☆ コラム

  2005/01/17「あれから10年
          
−阪神・淡路大震災−

      10年前の午前5時46分、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3、最大
     震度7を記録した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が発生した。6433人も
     の尊い命を奪った都市直下型の地震は、日本社会に大きな衝撃を与えた。
      一昨年、視察で神戸市を訪れた。市の中心である三宮周辺では、震災の傷跡も
     見あたらなく、インフラは確実に復興している。しかし、現実には孤独死や新た
     な地域格差などの問題があり、住民の復興はまだまだのようである。

      今年は阪神・淡路大震災から10年であるのに加え、昨年の新潟中越地震やス
     マトラ島沖の大地震もあり、せまりくる東海・東南海・南海地震、首都圏直下型
     の地震を取り上げるテレビ番組などがこのところ増えている。
      津波の恐ろしさや災害から身を守るすべを扱った内容は、啓蒙という点からも
     評価できる。しかし、一部のマスコミが取り上げるオカルトめいた地震予知には
     憤りさえ感じてしまう。報道では、当たっている部分だけを取り上げているが、
     予知したのに地震が起きなかったケースや、予知できずに地震が起きたケースも
     多々ある。このようなことまで検証しないと、見る側はそれが本当に当たってい
     るかどうかの評価すらできない。

      我々は、怪しい情報に気を配るよりはむしろ、地震や地震災害の正しい知識を
     身につけ、緊急時の備えをしっかりしておいたほうが、いざというときに役に立
     つであろう。まずは、自分だけは大丈夫などと決して思わないことである。