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2007.05.09 若者のドラッグ使用実態調査、今秋にも実施へ

米国中高生の薬物濫用実態調査を紹介した1.17のTOPICSの記事の中で、日本でも、米国のようなきちんとした実態調査を行う必要があるのではないかと述べましたが、8日の共同通信の記事によれば、厚労省は今秋にも中高生を中心に約十万人を対象とする初の使用実態全国調査を実施すると伝えています。

調査は都市部と地方に分け、10代を中心に対象を抽出、匿名でのアンケートや面談による方法で、学校単位で行い、これまでに使用したことがある薬物の名称や入手方法、使用後の身体への影響、違法ドラッグの捉え方などを尋ねるという。また、全ての精神科のある病院に質問票を送って、診察した中毒患者が使っていた薬物名の報告も検討しているという。

今回の調査は、今年4月施行の改正薬事法で製造、輸入、販売が禁止された違法ドラッグの実態把握が目的で、調査の過程で新たな薬物の存在が判明した場合、同省は現物を入手して成分を詳しく調べる方針としていますが、薬物問題は何も違法ドラッグだけではありません。 咳止めシロップなどの大衆薬や向精神薬などの処方薬についての濫用などについての調査も行われるのでしょうか?

日本では、大学生を対象にした調査が2006年に行われているだけで、全国規模の調査は初めてですが、米国では同様の調査が何と1975年から始められていて、最近の調査では、対象はいわゆる違法ドラッグだけではなく、トランキライザーやステロイドなどの処方薬、咳止めシロップなどの大衆薬、アルコール・たばこにも及んでおり、また薬物使用に対する意識についてもたずねています。

Monitoring the Future 2006 Full Press Release on Drug Use from the University of Michigan
  http://www.drugabuse.gov/Newsroom/06/MTF2006Drug.pdf [PDF 924KB]

日本でも米国同様、調査の対象をたばこやアルコール、大衆薬などにも広げるべきであり、米国のように継続的な調査も求められます。
(※その後、たばこ・アルコールについては、文部科学省が全国の小・中・高校生を対象とした意識調査を行い、今年3月にその結果を発表していることがわかりました→記事はTOPICS2000.5.19

資料:全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査[PDF 159KB]
      http://www.ncnp.go.jp/nimh/yakubutsu/drug-top/data/researchJHS2004.pdf
    薬物使用に関する全国住民調査[PDF 3.1MB]
      http://www.ncnp.go.jp/nimh/yakubutsu/drug-top/data/researchJDU2005.pdf
    (常備薬をも含めた医薬品のあり方を考える際の基礎資料にもなっている)
(いずれも、国立精神神経センター・精神保健研究所HP http://www.ncnp.go.jp/nimh/ に掲載)    

  薬物乱用対策に関する世論調査報告書
    (内閣府大臣官房政府広報室・2006年1月調査)
      http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-yakubutsu/index.html

   薬物等に対する意識等調査報告書(2007年3月)
    (文部科学省 スポーツ・青少年局学校健康教育課)
      http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/03/07042500.htm

関連情報:TOPICS 2007.01.17 米国中高生の薬物濫用実態調査
          2007.05.19 子どもたちの薬物に対する意識、学校現場での取り組み

参考:厚労省、違法ドラッグ、乱用把握へ‐秋に初の全国調査実施
   (薬事日報 HEADLINE NEWS 5月11日)
     http://www.yakuji.co.jp/entry3038.html
    東京新聞5月8日(共同通信配信)
  http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007050802014493.html

5月13日更新、5月19日更新

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