事件を苦にし、自宅で大量にトリプタノールを飲んで倒れ、病院に運ばれたという。

地元の教育委員会では、児童や生徒が違法なネット販売に巻き込まれる危険性があるとして、ネットの適正利用の指導を徹底するよう各学校に通達したとのことですが、ネットでの医薬品販売の徹底的な取り締まりや、生徒・児童への薬への正しい関わり方についても日頃から啓蒙する必要があるのかもしれません。

参考:TBSNEWS4月26日
     http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3275770.html
    下野新聞4月25日、26日
    東京新聞4月25日
     http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060425/eve_____sya_____002.shtml
    読売新聞4月25日
     http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060425i306.htm
    読売新聞栃木版4月26日

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2006.04.22 薬科大学誘致は慎重対応を、市議会会派がタウンミーティングで答える

21日、足利市議会議員6名で構成する市議会会派の「両毛鴻志会(http://www.watarase.ne.jp/koushikai/)」は、「どうなる足利、どうする足利」と題する第1回両毛鴻志会タウンミーティングを開催(参加者約70名)し、平成18年度予算、競馬場跡地活用問題、両毛地域卸売市場統合について説明し、会派の考えを述べた。

足利競馬場の跡地活用については、日本医療薬科大学の誘致、足利赤十字病院の移転が検討されていることを説明した。会派では、薬科大学誘致については、慶応義塾大学医学部精神神経科医師の作田勉氏を会長とする同大設置準備会設立準備委員会が掲げる理念の素晴らしさを認めながらも、大学経営が今回が初めてなことや、寄付金の集まり方がまだ不十分な点、県や市の補助金を当てにしている(これについては、当初予定より減額)点、薬科大学の乱立で学生が本当に集められるかどうかなどの不安材料をあげ、もう少し時間をかけて十分な検討をすべきとして、日本医療薬科大学誘致には慎重な姿勢を示した。

会場からは、下宿用のアパート建設といった経済効果を疑問視する声(建設予定地の近くにある足利工業大学は、現在自宅生は全体の3割にとどまっている)や、足利赤十字病院との相乗効果があるのかという質問があり(現時点では積極的に連携する動きはあまりないと回答)、関心の高さがうかがえた。しかし、この跡地利用計画は、足利市の第6次長期計画にも含まれていることから、十分一般市民に情報が伝えられないまま、このままでいくと計画通りにすすんでしまうのではないかという懸念が示された。

関連情報:TOPICS 2005.12.12 旧足利競馬場跡地利用の基本方針

資料:足利市議会議事録
     http://www.kaigiroku.net/kensaku/ashikaga/ashikaga.html

    競馬場跡地活用問題について(織原義明足利市議HP)
     http://www.watarase.ne.jp/orihara/keibazyo1.htm

    競馬場跡地活用調査特別委員会(織原義明足利市議HP・活動報告)
     http://www.watarase.ne.jp/orihara/report04.htm#060324
     http://www.watarase.ne.jp/orihara/report04.htm#060127  

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2006.04.20 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No.8

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、4月20日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報)Vol.4 No.8を公表しました。

TGTN1412臨床試験中に起きた有害事象、マクロライド系抗生剤の相互作用、レフルノミド(アラバ)などの情報が掲載されています。

全文はこちら(PDF)です。

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2006.04.20 薬事法改正法案の参議院での審議状況

医薬品販売制度の見直しと違法ドラッグ規制を柱とする薬事法改正法案が、10日に開かれた参議院本会議での趣旨説明を皮切り審議が開始されています。13日からは厚生労働委員会での質疑も開始、その後18日には委員会で、16項目にわたる付帯決議法案とあわせて採決、そして19日の参議院本会議での賛成多数(賛成220票、反対9票)で可決、衆議院に送られています。

10日の本会議で川崎厚労大臣は、一般用医薬品のリスクに応じた成分の分類については、2007年4月までに薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定を行い、今後の新たな知見や副作用の発生状況などに基づき、同審議会の意見を聴いた上、必要に応じて分類の変更も行いたいたいと答弁しています。

また登録販売者の都道府県試験については、一般用医薬品の主要な成分について、効能・効果、副作用など、その大まかな内容の理解を確認する医薬品の販売に即したものにし、その試験については法案の成立後に、関係者から成る検討組織において具体的な検討を行うと答弁しています。

13日の厚生労働委員会では、各党が質問に立ち、厚労省医薬食品局長福井和夫氏他7名の政府参考人が出席、既存の「配置販売業者」が新設の試験を免除されている問題などが指摘されています。

