☆ コラム

  2004/10/04「“記録的な”風雨による被害」

    先週日本に上陸した台風21号は、三重県をはじめ全国各地に大きな被害をもた
   らした。
    またこの夏は、新潟や福井などの集中豪雨、九州から北海道まで広範囲に多大な
   被害をもたらした台風18号など、全国各地で大雨や強風による被害が多発した。
    このような中で、しばしば耳にしたのが「記録的な雨」や「記録的な風」といっ
   た文句だ。これまでの常識ではめったに起こらないことが、今年は何度も起こって
   いるということになる。

    その原因のひとつとして言われているのが、地球温暖化現象である。風雨ばかり
   でなく、今夏の記録的な暑さを考えると、日本の亜熱帯化を実感してしまう。
    温暖化対策ももちろん重要であるが、ここでは現実に風雨による災害の危険度が
   増している今、行政は何をすべきかを考えてみたい。
    早急にやるべきことは、災害対策の見直しである。記録的な風雨が、今後は常識
   的に起こりうる危険性が増大している。そのことを念頭に置いて、これまでの災害
   対策を見直す必要がある。治水や土砂災害対策といったハード面は、予算的な問題
   や時間的な制約で、今すぐ全部をという訳にはいかないであろう。しかし、避難勧
   告などの情報伝達や市民の意識向上といったソフト面の改善は、今すぐにでも手を
   つけることができる。

    足利市は、自然災害の少ない住みやすいまちと言われている。しかし、その慢心
   が思わぬ災害につながることもある。自然の猛威に対して、注意すれば防げた人災
   が起こらぬよう準備を整えることが、行政に求められていることではなかろうか。