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2006.02.28 こどもの救急-おかあさんのための救急&予防サイト

日本小児科学会(http://www.jpeds.or.jp/)はこのほど、こどもの救急時の対応法等を記したサイトを開設しました。

こどもの救急-おかあさんのための救急&予防サイト(ONLINE-QQ)
   http://kodomo-qq.jp/

このサイトは、増加する夜間や休日の時間外受診者の急増の一方で、過重労働やなり手不足によって十分対応ができないという、小児救急医療の厳しい現状を背景に開設されたもので、生後1カ月〜6歳までの子どもを対象に様々な症状から、時間外に受診をした方がいいか、家で様子をみたらよいかの判断の目安になるようにつくられています。

子どもの症状に近いものをチェックボックスで選んでからボタンを押すと、症状にあわせた対処方法が表示されるという仕組みがとられている他、けいれんのビデオ、皮膚の症状や健康な乳児の便の写真など、視覚に訴える内容等も掲載されています。

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2006.02.24 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No.4

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、2月23日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報)Vol.4 No.4を公表しました。

アプロチニン(トラジロール)、テリスロマイシン(ケテック)、ニューキノロン系薬剤、ドパミンD2受容体作動性パーキンソン病治療剤などの情報が掲載されています。

全文はこちら(PDF)です。

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2006.02.24 変形性膝関節症とサプリメント

米国の研究グループは、グルコサミンとコンドロイチン硫酸に関する大規模研究を行い、その結果をニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌の最新号に掲載しました。

Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful Knee Osteoarthritis.NEJM 354: 795-808
   http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/8/795

この研究は、1853人の変形性膝関節症の患者(平均年齢59歳、女性64%)を、グルコサミンのみ、コンドイチン硫酸のみ、グルコサミンとコンドロイチンの併用、セレコキシブ、プラセボの5群に分け、24週間サプリメントまたは薬を飲んでもらい、痛みが2割減ったかどうかの調査結果をまとめたものです。

研究者らは、グルコサミン単独群、コンドロイチン単独群、併用群いずれも、痛み緩和効果はプラセボと差はないと結論づけたものの、中等度から重度の痛みを有する患者では、グルコサミンとコンドロイチンの併用群でプラセボよりも有意に痛みを緩和したとする結果も示されたため、これらのサプリメントの有効性をめぐって、欧米サイトではさまざまな報道がなされています。

New York Times紙やAP通信などによれば、米国でのグルコサミンとコンドロイチンの市場規模は2004年で推定7億3400万ドルに達し、全米の約520万人がこれらのサプリメントの単独もしくは2つを利用しているといわれ、また、犬や馬などのペット用として獣医までもが処方しているそうです。

日本でも、健康食品にがんを抑える力が本当にあるかどうかを調べる臨床試験が開始されると報じられていますが、米国における今回のような研究報告は、ノコギリヤシと前立腺肥大症、風邪とエキナセアに続く3つめで、今後もさまざまなかたちで、サプリメントの有効性に根拠があるかどうかの研究が行われていくようです。

関連情報;TOPICS 2006.02.17 抗がん作用を謳う健康食品に対し、臨床試験を検討
          2005.07.29 エキナセア、風邪には無効(米国研究)

参考:The New York Times(2月23日)
    AP通信(2月23日)
 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/02/23/AR2006022300232.html
    WEBニッポン消費者新聞(2月24日)
  http://www.jc-press.com/kaigai/200602/022401.htm

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2006.02.23 医薬品・医療用具等安全性情報222号

厚労省は2月23日、医薬品・医療用具等安全性情報222号を公表しました。「患者向医薬品ガイドについて」などの情報が掲載されています。詳しくはこちらです。

関連情報:TOPICS 2006.01.31 「患者向医薬品ガイド」の運用が開始

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2006.02.20 大豆イソフラボン強化みそ、トクホ認可に難色

朝日新聞によれば20日、食品安全委員会の第33回新開発食品専門調査会が開催され、特定保健用食品(トクホ)として申請されているみそ(商品名:イソフラボンみそ)について、「安全性が確保されるとはいいがたい」との評価案をまとめたと伝えています。

食品安全委員会:第33回新開発食品専門調査会(2006年2月20日開催)
      http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai33/index.html
 議事録:
  http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai33/sinkaihatu33-gijiroku.pdf
 資料2:安全性試験等の概要について(継続審査品目)[PDF]