14日の厚生労働委員会では、井村伸正氏(厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会部会長・北里大学名誉教授)、佐藤光源氏(脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会座長、東北福祉大学大学院特別講座精神医学教授)、海老原格氏(くすりの適正使用協議会理事長、東京薬科大学薬学部客員教授)、花井十伍氏(全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人)の四氏が、参考人として出席し、委員からの質問に答えています。

18日の厚生労働委員会では、福井和夫厚労省医薬食品局長他6名の政府参考人が出席し、既存の「配置販売業者」の問題、ガムたばこ・ニコチンガムの安全性などについての質疑が行われています。

●委員会での注目答弁

  • アスタマーク(*)がついた成分を含む、第2類の医薬品の販売や陳列方法については、医薬品による副作用被害者の代表の方々も含め、オープンな場で関係者の意見を聞きながら検討していきたい。(13日、政府参考人:厚労省医薬食品局長福井和夫氏答弁)
  • 第2類及び第3類医薬品については、登録販売者の管理の下であれば、他の従業員や非専門家でも、補助的に販売に従事することが可能。(13日、福井和夫氏答弁)
  • 省令、施行規則を定めて、医薬品を他のものと区別をしての陳列や、医薬品のリスク分類ごとに分けての陳列を義務化したい。(13日、福井和夫氏答弁)
  • 医薬品医療機器総合機構ホームページを通じて、殺虫剤を含む一般用医薬品についても、今年度中に医療用医薬品と同様の情報提供を行いたい(13日、川崎大臣答弁)
  • 一般用医薬品の承認基準の見直しあるいは新たなスイッチOTCの開発に際して、医薬品製造販売業者らからの相談に十分応じるなど、よりよく効く薬を含む一般用医薬品の振興のための環境整備というものをしっかり検討していきたい(13日、赤松正雄副大臣答弁)
  • 経過措置の対象となっている既存配置販売業者については、販売可能である品目は現行の配置品目(医薬品成分として270品目)が基本となる(限定される)。新制度における登録販売者を設置すれば、第2類、第3類の医薬品もを扱える。(18日、福井和夫氏答弁)
  • 登録販売者である配置員とそれ以外の人を名札(身分証明書)で識別できるようにする。(18日、福井和夫氏答弁)
  • 医療用医薬品の定義をきちんと行いたい。(18日、川崎大臣答弁)
  • インターネット販売を行っている業者に対する指導は通知に基づくものであり、強制力をもって取り締まることは現行法のままでは困難である。実態を確認の上、必要な注意喚起や指導をしつつ当該業者の納得を得られるよう進めることとしたい。(18日、川崎大臣答弁)

●付帯決議

  • 医薬品の適切な選択及び適正な使用の確保のため、新たな一般用医薬品の販売制度が実効あるものとなるよう十分留意すること。
  • 一般用医薬品のリスク分類については、安全性に関する新たな知見や副作用の発生状況等を踏まえ、不断の見直しを図ること。
  • 新たな一般用医薬品の販売制度について、国民が、医薬品のリスク分類によって、販売者、販売の在り方等が異なることを理解し、適正に販売がなされていることを容易に確認できるよう必要な対策を講ずること。また、制度の実効性を確保するよう薬事監視の徹底を図ること。
  • 一般用医薬品の販売に従事する者については、都道府県等と連携し、その資質の向上に努めること。また、登録販売者の試験については、国の関与の下に、都道府県によって難易度等に格差が生じないようにするとともに、その内容についても一定の水準が保たれるよう指導を行うこと。
  • 一般用医薬品の安全性確保については、過去の薬害や副作用による健康被害の発生の教訓を生かす観点から、一般用医薬品によるものと疑われる副作用情報の収集に努めるとともに、収集した情報を速やかに公表するシステム等透明性の向上を図ること。また、医薬品等に係る苦情処理・相談、健康被害救済の充実向上を図るとともに、必要な場合には、適切な受診勧奨など医師等との連携に努めるほか、苦情処理等のための窓口の整備を進めること。
  • 新たな一般用医薬品の販売制度について、十分な周知を図るとともに、医薬品を使用する消費者が医薬品の特性等を十分に理解し、適正に使用することができるよう、知識の普及や啓発のための施策の充実を図ること。また、学校教育においても医薬品の適正使用に関する知識の普及や啓発に努めること。
  • 一般用医薬品のリスク分類の外箱表示については、消費者にとってリスクの程度が容易に理解できるよう、表示方法について十分配慮すること。
  • 国民のニーズに応じた有効性、安全性の優れた一般用医薬品の確保のため、一般用医薬品の審査体制の整備を図るなど必要な対策を講ずること。あわせて、スイッチOTCの検討に当たっては、安全性の確保や適正な使用の推進に十分留意すること。
  • 配置販売業については、既存の配置販売業者に対して、その配置員の資質の向上に向けた取組を行うよう指導するとともに、新制度への移行を促すこと。
  • 無承認医薬品の販売、医薬品や医薬部外品等の品質不良、虚偽誇大広告等に対しては、消費者を保護する観点から、薬事監視員による取締りの一層の強化を図ること。
  • 違法ドラッグに対する規制については、その実効性を確保するため、迅速に違法ドラッグを指定できるよう運用方法の手順や分析体制の整備を図ること。また、違法ドラッグの取締りに当たる都道府県の事務執行が円滑に行われるよう、検査法の迅速な確立と普及等の基盤整備に努めること。
  • 違法ドラッグの乱用防止については、その実態を把握することが重要であることにかんがみ、早急に実態調査を行い、その結果を踏まえ必要な対策を講ずること。
  • 違法ドラッグについては、その使用を未然に防ぐ対策が求められていることにかんがみ、青少年に対する違法ドラッグや麻薬等の薬物の危険性等について十分な啓発を行うこと。
  • 違法ドラッグの乱用者等については、必要な治療の提供を図るとともに、本人や家族に対するカウンセリング等の支援体制の整備を進めること。
  • 薬物乱用対策については、違法ドラッグが麻薬や覚せい剤等の乱用の入り口となるおそれがあることにかんがみ、薬物乱用対策に違法ドラッグを含めて、国と都道府県等の地方自治体がこれまで以上に連携して取り組むこと。
  • 薬物乱用対策は多岐にわたり、また対象となる薬物の種類等により法律が異なっており、所管官庁も複数にまたがること等にかんがみ、薬物対策を総合的、横断的に推進するための方策について検討を行うこと。

