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2007.07.24 コンコーダンス指向くすりのしおり

くすりの適正使用協議会(http://www.rad-ar.or.jp/)は23日、病気と医薬品とを結びつけた新しい情報提供サイト「あなたの病気とくすりのしおり:高血圧編」を公開しました。

コンコーダンス指向くすりのしおり -あなたの病気とくすりのしおり:高血圧編-
   (くすりの適正使用協議会)
   http://www.yakubutsuryoho-center.jp/concordance/index.html

コンコーダンス指向くすりのしおり
 「あなたの病気とくすりのしおり:高血圧編」を公開しました
   (くすりの適正使用協議会ニュースリリース7月24日)
   http://www.rad-ar.or.jp/blog/2007/07/post_24.html

協議会ではかねてより「くすりのしおり」を作成していますが、「これからの医療は、医療関係者と患者さんが情報を共有して治療を行うことが重要」として、今回新たに公開された「コンコーダンス指向くすりのしおり」では、患者さんにも自分の病気と用いている医薬品をよく知ってもらい、さらにその治療背景を理解を一助になるよう、「くすりのしおり」を対話方式で利用できるようにした情報提供システムになっています。

今回の情報サイトの開設に至った理由について協議会では、薬を飲む患者さんの中には、「なぜ、この薬を飲む必要があるのか」と思っている人や、飲み残しや飲み間違いをする人など、医薬品の適正使用が十分に確保されていない現状を指摘し、これは、「自分の病状を十分理解した上で服薬する」という基本を身につけていないためではないかと考え、この問題解決の手段としてこのサイトを立ち上げたそうです。

内容についてですが、高血圧の発症の原因、重症度別治療方針、治療薬リスト等の情報を関連づけて提供していて、高血圧の治療についてあらゆる観点から知ることができるようにはなっていますが、各メーカーが独自に提供する患者向けWEB情報との違いや特長はあまりないようにも思われます。

特にコンコーダンスの概念のうち、「Prescribing consultations involve patients as partners(処方の際のコンサルテーションに患者がパートナーとして参加する)」、つまりこのサイトを通じて、患者自身が服用薬の必要性や薬剤の選択を行うことは無理であり、コンコーダンス指向というよりは、アドヒアランス指向のようにも感じられます。

協議会では、「このサイトを通じて患者さんが自分の病気がどんなものであり、どんな経過をたどって進行するのかを知り、その治療・改善に向けて医薬品を用いることを納得する」ことで、治療に積極的に対応できるようになるものと期待するとともに、このシステムの有用性を検証し改良を加え、広く情報提供サイトにおける利用の普及したいとしています。今後に注目しましょう。

関連情報:コンコーダンスとは(Keywords)
      FROM COMPLIANCE TO CONCORDANCE-患者を指導する時代からパートナーにする時代
    (本島玲子:患者を指導する時代からパートナーにする時代へ, Pharmavision 8(10), 2-6 (2004))
       http://www.pharmavision.co.jp/top/public/kaigai/no0005.htm
      Medicines Partnership
       http://www.npc.co.uk/med_partnership/index.htm
    What is concordance(The Pharmaceutical Journal Vol 271 No 7270 p493)
   http://www.pjonline.com/editorial/20031011/concordance/whatisconcordance.html

参考:RAD-AR News Vol.18 No.1
     http://www.rad-ar.or.jp/blog/2007/04/_424.html

7月24日 21:50掲載

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