このみそは、マルコメ株式会社が2年前にトクホに申請した商品ですが、1日あたり摂取目安量(34g)に含有される大豆イソフラボンの量(イソフ ラボンアグリコンとして48 r)が安全と考えられる量である30rを超えてしまうことや、通常味噌汁として摂取される点などを考慮して、今回の評価案と してまとめられたようです。朝日新聞によれば、おそらくトクホとしては認可 されないだろうとしています。

現在、アグリコンを30r以上含む錠剤やドリンク剤などの健康食品も多く出回っているとされ、今後厚労省では、これらの取り扱いについても対応を検討するだろうと伝えています。

関連情報:TOPICS 2006.02.01 大豆イソフラボンについての国の基本的な考え方

参考:朝日新聞2月20日

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2006.02.19 厚労省、診療報酬点数表の一覧をHPで公開へ

19日の毎日新聞によれば、厚労省は4月から、診療報酬点数の一覧表を同省のホームページに掲載することを決めたと伝えています。

厚労省では4月から、医療機関(保険薬局も同じです)に対しては医療費の内容が分かる領収書の無償発行を義務付けることになりましたが、診療の明細に関しては患者が求めた時には「詳しい領収書の発行に努めるよう」にとする通知に留まり、「明細の記された領収書」までは義務付けられてはいません。

今回の厚労省の決定は、「明細の記された領収書」を受け取った患者の具体的な医療内容の確認のためのようですが、明細付きの領収書の発行を促す狙いもあると考えられます。

診療報酬点数は 約 8,000項目あるそうで、患者からどのように調べたらよいかを尋ねられた場合には、これを利用するとよいかもしれません。

点数表は、電子点数表のページとして3月30日に厚労省HPに掲載されています。

電子点数表について(厚労省2006年3月30日掲載)
   http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/tp0330-1.html

参考:毎日新聞2月19日

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2006.02.17 アガリクス報道に対する波紋

内閣府の食品安全委員会が16日開かれ、発がんを促進する作用が確認されたキリンウェルフーズ社のアガリクス製品販売禁止の可否についての審議が行われましたが、共同通信によれば、「何百種類もあるアガリクス製品からなぜ3社の商品が実験対象になったか分からない」「この実験ではアガリクスが原因なのか添加物が原因なのか不明」「一般の人にとってはアガリクス製品すべてへの疑問を呼び起こしてしまう」「同じようにほかの製品も実験するのか」「アガリクスを頼りにしている人も多く、きちんとした情報が必要」など、実験や選定方法、発表の方法をめぐって多くの疑問や意見が出されたと伝えています。

第131回食品安全委員会(2006年2月16日開催)
      http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai131/index.html
  議事録:http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai131/dai131kai-gijiroku.pdf

こんな中、インターネットでの医薬品販売を行っているケンコーコム(株)(http://www.kenko.com/)は16日、アガリクス製品全般に対する安全性調査を実施し、その結果を、随時インターネット上で公開すると発表しました。

ケンコーコムが、アガリクス製品に関する安全性の調査を開始
   (ケンコーコムプレスリリース2月16日)
   http://www.kenko.com/company/pr/archives/2006/02/post_3.html

プレスリリースによれば、アガリクス製品を製造販売しているメーカーに対し、原産地・製造方法・アガリチン含有量・メーカー独自調査の有無などについてを記したアンケートを郵送し、回答してもらうというもので、毒性試験などが困難な場合には、試験機関を紹介するというものです。

ケンコーコム、アガリクス製品183商品に対する調査結果を公開
   (ケンコーコムプレスリリース3月10日)
   http://www.kenko.com/company/pr/archives/2006/03/183.html 

ケンコーコム社の医薬品のネット販売継続を見据えた取組みとも考えてしまいますが、本来なら薬剤師会や大学などが積極的に取り組んでもよいテーマではないでしょうか?