関連情報:TOPICS
   2006.04.10 既存配置販売業への優遇措置に、医薬品監視機関が意見書を提出
   2006.04.03 波紋を呼ぶ政府広報
   2005.11.29 違法ドラッグ対策のあり方についての提言

資料:国会会議録検索システム
     http://kokkai.ndl.go.jp/
  厚生労働省:厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書について
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1215-9a.html
     (アスタマークの成分名が掲載)

参考:薬事日報 HEADLINE NEWS 4月11日、19日、20日

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2006.04.20 吸入型インスリンは費用対効果が十分でない(英国)

健康増進や病気の予防と治療に関する手引きを手がける英国独立機関のNICE(The National Institute for Health and Clinical Excellence)は、今年1月に承認された吸入型インスリンのエクスベラについて、全ての糖尿病患者には推奨できないとの見解をまとめ、英国では波紋を呼んでいます。

Inhaled insulin for the treatment of diabetes (types 1 and 2) - Appraisal consultation document
   http://www.nice.org.uk/page.aspx?o=305474

NICEでは、今回の見解は臨床的効果(インスリン基礎分泌の補充が必要な場合、持効型インスリン注射が必要なので、注射嫌いの人に代わるものではない)と費用対効果(インスリン注射では年間一人当たりの費用が400ポンド=約6万円に対し、エクスベラでは1102ポンド=約23万円と試算)などの観点から、総合的な判断として、エクスベラのメリットはあまり高くないとしています。特に従来の治療法でコントロールが十分行われていない患者には勧められないとして、まず、クオリティ・オブ・ライフにどれだけ寄与するかを検討するよう求めています。

画期的な治療法が生み出されても、全ての国民がその恩恵を受けられないとして、製薬会社はもとより、糖尿病の団体からも失望の声が挙がっていますが、医療費の膨大化を考えればやむを得ない措置なのかもしれません。

NICEでは、今後一般からの意見を求めた上で、この秋までに正式な勧告としてまとめる見込みです。公的保険給付のあり方としても、注目したいと思います。

関連情報:TOPICS
    2005.01.28 吸入タイプのインスリン「エクスベラ」が米国・欧州で承認

参考:Diabetes inhaler rejected for NHS(BBC NEWS 2006.4.18)
     http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4919802.stm
    NHS can't afford drug that transforms lives
      (Times Online 2006.4.19)
     http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-2140963,00.html

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2006.04.18 薬局従事者をとりまく環境の国際比較

FIP(国際薬学・薬剤師連合)は、4月7日の国際保健デーにあわせて、薬局従事者をとりまく環境を記した“FIP Global Pharmacy Workforce and Migration report”をまとめ、 WEB上に公開しています。

Human Resources for Health〜 FIP Global Pharmacy Workforce and Migration report
 http://213.206.88.26/www2/subsections/index.php?page=menu_resourcesforhealth

