☆ コラム

  2004/09/15「国際的なテロリズムの広がり」

    アメリカ同時多発テロから3年が経過した。この間、アメリカ主導によるテロ
   撲滅の動きは、決して成功しているとは言えない。むしろ、国際的にテロリズム
   は拡大していると言える。

    先日、ロシア南部の北オセチア共和国で発生した学校占拠事件は記憶に新しい。
   この事件では、子供や教師など330人以上が死亡したと言われている。このよう
   に人の命を簡単に奪ってしまう行為は絶対に許されるものではない。
    しかし、テロリスト達は何の動機もなく、このような残虐行動にでたわけではな
   いことも同時に考える必要がある。

    今回の事件はチェチェンの独立運動が関係しているが、ロシアによるチェチェン
   侵略の歴史は18世紀後半までさかのぼる。
    そして1994年、独立を求めるチェチェンに対し、ロシア軍が武力侵攻したの
   が、第1次チェチェン紛争である。この戦争で、およそ70万人のチェチェン人の
   うち、8万〜10万人が死亡と言われている。
    さらに、9.11後はテロ撲滅という大義名分のもと、ロシアによるチェチェン
   侵略、圧政が現在も続いている。

    このような大国ロシアの非道な行為を抜きに、弱者である少数民族をテロと切り
   捨てるのは、いかがなものであろうか。自国の都合だけで小国に侵略し、罪のない
   市民を殺戮する行為こそ、糾弾されるべきではないか。
    アメリカやロシアが言う「テロ撲滅」は、「大国のエゴ」といった側面がある。
   我々もこの点をしっかりと認識しなければ、真の国際平和がおとづれることはない
   であろう。