関連情報:TOPICS
    2006.02.14 がん発生を促進するとして、アガリクス製品に対し販売停止を要請
    2006.01.31 ネット医薬品販売業者が、ネット通販での服薬説明機能を導入

参考:2月17日共同通信

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2006.02.17 抗がん作用を謳う健康食品に対し、臨床試験を検討

17日の朝日新聞は、厚労省の研究斑が今年の春より、がん患者の半数以上が利用されているといわれる健康食品に、がんを抑える力が本当にあるかどうかを調べる臨床試験を開始すると報じている。

 具体的には、ごく早期ですぐに治療を始める必要がない前立腺がんの患者に協力を得て、がん患者がよく利用するとされるキノコ類の健康食品をとってもらい、その前後で、PSA値がどう変わるか、肝機能異常などの副作用が起きないかを調べるという。

現在、3月より四国がんセンターなど国内の5〜6施設が参加して行う予定で準備がすすめられている。

参考:朝日新聞2月17日

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2006.02.14 一般市民の医薬品および医療に関する意識調査

くすりの適正使用協議会(http://www.rad-ar.or.jp/)は、このほど「一般市民の医薬品および医療に関する意識調査」を行い、その結果を発表しました。

くすりの適正使用協議会 News Release(No.05-12)(2006.2.6)
  http://www.rad-ar.or.jp/03/05_release/NR5-12.060206.pdf

今回の意識調査は、1999年にも行われた同様の調査と比較して、一般市民の医療・医薬品に関する意識がどのように変わってきているか、慢性疾患患者と患者以外の人との意識の違い等を把握する目的で昨年行われたものです。

報告書によれば、処方薬に関する一般市民の認知度、説明への理解度は高まっている一方で、副作用関連の情報については、多くの一般市民が望んでいるにも拘わらず、医療の現場では充分な説明がなされていないと指摘しています。

調査結果によれば、薬の説明については、「医師から」聞きたいと答えた人が69%を占め、本来誰がすべきかの問いに対しても、「医師から」が81%を占めるなど、薬の説明は「医師」の役割であるとし、薬剤師に対しては「効能」や「副作用」などの情報よりも、「服用方法」「飲み合わせ」「飲み忘れたときの対処法」「薬の保管方法」という薬の取り扱いに関する情報を求める割合が高いとしています。この結果を受け報告書では、医師と薬剤師が役割に応じた情報提供を行う必要があると指摘しています。

また今回の調査では、学校教育で薬の正しい使い方を教育していくことについての設問があり、「必要だと思う」が76%を占め、くすり教育の必要性を感じる人が多いことが明らかになっています。具体的に取り上げるべき事柄としては、くすりは正しく安全に使用すること(78%)、知識と適正な使用について年齢に応じ段階的に指導すること(51%)、偶発的な医薬品事故(中毒)から身を守ること(50%)などがあげられています。

関連情報:TOPICS 2006.01.16 くすりの授業用スライド

一般市民の医薬品および医療に関する意識調査(概要)
   (くすりの適正使用協議会 2月10日掲載)
  http://www.rad-ar.or.jp/03/06_bunken/pdf/ishikichousa2005.pdf

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2006.02.14 がん発生を促進するとして、アガリクス製品に対し販売停止を要請

厚労省は13日、アガリクスを使用した健康食品「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」に対し、動物試験でがんの発生を促進する作用が認められたとして、販売元のキリンウェルフーズ社に対し、自主回収と販売停止を要請した。

今後同省は、食品安全委員会に対し、この製品について食品衛生法に基づいて販売を暫定的に禁止するべきかどうか諮問するとともに、1製品でこのような作用が疑われたことから、消費者に対し、「発がん促進作用が確認されたわけではないが、関連する製品の摂取についても注意するよう」呼びかけていく。

アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について(厚労省2月13日)
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0213-3.html
 アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A(厚労省2月13日)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/060213-1.html

キ社ではこの要請を受けて、同日、「アガリクス」商品4アイテムの販売中止と自主回収を発表した。

キリン ウェルフーズ株式会社、お詫びとお願い(2月13日)
  http://www.kirin-wellfoods.co.jp/company/agaricus_h.html

アガリクスを使用した健康食品については、最近肝機能障害を引き起こす可能性があると専門家から指摘されていたことから、厚労省では2003年より国立医薬品食品衛生研究所で、アガリクスを含む各種製品の中で、「広域流通しているもの」「一定期間継続的に市場に流通しているもの」のうち、製造方法が異なる3製品について、ラットによる試験を行っていた。今回の発表は、このうちの発がんプロモーション試験の結果を受けたもので、厚労省の発表によれば、キ社の製品についてのみ、製品の摂取目安量の約5倍から10倍程度の量を与えられたラットで、発がんを促進する作用が認められたという。