これは、世界41カ国100を超える関係機関や団体から送られた調査結果をまとめたもので、「人口当たりの薬剤師数」「薬剤師がどんな場で働いているか」 「生涯教育システムの現状」「外国薬剤師の取り扱い」「テクニシャン(薬局助手)」などの現状を国ごとに詳細に記しており、各国のお国事情がおおよそ把握することができます。

以下、いくつかデータを紹介します。

  • 全体の男女比は46:44でほぼ1対1だが、欧州では女性の占める割合が高く(63%)、他の地域では男性の占める割合の方が高い
  • 人口10万人あたりの薬剤師は、回答のあった34カ国中、日本はマルタに次いで2番目に多い
  • 日本では地域(community)に従事する薬剤師は46%に過ぎないが、欧州や豪州では70%を超えている
  • 国際的には、薬剤師不足が指摘されている
  • カナダや豪州では、地域によって薬剤師が偏在していて、地方によっては深刻な薬剤師不足がある
  • 生涯研修(卒後研修)は、回答のあった17ヶ国中、7カ国(ポルトガル・カナダ・米国・仏・英国・ケニア・ザンビア)で義務化されていて、国によっては免許更新の条件になっている
  • 薬剤師監視の下で働くテクニシャン(薬局助手)は、多くの国で何らかの形で導入されており、国によっては資格制度が導入されるなど、養成プログラムが既に検討・実施されている

薬科大学の急増で、今後ますます薬剤師が増えていきます。しかも、医薬品販売制度(薬事法)の改正で、薬剤師がいなくでも一般的な大衆薬の販売には必ずしも薬剤師は必要なくなります。そういったとき、日本の薬剤師は世界的にはどういった位置づけがされていくのでしょうか? 必然的に諸外国のテクニシャン的業務も担っていくことになってしまうのでしょうか?

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2006.04.18 下水への医薬品廃棄は環境に影響するか? 環境省実態調査へ

共同通信によれば、環境省はは15日、河川や大気中の化学物質を調べる「化学物質エコ調査」の対象に本年度から、新たに医薬品の成分を加える方針を明らかにしたと伝えています。

普段私たちも期限切れなどで、余った薬をつい下水に流してしまいがちですが、微量とはいえ河川などからはさまざまな医薬品成分が検出されていることが、いくつもの研究から明らかになっています。

水環境中の医薬品化学物質(国立環境研究所ニュース22巻4号 2003年10月)
  http://www.nies.go.jp/kanko/news/22/22-4/22-4-06.html

 〜研究〜わが国の水環境における医薬品の検出と影響評価(山本(清野)敦子氏)
  (横浜国立大学 益永・中井&松田 研究室)
  http://risk.kan.ynu.ac.jp/seino/study.htm
  (学会発表の抄録が掲載されています)  

記事によれば、初年度はまず、フェノバルビタール・フェニトイン・フェナセチン・メトキサレンの4種類を対象に、病院近くの河川など数カ所でサンプルを採取し、汚染状況を調べるという。さらに来年度からは、抗生物質や抗がん剤など対象を順次拡大し、抗生剤については家畜の病気予防にも広く使われていることから、畜産施設周辺での調査も検討しているとのことです。

わが国では、国がこうした調査に乗り出すのは初めてですが、米国では既に、地質調査局(USGS:U.S. Geological Survey)が、2002年3月に調査レポートを発表しています。

What's in that Water? 〜 USGS Releases First Nationwide Look At Pharmaceuticals, Hormones And Other Organic Contaminants In U.S. Streams
  http://www.usgs.gov/newsroom/article.asp?ID=390

また、米環境保護局(EPA)クリスチャン・ドートン氏は、独自の薬品廃棄物の抑制計画案をまとめて、Environ Health Perspect誌に発表しています。

 Cradle-to-Cradle Stewardship of Drugs for Minimizing Their Environmental Disposition While Promoting Human Health. -- I. Rationale for and Avenues toward a Green Pharmacy
(Environ Health Perspect 111:757-774 (2003).
  http://www.ehponline.org/docs/2003/5947/abstract.html
  http://www.ehponline.org/members/2003/5947/5947.html

究極のところ、汚染防止には汚染原因となる廃棄される医薬品を少なくすることしかなく、ドートン氏は薬を飲み残ししないようにする、抗生剤を必要以上に使わない、大衆薬のパッケージを小さくする、消費(処方)を促す消費者への広告を考慮する、有効期限(使用期限)の延長を検討するなどの具体例を示しています。

これから行われる、環境省の実態調査に注目したいと思います。

参考:共同通信4月15日
    WIRED NEWS 2002.12.20
   http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20030107308.html

