☆ コラム

  2011/2/7「河村劇場の勝利と地域主権

       昨日投開票が行われた名古屋市長選挙と愛知県知事選挙で、河村たかし
      前名古屋市長が再選され、河村氏と連携する大村秀章氏が愛知県知事選挙
      で当選した。また、同時に行われた名古屋市議会の解散の是非を問う住民
      投票で議会の解散が決まり、河村氏はみごとに完勝した。
       恒久減税や愛知県と名古屋市の一体化による中京都構想、そして何より
      も河村氏の掲げる地域政党「減税日本」が、既存政党への不満の受け皿に
      なったことが勝因と考えられる。この選挙結果は地域主権への流れを大き
      く加速させる可能性がある。また一方で、知事や市長といった首長による
      地域政党は、議会のオール与党化、首長独裁政治の危険性をはらんでいる
      ことに注意したい。議会のオール与党化は、自民党政権時代への逆戻りで
      ある。首長の支援を受けて当選した議員は、首長のイエスマンでしかなく、
      昔の首長と議会の関係に戻ってしまう。
       改革派の首長に対して真に地域主権を担える議会をつくり得るのは、親
      市長派でも反市長派でもない、市民と向き合える市民派の議員である。4
      月の統一地方選挙では、真に地域主権を担える人物を選べるかどうかが、
      その地方の将来を決めることになるであろう。