なお、キ社以外の2製品については、引き続き発がんプロモーション試験を実施していたが、3月20日、発がん促進作用は認められなかったと厚労省は発表し、Q&Aについても更新を行った。

アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品の安全性に関する試験結果について
  (厚労省3月20日)
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0320-5.html
 アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A(厚労省3月20日更新)
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/dl/h0320-5b.pdf

読売新聞によれば、キ社製の商品は中国産アガリクスを使用、販売を中止する4種類合計の売上高は年間約2億5000万円で、ドラッグストアで売られているアガリクス健康食品の約10%のシェアがあるという。

果たして、アガリクスそのものに問題があったのか、産地に問題があったのか、それとも製造方法に問題があったのか、今後さらに調査が行われると思いますが、アガリクスに対する大きな信頼低下につながったこだけは間違いないようです。

参考:朝日新聞2月13日
    読売新聞2月14日
    東京新聞2月14日

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2006.02.10 ADHD治療薬と心リスク

9日、FDAの医薬品安全・リスクマネジメント諮問委員会が開かれ、注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬の服用後に起こった心臓血管系の有害事象のリスクが検討され、委員会は心リスクの危険を高める可能性があるとの警告表示を付けるべきとする意見を僅差でまとめて、FDAに勧告しました。日本でも報道されたことから、厚労省では関連情報をHPに掲載しています。

 ADHD Drug Medication Guide On Potential Cardiac Risks Recommended By Committee
   (FDA Advisory Committee 2006.2.10)

 注意欠陥多動性障害の治療薬に係る
  米国の医薬品安全・リスクマネジメント諮問委員会の開催について(厚労省2月9日)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0209-5.html

対象となるのは、メチルフェニデート(リタリン、本邦では適応は未承認)や、メタンフェタミン(Adderall、本邦未発売)などの中枢神経刺激薬で、諮問委員会に提出されたFDAの資料では、1999-2003年にリタリンや同成分の薬の服用者16人が死亡、Adderallの服用者でも28人の死者があったと報告されています。

米国では12歳の男児の9.3%、11歳の女児の3.7%、1ヶ月に200万人の子どもたちと100万人の成人ががこれらの薬剤を服用しているといわれ、さらに近年は成人の間での服用者が約3年の間に2倍近くに増えるなど、濫用傾向にあるともいえます。委員会では、こういった現在の状況を考え、影響は少なくないとして今回の勧告になったと思われます。

リタリンというと、その興奮作用から日本では、若者による乱用問題ばかりがとりあげられていますが、米国では2004年にはトータルで31億ドルの売上に達するなど、これらの薬剤はADHDの治療薬としては、非常に有効であることが知られています。このため、ADHDの支援団体では「警告を心配して、やめるべきではない」とコメントを発表、委員からも「関連性はまだはっきりしていない」とする勧告に反対する意見が示されるなど、さまざまな分野に波紋を呼んでいます。

参考:共同通信2月10日
    読売新聞2月9日
     http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060209ik08.htm
    毎日新聞2月10日
    Warning Urged for ADHD Drugs〜Panel Cites Risks, Fears of Overuse
     (Washigtonpost 2006.2.10)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/02/09/AR2006020902325.html
    Feds Recommend Warnings on ADHD Drugs(CBS News 2006.2.9)
http://www.cbsnews.com/stories/2006/02/09/ap/health/mainD8FLRPIO0.shtml     

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2006.02.10 海外規制機関 医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)Vol.4 No.3

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部は、2月9日、医薬品安全性情報(海外規制機関 医薬品安全性情報)Vol.4 No.3を公表しました。

タクロニムス軟膏(プロトピック軟膏)、テリスロマイシン(ケテック)、ヒドロキシカルバミド(ハイドレア)などの情報が掲載されています。

全文はこちら(PDF)です。

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2006.02.07 後発医薬品の使用促進のための具体案が示される

3日、第83回中央社会保険医療協議会総会が開かれ、平成18年度診療報酬改定における主要改定項目についての案が示されました。

第83回中央社会保険医療協議会 総会資料(平成18年2月3日開催 WAM NET 2月7日掲載)