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2006.04.14 日薬が、後発品に関するデータベースの作成を検討

日薬は、後発医薬品の使用促進を目的に今年4月からスタートした新処方せん様式を受け、後発品と先発医薬品の薬剤特性などを比較できるデータベースを日薬ホームページ上に作成する方針を発表した。

薬事日報によれば、掲載されるのは経口薬、外用剤、一部の注射薬などの情報で、効能効果の他、添加物・薬物動態・生物学同等性・安定性・開封した後の安定性・粉砕可否などを予定しているという。

但し、日薬単独でのDB構築は難しいとして、先発・後発を含めた各メーカーが自社製品の情報を直接外部から入力していく案が検討されている。スケジュールとしては、7月に後発品の年1回の薬価収載が予定されていることから、6月末を目途にシステムの構想をまとめたいとしている。

参考:日刊薬業ヘッドラインニュース4月14日
    薬事日報 HEADLINE NEWS 4月14日

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2006.04.13 特定高齢者と介護予防手帳

厚労省は10日、現在は自立しているが、何か対策を講じないと将来要介護になる可能性のある高齢者(=特定高齢者)を対象に、「介護予防手帳」(仮称)を交付することを決めた。

この手帳には、介護予防に関する知識・情報、利用者の記録等が記載される他、生活機能評価や介護予防ケアマネジメントの結果、介護予防ケアプラン、個別サービス・支援計画等の情報を含み、利用者の意欲の向上や関係者との情報を共有し、効果的に介護予防が行うことに活用される。

この対象となる「特定高齢者」は主に要介護認定において非該当(自立)と判定された人、及び要介護認定の申請は行っていないが生活機能の低下が見られ要介護状態になる可能性が高いと考えられる人などをいい、65歳人口の5%程度(約130万人)いると見込まれている。

「特定高齢者」は比較的潜在化しやすいこと、また疾病や障害などによって短期間に状態が悪化するという特性を持っていることから、早期発見・早期対応することが必要とされ、主治医からの連絡、地域での保健活動、民生委員等からの相談、基本健康診査とあわせて実施する介護予防のための包括的な生活機能評価(いわゆる25項目の基本チェックリスト)の他、薬局、保健師、家族らからの情報なども参考に、今後、市区町村が対象者を選ぶ。

薬局が、日頃接している高齢者の中から、対象者である生活機能が低下した人を早期に見つけ出し、地域包括支援センター(予防給付のケアプラン策定や介護に関する総合的な相談やマネジメントを担当するところで、市区町村または、市区町村から実施委託を受けた在宅介護支援センターなどが設置)へ連絡する役割が期待されているとされていますが、本人や家族の知らないところで「通報」するというふうにも考えてしまいます。具体的には、どのように行っていくのか注目したいと思います。

関連情報:TOPICS 2005.06.30 介護予防検診における調査項目
          2005.10.25 「生活不活発病」という概念

資料:介護予防関連(厚労省)http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/hoken/yobou.html

   介護予防にかかる事業の実施について(PDF:600KB)
   (介護予防に関する事業の実施に向けての実務者会議資料 2005年11月4日掲載)

   介護予防に関する各研究班マニュアルについて
    http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/051221/index.html
 
   ・閉じこもり予防・支援マニュアル(PDF:1,306KB)
    ・認知症予防・支援マニュアル
     (1〜40ページ(PDF:454KB)、 41〜53ページ(PDF:437KB))
    ・うつ予防・支援マニュアル
     (1〜40ページ(PDF:448KB)、 41〜70ページ(PDF:480KB))

   改正介護保険法の施行と介護報酬改定について
    (日薬情報 NO.164 日薬雑誌2006年3月号)

参考:東京新聞4月11日
  http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060411/mng_____sya_____008.shtml

  ≪予防給付≫介護予防ケアマネジメントマニュアル<vol.1>暫定版
      (2005.12 神戸市)
 http://www.city.kobe.jp/cityoffice/
     18/carenet/hiroba/yobou/yobouindex.htm
  

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2006.04.13 禁煙で心疾患リスク半減(厚労省研究班)

厚労省の研究班は、たばこを吸う人が心筋梗塞などの虚血性心疾患になるリスクは、吸わない人の約3倍だが、禁煙すればリスクを半分以下に下げられるとする大規模調査の結果を11日発表しました。(European Journal of Cardiovascular Prevention & Rehabilitation 誌にも掲載)

喫煙と虚血性心疾患との関係(JPHC リサーチ・ニュース 2006.4.11)
   http://epi.ncc.go.jp/jphc/rnews/news022.html

