☆ コラム

  2011/11/10「TPP交渉参加の是非、
        
  これから日本はどうなる?

      国論を二分した感のあるTPP問題、本日野田首相が参加の意向を正式
     に表明するはずだった。しかし、会見は急きょ延期となった。民主党の反
     対派からの圧力でもあったのだろうか。TPP交渉に参加したらどのよう
     になり、参加しなかった場合はどうなることが予想されるのか、また、交
     渉に参加した場合、日本はどのような主張をもって交渉に臨むのか、いず
     れも不透明なままでの参加・不参加の表明は腑に落ちない。
      この問題は工業対農業といった限られた分野の話ではなく、知的財産権、
     労働規制、金融、医療サービスなども含む包括的な問題である。世論調査
     でも多くの国民が政府の説明責任が不十分との認識を示している。問題は
     TPPの全体像が見えてこないところにある。だから参加の是非を判断で
     きない国民も多いと思われる。私も現状では判断しかねるところがある。
     しかし、TPP問題とは別に、日本の農業は高齢化と兼業化が進展してお
     り、早急なる抜本改革が必要である。TPP交渉参加に賛成の議員も、農
     業関係の反対派に対して、自分たちが描く日本農業の将来ビジョンを示す
     べきである。それができないから、問題がこじれているようにも思える。
     また、賛成派・反対派いずれにもいえることだが、TPP交渉に参加また
     は不参加の場合、国際社会で将来の日本がどうなると考えているのか、そ
     こまで示してお互い議論を深めて欲しい。
      TPPを受け入れた場合のメリット、デメリットを明らかにすることは
     確かに必要だが、その前に政治家がやるべきことは、TPP参加または不
     参加によって、日本をどのような国にしたいのかを国民に向かってアピー
     ルすることではないかと私は考えている。参加した場合、外国人労働者の
     受け入れを緩めて生産労働人口を増やし、高齢化社会を支えるとか、不参
     加の場合はこのような施策で内需拡大をはかり、日本の貿易はこのように
     するなど、国会議員であるなら持論を示して欲しい。また、参加を決めた
     以上、途中離脱はありえないなどと言う議員は政治家失格である。外交は
     戦いである。アメリカのいいように振り回され、国民に不利益をもたらす
     場合には、はっきりとNo!とたたきつけるのが真の政治家である。国会
     議員の仕事は、国民の生命・財産を守ることにある。