注目の後発医薬品の使用促進の環境整備案については、当日配布資料の(6)調剤報酬について (7)その他のページに下記のような具体的内容が示されています。

1.処方せんの様式を変更し、「備考」欄中に新たに「後発医薬品への変更可」のチェック欄を設ける

処方せん新書式

第83回中央社会保険医療協議会 総会資料(WAM NET 2月7日掲載)より引用

  • 「処方」欄に先発医薬品の銘柄名を記載した処方せんを交付した医師が、当該先発医薬品を後発医薬品に変更しても差し支えないと判断した場合は、その意思表示として「後発医薬品への変更可」のチェック欄に署名するか、又は姓名を記載し、押印することとする。
  • ただし、処方医が当該処方せんに係る先発医薬品の一部については後発医薬品変更することに差し支えがあると判断した場合は、その意志表示として「処方」欄の当該先発医薬品の銘柄名の後に「(後発医薬品への変更不可)」と記載することとする

2.「後発医薬品への変更可」のチェック欄に処方医の署名又は記名・押印のある処方せんを受付けた保険薬局は、患者の選択に資するため、後発医薬品に関する情報等を提供し、患者が選択した後発医薬品又は先発医薬品を調剤する

3.「後発医薬品への変更可」のチェック欄に処方医の署名又は記名・押印のある処方せんについては、診療報酬上、後発医薬品を含む処方を行った場合に該当するものとしして取り扱うこととする

またこれに伴い、従来の「医薬品品質情報提供料」は、後発医薬品に関する情報提供であることが明らかになるよう「後発医薬品情報提供料」に名称を変更するとともに、「先発医薬品との薬剤料の差に係る情報を含む」という項目が新たに算定条件として付け加えられる見込みです。

ただ、後発医薬品への変更可・不可の意志表示の方法をめぐっては、異論もあり、8日行われた中医協総会では、診療側委員から「後発医薬品に変更可と不可のチェック欄を設ける」とする別の案が示されるなど、このまま上記の案で決着というわけにはいかないようです。

いずれによせよ、4月からの後発医薬品の使用促進がされることは間違いなく、院外処方せんを発行する医療機関との調整など、保険薬局では今から多くの準備が必要のようです。

参考:薬事日報 HEADLINE NEWS 2月9日

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2006.02.06 厚労省、医療用麻薬の流通規制緩和を検討

5日の朝日新聞によれば、厚労省は疼痛緩和などで使われる医療用麻薬を在宅医療の現場でも利用しやすくするため、流通や管理の制限を緩和する方針を固めたと伝えています。

医療用麻薬は皆さんもご存知の通り、薬局間の譲渡は原則禁止されていますが、この規制を早ければ2007年度にも試験的に緩和し、モデル事業として実施しながら必要な法整備を進める方針とのことです。

一方、「麻薬施用者」の指定を受けた医師に対しては、院外処方で対応する場合には専用の保管庫の設置義務づけを廃止することも検討、厚労省では麻薬小売業の許可薬局の増加を目指しているようです。

参考:朝日新聞2月5日

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2006.02.03 妊産婦のための食生活指針

厚労省では、2001年より「健やか親子21(http://rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/)」という21世紀初頭における母子保健の課題と目標を掲げた国民運動計画をすすめていますが、中間年を迎えた昨年2月より、計画見直しのための『「健やか親子21」推進検討会』を開催しています。

推進検討会では、近年、若い女性において食事の偏りや低体重の人の割合が増加するなどの健康上の問題を重視、特に妊娠期及び授乳期における、母子の健康の確保のためには適切な食習慣の確立を図ることが必要だとして、検討会内に「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」を立ち上げ、妊産婦の食生活のありかたについて検討を重ねてきました。そして、2月1日に開催された第5回「健やか親子21」推進検討会で、「妊産婦のための食生活指針(案)」としてとりまとめられ、WAM NETに掲載されました。

 妊産婦のための食生活指針―「健やか親子21」推進検討会報告書―
   (厚労省2月9日掲載)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3a.html

 概要版→「妊産婦のための食生活指針」の策定について(HTML 2月9日 厚労省)
     「妊産婦のための食生活指針」の策定について(PDF 2月2日 WAM NET掲載)