 Cigarette smoking and risk of coronary heart disease incidence among middle-aged Japanese men and women: the JPHC Study Cohort I.
  (European Journal of Cardiovascular Prevention & Rehabilitation. 13(2):207-213, April 2006)   

この調査は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県の40〜59歳の住民約4万人(男性19,782人 女性21,500人)を11年間追跡調査したもので、この間に男性260人(うち174人が心筋梗塞)、女性66人(うち43人が心筋梗塞)が虚血性心疾患を発症、これをさらに男女別に「吸わない」「禁煙した」「吸っている」など喫煙習慣を3つにに分けて、虚血性心疾患リスクを算出した。

すると、たばこを吸わないグループに比べて、たばこを吸っているグループでは、男性で2.9倍、女性で3.1倍、虚血性心疾患リスクが高くなり、疾患を心筋梗塞に限った場合では、男性で約4倍まで高くなることが分かった。

また男性について、喫煙本数別に分析したところ、1日に1〜14本で3.2倍、15〜34本で3.6倍、35本以上で4.4倍と増えていた。

研究班では、虚血性心疾患のうち、男性で46%、女性で9%は、もしたばこを吸っていなければ、予防できたと推定、「吸わないことは、がんだけでなく虚血性心疾患の予防にも重要(特に男性)」としている。

参考:共同通信4月11日
    朝日新聞4月12日
     http://www.asahi.com/health/news/TKY200604120130.html

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2006.04.10 既存配置販売業への優遇措置に、医薬品監視機関が意見書を提出

民間の医薬品監視機関の「薬害オンブズパースン会議」は、現在審議中の薬事法改正案について、「期間の限定もないまま、新資格を取得せず既存の配置販売業の業務を行えてしまう(附則第10条)」として、3年間の経過措置の文言を条文に加えることを求める意見書を提出しています。

改正薬事法では、一般用医薬品に本来必要であった薬剤師の配置が徹底されなかった現状を踏まえ、薬剤師とは別の専門家としての登録販売者という新資格が設けられますが、現に営業を行っている既存の販売業者(一般販売業者、薬種商、配置販売業者)については、経過措置として登録販売者として認める方向で検討がすすめられています。

このうち一般用医薬品を販売する薬種商については、都道府県ごとの資格試験があり、たとえ経過措置としてそのまま登録販売者として認められたとしても、ある程度の資質が保たれますが、配置販売業については現状では資格試験などはなく、都道府県の許可を得て登録すれば一般用医薬品を販売することができることから、資質の面では差があるのではないかと考えられています。

オンブズ会議では、「医薬品販売制度改正検討部会報告書の趣旨を無視して、こうした無期限の経過措置を配置販売業に認められれば、法人の配置販売業者は未来永劫、登録販売者資格を取得することなく一般用医薬品を販売することが出来ることになってしまう」として、既存の配置販売業の温存をはかり、既得権益を擁護する今回の法案の付則について厳しく批判しています。

関連情報:TOPICS 2005.10.05 医薬品の「対面販売」は、薬剤師だけの仕事にあらず?
   毎日新聞4月12日
  http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/
   archive/news/2006/04/20060412ddm041100144000c.html

薬事法改正案に関する意見書提出
 (薬害オンブズパースン会議 2006年4月5日)
  http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=538

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2006.04.10 「後発医薬品」意思表示カード

後発医薬品メーカーなどで構成されている医薬工業協議会(医薬協 http://www.epma.gr.jp/)は、患者さんがジェネリック医薬品の処方希望の意思表示をしやすくするのを目的に、診察券と一緒に病院窓口に出せるカードを30万枚作成した。今後患者が手に取れるよう会員企業を通じて病院や薬局に配布していく。

すでに、医師や薬剤師らで構成されているジェネリック研究会でも、同様のカードが作成されており、ホームページ上での印刷などを通じ100万枚近くが既に配布されているという。

関連情報:
 TOPICS 2004.11.29 日本ジェネリック研究会、「ジェネリック医薬品お願いカード」を作成

参考:下野新聞4月9日
    東京新聞4月8日
   http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060408/eve_____sya_____005.shtml

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2006.04.10 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No.7

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、4月7日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報)Vol.4 No.7を公表しました。

ゲムシタビン(ジェムザール注射用)、タクロリムス外用剤(プロトピック軟膏)などの情報が掲載されています。

全文はこちら(PDF)です。

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2006.04.07 『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービス

(株)NTTデータは5日、データホライゾン(株)と共同で、健康保険組合や国民健康保険等の医療保険者へ被保険者のジェネリック医薬品処方推進に向けたサービスを開始すると発表しました。

