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2008.05.22 バレニクリン、パイロットは使用禁止(米国)

医薬品の安全使用を目指す米国の非営利団体のInstitute for Safe Medication Practices(ISMP)(http://www.ismp.org/)は21日、バレニクリン(Chantix、日本販売名「チャンピックス」)について、使用者で視覚異常(Vision disturbance)、不整脈(Heart rhythm disturbances)、不随意運動(Seizures and abnormal muscle spasms or movements)などの有害事象の報告があるとして、安全性が求められるパイロットや電車やバスの運転手、核施設に従事する人、クレーンの運転手などがバレニクリンの使用することには懸念があるとしたレポートを発表しました。

Strong Safety Signal Seen for New Varenicline Risks
  (ISMP New Report)
  http://www.ismp.org/docs/vareniclineStudy.asp

このレポートは、年4回“FDA adverse event reports”で公表される有害事象を分析したもので、2007年の第4四半期に最も多くの報告例(1位:バレニクリン、2位:インターフェロンβ、3位:エタネルセプト、4位:インフリマキシブ)があったほか、米国で承認された2006年5月から2007年12月までに報告のあった3063事例を調べたところ、自殺企図または自殺が227事例、精神神経系の副作用が397事例、血糖コントロールへの影響544事例、視覚異常が148事例、不整脈224事例などがあったとしています。

この発表を受けて連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)は、パイロットや管制官に対し、バレニクリンを使用しないよう通達を行うと各紙は伝えています。

米国では既に添付文書自殺企図などについての改訂が行われている他、薬剤師に副作用についての情報を記した“medication guide”の配布を求めていますが、今後さらなる注意喚起の強化が行われるものと思われます。

Varenicline (marketed as Chantix) Information
   http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/varenicline/default.htm
 MEDICATION GUIDE CHANTIX
   http://www.fda.gov/cder/Offices/ODS/MG/ChantixMG.pdf

日本においてもリスクを考慮し、危険な職業に従事する人には、慎重な使用を促す必要があるかもしれません。

関連情報:バレニクリン(チャンピックス)の有害事象について
       (日本禁煙学会雑誌2008年4月号)
    http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/200804/index.html#sakuta   

参考:共同通信5月22日
     http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052201000237.html
  Fearing Risk to Safety, F.A.A. Bans Chantix
     (New York Times 2008.5.22)
  http://www.nytimes.com/2008/05/22/business/22drug.htm?_r=1&oref=slogin
     FAA bans anti-smoking drug Chantix
     (USA TODAY 2008.5.21)
http://www.usatoday.com/money/industries/health/drugs/2008-05-21-chantix-smoking_N.htm

5月22日 13:50掲載

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