今回の「妊産婦のための食生活の指針」は、厚労省と農林水産省が昨年作った「食事バランスガイド」に沿って作成されていて、妊娠初期(16週未満については)については妊娠していない時と同じでよいとするものの、中期(28週未満)は不足しがちなビタミンやミネラルを追加で補うため、「副菜」「主菜」「果物」を増やすことが望ましいとし、また、妊娠末期から授乳期は、エネルギーとカルシウムが不足がちになることから「主食」と「牛乳・乳製品」についてもさらに補う必要があるとしています。

 「食事バランスガイド」について(厚労省)
      http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

  「妊産婦のための食生活バランスガイド」の活用の基本的考え方
   (第5回「健やか親子21」推進検討会資料)       

また検討会では、妊娠中の体重管理についてもまとめており、やせ(BMI18.5未満)の人は、妊娠期間を通じての体重増加量を9〜12s(1週間当たりでは0.3〜0.5s)に、普通(BMI18.5以上25未満)の人は、体重増加量を7〜12s(1週間当たりでは0.3〜0.5s)とし、肥満(BMIが25以上)の人については、体重増加量はおよそ5sまでを目安に、妊娠糖尿病や高血圧といったほかのリスクを考えながら個別に対応すべきだとしています。

検討会では今後、この「妊産婦のための食生活指針」の普及啓発のため、保健医療従事者等の指導者向けに、解説を加えた報告書を作成するとともに、 妊産婦向けのリーフレット作成や、厚生労働省及び「健やか親子21(http://rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/)」等のホームページにおいて情報提供を行っていくとのことです。

妊産婦のための食生活指針リーフレット(厚労省2月9日掲載)
    外面(PDF:1076KB) 内面(PDF:1577KB)  

妊産婦のための食生活指針リーフレット(第5回「健やか親子21」推進検討会資料)

資料:「健やか親子21」推進検討会
      第1回(2005年2月24日開催)資料 議事録
      第2回(2005年7月1日開催)資料 議事録
      第3回(2005年10月31日開催)資料 議事録
      第4回(2005年12月1日開催)資料 議事録
      第5回(2006年2月1日開催)資料 議事録
      第6回(2006年2月22日開催)資料  

関連情報:TOPICS 2005.06.23 農水・厚労省が、「食事バランスガイド」を公表

参考:共同通信2月1日

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2006.02.02 抗コリン作用薬と高齢者の軽度認知障害

1日、抗コリン作用薬の常用が高齢者の軽度認知障害と関連づけられるとする論文が、BMJ Online Firstに掲載され、話題になっています。

Non-degenerative mild cognitive impairment in elderly people and use of anticholinergic drugs: longitudinal cohort study
 オンライン・ファースト版 (bmj.38740.439664.DE (published 1 February 2006))
  http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/bmj.38740.439664.DEv1
 ジャーナル版 (BMJ  2006;332:455-459 (25 February 2006))
  http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/332/7539/455
  http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/332/7539/455

この研究は、南仏のモンペリエ地域に住む60歳以上で、認知症ではない 372人について、8年間追跡調査を行ったもので、何らかの抗コリン作用を有する薬剤を服用している群(全体の9.2%)は、服用しなかった群に比べ、軽度の認知障害になる割合が高い(服用群で80%、非服用群で35%)という結果が得られたそうです。

一方、認知症(dementia)にまで至るリスクは、服用群で16%、非服用群で14%とどちらもかわりなかったとしています。

今回の研究における抗コリン作用薬は、アミトリプチンやイミプラミンなどの抗うつ薬の他、アリメマジンやクロルフェニラミンといった抗ヒスタミン薬や、ベラドンナアルカロイド、コデインなどOTCなどでも入手可能な成分も対象としていて、研究者は、認知症の治療を考慮する場合には、患者が抗コリン作用のある薬剤を服用しているかどうかを確かめる必要があるとしています。

認知症治療薬のドネペジル(アリセプト)の薬理作用を考えると、抗コリン作用薬が軽度の認知障害を起こす可能性があるとする今回の報告はなるほどと思うところがあります。日本の高齢者も、頻尿治療薬(オキシブチニン)などの処方薬のほか、市販の胃薬など、抗コリン作用のある薬を常用している人も少なくないと考えられます。私たちも、高齢者本人や家族から物忘れの相談を受けた場合には、こういった薬の服用の有無を尋ねる必要があるのかもしれません。