これは、医科・調剤のレセプトの医薬品処方情報をOCR認識して情報を読み取り、ジェネリック医薬品に切り替え可能な医薬品を分析、切り替えた場合の薬品名・価格(削減効果)をまとめた『ジェネリック医薬品促進通知書』を作成するサービスです。

医療保険者はこれをその被保険者に通知することにより、現在の個人負担額とジェネリック医薬品切り替えによる個人負担額の比較が可能となり、被保険者が自分の意思で医療費対策を立てることが出来るとしています。

処方せん様式の変更により、ジェネリック医薬品の普及促進を見越した新たなビジネスチャンスといえますが、ジェネリック医薬品の促進による薬剤費削減額の50%という料金設定というのは、なかなかすごいと思います。

薬剤師も今回の処方せん様式の変更を機に、同じことができるはずです。いっそのこと「医療費削減のために積極的に取り組んだ薬局・薬剤師には、国から報酬が出る」というなら、おそらく、こんなビジネスは生まれないのかもしれませんね。

ジェネリック医薬品に切り替えた場合の薬品名・価格(削減効果)が一目で分かる『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービスを開始
   〜医療費削減に貢献する健康保険組合等医療保険者向けサービス〜
 (NTTデータ NEWSリリース4月5日)
   http://www.nttdata.co.jp/release/2006/040500.html

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2006.04.03 東京都が、健康食品の安全確保に向けた取組の方向性を提言

東京都食品安全情報評価委員会では、都民の健康被害を防止する観点から、健康食品の安全性に係る情報の総合的な検討が必要と判断し、2004年10月に評価委員会の下に「健康食品」専門委員会を設置、健康食品の利用実態や健康食品関連の被害情報を分析など、専門的な見地から健康食品についての検討を行っていましたが、3月29日、安全な製品の供給、正確な情報提供及び適切な利用に向けた取組についてなどを記した報告書をとりまとめました。

「健康食品」の安全確保に向けた取組の方向性を提言
  〜東京都食品安全情報評価委員会からの報告〜
  (東京都福祉保健局プレスリリース3月29日)
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/
    anzen/news/2005/pressanzen060329.html

報告書は、「健康食品」を巡る現状、「健康食品」の安全性に係る情報の分析、東京都が実施すべき取組の方向性の3章で構成されていて、医療関係者の役割と課題についても、以下のような提言が行われています。

  • 通院あるいは入院中の患者は、「健康食品」を利用している場合が少なくないと考えられることから、医療関係者が積極的に「健康食品」にかかわることにより、健康被害の未然防止が期待できる。
  • 患者に対する問診時のチェック項目の工夫等により患者の「健康食品」利用状況を把握し、患者からの相談に対しても積極的に助言を行うことが望まれる。
  • 現状では、「健康食品」そのものや用いられる成分等に関して医療上直ちに役立つような情報が、十分に入手できる状況にはないと考えられるが、医療関係者は、外部からの情報提供を期待するだけでなく、医療従事者の視点から、「健康食品」の治療への影響等に関する情報を積極的に収集・整理し、活用していく必要がある。
  • 「健康食品」の存在を考慮しながら診療にあたり、事例を探知した場合には医療関係者間や行政と情報の共有を行うなど、健康被害の拡大防止に関しても積極的な協力が求められる。
  • 薬局等の薬剤師は、「健康食品」に関する情報の把握に努め、消費者の適切な製品選択にも助言するなど、身近な相談者となることが望まれる。

都では今後、医療関係者と連携し、重大な健康被害事例に対して迅速に対応するだけでなく、幅広い健康影響事例の収集体制を構築する必要があるとして、医療関係者がより広範な情報を入手し医療現場で活用できるよう、健康影響に関する情報提供の仕組みの整備や、大学や研究機関等が保有するデータベースの紹介等を行っていく必要があるとしています。

「健康食品」の安全性に係る情報の検討
 (2006年3月29日 東京都食品安全情報評価委員会報告)
  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hyouka/houkoku/report3.html

なお、この報告書の資料編では、「健康食品」との関連が考えられる健康被害事例や症例報告等がリストアップされていて、大変参考になります。

関連情報:TOPICS
  2005.06.02 医療関係者は健康食品とどう関わるべきか(東京都調査)
  2005.09.28 医療関係者の多くが、患者の健康食品の利用状況について確認せず
  2006.03.08 日医が、健康食品による健康被害情報のデータベース化を検討

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2006.04.03 波紋を呼ぶ政府広報

内閣府広報

内閣府では、構造改革の成果を広くPRしていますが、この3月に大きな新聞広告、雑誌広告で掲載された政府広報(約3億円の予算)が波紋を呼んでいます。(右が問題のポスター。内閣府HPより削除されたページ http://www.gov-online.go.jp/publicity/magazine/np03/np03_149.html より引用。拡大したものは→こちら

