☆ コラム

  2010/7/12「参議院選挙の結果から考えること

       昨日投開票が行われた参議院選挙では、政権与党の民主党が敗北し、野
      党の自民党が勝利を収めた。これにより、現状の与野党勢力では衆参ねじ
      れ国会となる。
       昨年の夏に歴史的な“政権交代”が起こり、民主党政権が誕生した。そ
      のとき国民は腐敗した自民党政権にノーをたたきつけ、未知数ではあるが
      民主党に期待した。しかし、たった10ヶ月で今度は民主党政権にノーを
      示した。これは管総理の消費税発言の影響もあるが、鳩山前政権への大き
      な失望感が、今回の参議院選挙の結果として表れたのであろう。そして、
      その失望感は単に民主党に対するものではなく、政治そのものへの失望感
      だと考えている。今、自民党政権に戻れば生活が良くなると考える国民は
      皆無であろう。また、今回躍進したみんなの党が政権を取ればこの国は良
      くなると思っている国民も少ないであろう。本当に埋蔵金は掘り出せるの
      か?民主党ができなかったことをみんなの党ならできる根拠はどこにある
      のか?野党であれば、大きなこと言っても責任は生じない。しかし、それ
      では仮に政権交代が起きても民主党と同じである。
       マニフェスト選挙は、「言葉に責任を持つ政治」を実現することが本来
      の目的であったはずである。しかし、選挙になるとマニフェストとは名ば
      かりで、中身は旧来からの公約(何でもやりますの口約束)と何ら変わり
      なくなってしまった。マニフェスト型の選挙とはどういう選挙なのか、今
      一度見直す必要がある。
       民主党は初めて政権を取ってからまだ1年も経っていない。その段階で
      ノーをつきつけるのも酷に思える。民主党には政権与党として、昨夏衆院
      選時のマニフェストをもう一度見直し、できないものはできないと認め、
      国民に謝罪することで出直して欲しい。各マスコミには、これまでのよう
      な民主党はダメだと国民を煽る報道ではなく、建設的な姿勢を取って欲し
      い。そして、野党には徹底的なムダ削減と国会議員定数削減を実現すべく、
      民主党に対して欲しい。