参考:Drug Side Effects Can Befuddle Elderly Brains(MedPage Today 2006.2.1)
     http://www.medpagetoday.com/Psychiatry/GeneralPsychiatry/tb/2593
    Drug side effects can mimic early dementia: study(ABC NEWS 2006.2.1)
     http://abcnews.go.com/US/wireStory?id=1563785

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2006.02.01 大豆イソフラボンについての国の基本的な考え方

大豆イソフラボンの摂取量についての検討を行っていた食品安全委員会の専門調査会は31日、過剰摂取に注意を促す報告書案をまとめた。

第32回新開発食品専門調査会(2006年1月31日開催)
   http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai32/index.html
  議事録:
   http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai32/sinkaihatu32-gijiroku.pdf
 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方
  (第32回会合修正案 PDF:658KB)
   http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/s-dai32/sinkaihatu32-siryou1.pdf

調査会ではさまざまな論文を検討、ホルモンのバランスを崩す恐れがあるとして、通常の食生活に加え特定保健用食品などで1日に追加的にとる安全な上限量をアグリコン(非配糖体)と呼ばれるタイプで換算して30ミリグラムとした。また、妊婦や乳幼児に対しては、「追加摂取する場合の安全性は科学的に判断できない」とし、通常の食事以外からの摂取は勧めないとした。今後、一部を修正した上で、この案に対する一般からの意見を募集する。

今回の報告については、イソフラボン(健康)食品を扱うメーカーや現場からは、「大豆食品を多く食べて健康被害が出たという例がないのに、食事を含めた総量まで言及するのはおかしい」「本当に有害だという証拠が示されておらず、無意味な議論だ」「かえって混乱を招き、日本の伝統食文化を破壊しかねない」といった意見や批判も多く、財団法人日本健康・栄養食品協会も、1月12日、調査会が根拠としたデータへの疑問があるとして「適正なサプリメントの活用を阻害し、好ましくない影響を与える可能性がある」として、再検討を求める意見書を食品安全委に提出している。

今回の安全性評価を依頼した厚労省では、改めて今回の検討書(案)について「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価においては、これまでの長い食経験を有する大豆あるいは大豆食品そのものの安全性を問題としているのではなく、大豆イソフラボンのみを通常の食生活に上乗せして摂取する場合の安全性が検討されたもの」として、大豆及び大豆由来食品等に関する正確な情報提供を行うため、2日、大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&AのページをHPに掲載した。

大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&Aについて(厚労省2006年2月2日)
   http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1.html

また、農水省や食品安全委員会も同様の情報を掲載している。

大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(農水省2006年2月2日)
   http://www.maff.go.jp/syohi_anzen/isoflavon_qa.html
 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(食品安全委員会2006年2月9日)
   http://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html

関連情報:TOPICS 2005.12.14 大豆イソフラボン、1日の摂取量の目安は30r

参考:共同通信1月23日
    朝日新聞2月1日
    毎日新聞2月1日
    日本経済新聞2月1日

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2006.02.01 非接触式体温計が国内で販売

体に触れずに体温を測れる、医療用非接触式放射体温計(皮膚赤外線体温計非接触式体温計)「サーモフォーカス」が国内で販売されることになった。

この体温計は、伊テクニメッド社製で、人体から発熱によって発生する赤外線を検出し、それを体温(舌下)に換算して割り出すというもので、環境関連機器メーカーの荏原実業が2月1日より販売する。

 国内初、非接触式体温計発売のお知らせ
  (荏原実業株式会社プレスリリース1月30日)
   http://www.ejk.co.jp/topics/ir_pre06_0130.html

測定部位は額で、約3センチ離し、約3秒焦点を合わせれば測定が可能で、測定誤差は0.2度以内。体温に自動換算するモードに加え、実温度を表示するモードも搭載しており、入院患者に対する検温作業の他、点滴や乳児用ミルクの温度管理への利用も期待できる。

この体温計は、医療業務用として販売され、発売会社では今後、病院・クリニック・学校・幼稚園・保育園・塾・ホテル・動物病院・ペットショップなどでの販売を見込んでいる。希望価格は2万5千円。

参考:FujiSankei Business i 1月31日

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