これは、「ひろがる、NIPP●N構造改革」というテーマのシリ−ズでつくられた、『NIPPON構造改革 コンビニで薬の一部が販売されているのも、構造改革のひとつです』と題するもので、「コンビニで買えるのは『医薬部外品』であって『医薬品』ではない。安全性を無視し、利便性ばかり強調している」として、スモンやサリドマイドなど薬害の被害者が、29日内閣府に抗議したと共同通信は伝えています。

犬を連れた男性の写真に「いやあ構造改革の何が1番うれしいって、コンビニで薬の一部が買えるようになったでしょ。飲みすぎた夜なんて、ほんと助かるわけです」とのコメントを添えたこの作品は、かつて大衆薬で薬害にあった方たちからは、『薬』を便利に買えるかのような誤解を与えるとして、大きな反発を招いています。今回の国会で医薬品販売制度が見直しが決まれば、この表現でも間違いではないとは思いますが、改めて、大衆薬の販売の現状を考えさせられます。

今回の問題は、薬事法改正案が審議された、4月13日の参議院の厚生労働委員会でもとりあげられ、川崎厚労大臣は「国民の誤解を招きかねず、また薬害被害者の方々への配慮に欠ける部分があったのではないかと考えており、私どもの方から内閣府に御注意を申し上げた。しかし、同じ内閣のことであるので、私どもの責任も感じている」と答弁しています。

なおこの広報は構造改革の成果と挑戦と題して、ネット上でも公開していましたが、11日内閣府は、「表現が不正確で誤解を与える内容だった」と認め、該当する広報をインターネットから削除しています。

関連サイト:全国薬害被害者団体連絡協議会
        http://homepage1.nifty.com/hkr/yakugai/

参考:共同通信3月30日、4月12日

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2006.04.02 小児薬物療法検討会議

現在、小児の薬物療法を行うにあたっては、小児における標準的な用法・用量が明らかでないことや、小児医療に必要な適応が承認を受けていないこと等の理由により、小児に投与することが困難な医薬品が数多く存在しています。

そこで厚労省では、このほど小児医療におけるこれらの問題点を解決するための「小児薬物療法検討会議」という専門家会議を発足させ、3月30日に第1回会議が開催されました。今後検討会議では、小児科医の要望が強い約100成分について、小児薬物療法の有効性及び安全性に関する文献的エビデンス等の収集及び評価や、国内における小児への医薬品の処方実態の把握等を行い、得られたエビデンスを医療従事者へ情報提供していく予定です。

厚労省掲載の資料によれば、既に日本小児循環器学会・日本小児神経学会・日本小児精神神経学会・日本小児がん学会・日本小児アレルギー学会など多くの学会から、検討を要望する医薬品が挙げられていて、これに従って今後年4回のペースで検討会が開催される見込みです。

同日の会合では、子供に対する安全性のデータが存在し、重篤な病気に使われ、ほかの治療法がない医薬品を優先的に検討することで一致し、今回まず以下の医薬品について、検討が開始されることになりました。

  1. 酢酸フレカイニド
    「頻脈性不整脈(発作性上室性頻拍、非発作性上室性頻拍、心室頻拍)」に関する検討(日本小児循環器病学会)
  2. メチルフェニデート
    「注意欠陥及び多動性障害」に関する検討
    (日本小児神経学会、日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会)
  3. シプロフロキサシン
    「βーラクタム剤無効の重症感染症」に関する検討(日本小児感染症学会)
  4. メトトレキサート
    「若年性突発性関節炎」に関する検討(日本小児リウマチ学会)
  5. シクロフォスファミド
    「小児リウマチ性疾患」に関する検討(日本小児リウマチ学会)
  6. アセトアミノフェン
    「小児科領域の解熱」に関する検討(日本外来小児科学会)
  7. A型ボツリヌス毒素
    「眼瞼けいれんの改善、片側顔面けいれんの改善及び痙性斜頚の改善並びに脳性麻痺における下肢痙縮の改善」に関する検討(日本小児神経学会)
  8. アシクロビル
    「新生児単純疱疹ウイルス感染症」に関する検討(日本未熟児新生児学会)

資料:第1回小児薬物療法検討会議資料(2006年3月30日開催)
      http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0330-10.html
    (各学会の要望医薬品リストが掲載、適応外使用の現状を知ることができます)
    速記録(厚労省 2006年9月5日掲載)
      http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/txt/s0330-2.txt

参考:読売新聞3月30日
     http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060330ik04.htm
    共同通信3月30日

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