☆ コラム

  2012/2/15「大阪維新の会『船中八策』に思うこと」

      大阪維新の会が次期総選挙をにらんで、マニフェストのたたき台となる
     維新版「船中八策」を公表した。こうした動きの表面だけをマスコミが繰
     り返し報道することによって、また劇場型の政治が繰り返されてしまうこ
     とを懸念している。私たち国民は今度こそ、中身をよく精査してから良し
     悪しを決めるべきである。前回の総選挙で民主党にダマされて今があるこ
     とを決して忘れてはならない。
      維新版「船中八策」はまだ素案の段階であるが、橋下市長は「既存政党
     では既得権益に切り込めない」と述べたらしい。確かにそれには同意する
     が、民主党も政官財の癒着構造にどっぷり浸かった自民党では改革はでき
     ない、と言っていたと記憶している。また、野田首相に代表されるように、
     政権奪取の前には官僚主導の政治を批判していても、政府に入ってしまう
     と自らが批判していた官僚と同じシロアリと化している現状がある。政治
     塾で数ヶ月学んだところで、官僚以上の知識や頭脳の回転力が身につくは
     ずもない。現状を見る限り、かけ声倒れで終わった民主党やむかしの日本
     新党などとの違いがはっきりしない。
      しかし、希望が持てるとしたら、維新版「船中八策」に議員歳費の半減
     や政党助成金を削減が盛り込まれていることである。現状の政治を批判し、
     胸のすくような演説をしていた候補者でも、バッジをつけたとたんに豹変
     してしまう理由は、まさにこの議員既得権益にあると私は考えている。議
     員が自らの既得権益に切り込めてこそ、覚悟を持った政治家といえよう。
     そしてその覚悟があれば、賢い官僚を前にしても信念がぶれることはない
     と考える。

      自らの信念を貫くと潰されてしまうのが政治の世界である。いや、一般
     企業であってもそのような傾向はある。しかし、今一度「日本を洗濯する」
     という強い政治信念を持って、議員自らの既得権益を捨ててでも政治に取
     り組む覚悟があれば、そして、その流れが大きな束となれば、この国を変
     えることができると私は信じている。