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2007.01.16 低用量アスピリンが喘息を予防するかもしれない

アスピリンは、喘息を悪化させる可能性があるとして、投与には慎重を要する薬として知られていますが、このほど米国の研究グループが、低用量のアスピリンを服用する人は服用しない人に比べ、喘息の発症リスクを22%低下させるとする研究結果をまとめ、話題になっています。

Aspirin and decreased adult-onset asthma:
   randomized comparisons from the physicians' health study.
 (Am J Respir Crit Care Med. 2007 Jan 15;175(2):120-5.)
   http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/175/2/120

この研究は、アスピリンが心臓発作のリスクを44%低下させることを明らかにした Physicians' Health Study(40歳から84歳の男性医師22,071人を対象とした二重盲検ランダム化比較試験、1982年より開始)のデータを検討したもので、服用開始5年後の新たな喘息の発症を比較したところ、アスピリン325rを隔日服用した群(11,037人)では喘息の発症が113人だったのに対し、服用しなかった群では145人が喘息を発症し、アスピリンを飲んだ群の方が22%喘息発症のリスクが少なくなったそうです。(HR:0.78, 95% CI, 0.61-1.00; P=0.045)

研究者らは、近年の喘息の増加について、アスピリンの使用の減少(ライ症候群を考慮した子どもの使用の減少、OTC鎮痛剤の他剤へのシフト)と関連性があるのではないかとする仮説をたて、喘息についての質問事項の記載があったこの Physicians' Health Study を分析したもので、新たなランダム化試験が必要としながらも、この22%の差は決して小さくないとしています。

関連論文:
Final report on the aspirin component of the ongoing Physicians' Health Study. Steering Committee of the Physicians' Health Study Research Group
 (NEJM 1989;321: 129-135)
   http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/321/3/129

参考:Can Aspirin Prevent Asthma?(Forbes Health Day News 2006.1.15)
 http://www.forbes.com/forbeslife/health/feeds/hscout/2007/01/15/hscout600981.html
    Aspirin May Have Role in Asthma Prevention(Medpage today 2006.1.15)
 http://www.medpagetoday.com/AllergyImmunology/Asthma/tb/4853    

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