☆ コラム

  2010/10/18「尖閣諸島問題にみる日中の対応

       尖閣諸島は日本の領土であるにもかかわらず、その海域に海底資源が発
      見されると、中国だけでなく台湾までもその領有権を主張するようになっ
      たというのが、おそらく多くの日本人の認識であろう。
       今回の日本領海内における中国漁船の違法操業問題は、外交問題として
      大きくなっている。昨日は中国国内で大規模な反日デモがあった。日本料
      理店を襲撃し略奪したり、日本製の自動車を破壊するといった行為をみる
      と、哀れにさえ感じてしまう。日本人のなかにも過激な人はいるであろう
      が、略奪といった行為にまでは至らないであろう。
       中国は日本を抜いて世界第二位の経済大国であるにもかかわらず、国際
      社会における信頼は相当低いと思われる。今回の事件に関連したレアアー
      スの輸出制限などは、国際的な取り決めに抵触する恐れもある。そのよう
      なことを平気でやってしまうようでは、他国からの信頼など得られるはず
      はない。著作権の意識がないさまざまなパクリも同様である。また、先日
      の中国民主運動家へのノーベル平和賞受賞に対するノルウェー国批判も的
      はずれである。
       アメリカのある経済アナリストは、中国の隆盛は長続きしないと予測し
      ている。日本企業もより安い労働力を求めて、中国から東南アジアへとシ
      フトしていく可能性も考えられる。中国はその人口規模から、確かに魅力
      的なマーケットである。しかし、危機管理の視点からは、中国との関係を
      薄めていくことが、今後必要になってくるかもしれない。「おごる平氏は
      久しからず」のような文言は中国にあるのだろうか。