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2007.10.30 ローマ法王、良心に基づく調剤拒否を呼びかける
AP通信などによれば、ローマ法王ベネディクト16世は29日、第25回カトリック薬剤師国際会議(25th International Congress of Catholic Pharmacists)でスピーチを行い、薬剤師のプロフェッションとして、良心的な理由で調剤拒否を行う権利を持っているとして、明らかに不道徳な目的をもっている安楽死の薬や避妊薬の調剤を行わないよう参加者に呼びかけました。
法王は、具体的な薬剤名は示しませんでしたが、これには緊急避妊薬も含まれるのではないかと思われます。
また法王は、「薬剤師は、すべての人間の受胎から自然死までを守り、薬が真に治療の役割を果たすよう人々の認識を高めるよう努めなくてはならない」として「患者に対し、薬が倫理的・道徳的に正しい方法で使われるよう、教育的な役割を担わなければならない」と述べました。
BBCは30日、カトリック教徒の多いチリで、緊急避妊薬の調剤拒否を行う薬局に対し罰金や営業停止などの検討が行われていると報じるなど、欧米では、信条を理由に緊急避妊薬の調剤を拒否する事例(裁判になることも)が少なくなく、ローマ法王の今回の呼びかけは今後、大きな波紋を呼ぶ可能性があります。
関連情報:TOPICS 2006.08.25 FDAが緊急避妊薬のOTC化を条件付で承認
2005.07.05 緊急避妊薬の調剤拒否にゆれる米国薬剤師
参考:Don't dispense abortion drugs, Pope tells Catholic pharmacists
(THE INDEPENDENT 2007.10.30 AP配信)
http://news.independent.co.uk/europe/article3109956.ece
Pope Objects to Dispensing Immoral Drugs(AP 2007.10.30)
http://ap.google.com/article/ALeqM5jw4DfRJJM5LHehUvvOG8BRS1VtuwD8SJ4GCO0
Pope calls for conscientious objection by pharmacists
(Catholic World News 2007.10.29)
http://www.cwnews.com/news/viewstory.cfm?recnum=54451
Catholic pharmacists should not play any role in abortion and euthanasia
(Asia News2007.10.29)
http://www.asianews.it/index.php?l=en&art=10667&size=A
Chile pharmacies warned over pill(BBC NEWS 2007.10.30)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/7068712.stm
10月30日 23:00掲載