2003/11/02 静岡市吉津地区焼却灰野積み現地視察

 静岡市吉津地区における焼却灰野積み問題は、10/11,12に開かれた環境行政
フォーラムにより知った。
 他市の問題ではあるが、ダイオキシンという環境問題に加え、行政の不適切な
対応も指摘されていた。そこで、今回はまず現状を知るべく現地視察を行った。



○静岡市吉津地区焼却灰野積み問題の概要

 静岡市吉津地区は、静岡市の南西に位置し、安倍川との合流点から藁科(わら
しな)川沿いに2〜3キロさかのぼったところにある。
 その地域の3ヶ所に、地元産廃業者(現在廃業)が20年以上も産業廃棄物を
野焼きして、その焼却灰を埋立処理し続けていた。10数年前より町内から静岡
市にこの問題の改善を要請し続けたが、静岡市は指導をしたものの業者は従わ
ず、2002年に廃業してしまった。

 同年夏、住民による汚染調査が行われ、A地点焼却灰土壌より3326pg-TEQ/g
のダイオキシンが検出された(土壌の環境基準は1000pg-TEQ/g以下)。しかし
同年10月、原因者(廃業した産廃業者)による調査では基準以下だったので、
静岡市
は環境上問題なしと安全宣言を行った。
 また、翌年(2003年)5月には、特別措置として井戸水5井年2回の調査を市
の予算で行うことを決めた。しかし、焼却灰土の撤去に関しては、廃業した業者
に代わって行政が実施する行政代執行を行わないことを決めた。




C地点

近くには小学校もあ
る。現在も不法投棄
されているとのこと
だった。


B地点

民家に隣接している。
現状ではよくわからな
いが、竹藪の下の部分
が以前はくぼんでいて
そこがすべて焼却灰で
埋め尽くされたとのこ
とだった。


A地点

焼却灰の覆土がくずれ、
川の流れを遮っている。
これ以上の土砂崩れは、
川をせき止め、下流域に
災害をもたらす危険も
容易に想像できる。


A地点

上写真はこの写真右の
ブルーシートの部分。
焼却灰を2メートル以上
の覆土でかくしてしまっ
た。

B地点

民家裏に積み上げられた
焼却灰の様子。

清流ネット提供。
(2002年6月13日撮影)

A地点

直近には茶畑がある。

清流ネット提供。
(1999年4月1日撮影)


問題点

1)ダイオキシンや重金属による地下水汚染で、静岡市民の健康が今後脅かされ
  る危険性がある。
2)この産廃業者の行為が廃棄物法第16条等に違反している可能性がある。
3)そのような業者に対する市行政の対応に問題があった可能性がある。
  →度重なる市民からの要望に対し、行政は指導を繰り返すだけで、
   10年以上放置し続けている。
   しかし、過去の産廃問題で市は業者を訴えることもしている。
4)地元民への説明会で、市側は「ダイオキシンはそんなに危険ではない」かの
  ごとき説明を行ったという。
5)市は水質検査を年2回行うとしているが、地元の立ち会いや第三者分析機関
  でのクロスチェックを拒否している。また土壌調査など地元が要求する検査
  を行おうとしない。
6)焼却灰を覆土したA地点では土砂崩れによる災害が起きる危険性がある。
  (上写真参照)
  →これに対しても、市側は動こうとしない。
7)地元住民のあいだでも、吉津にこのような問題があるという事実を外に知
  られたくないと思っている方が多いようで、(本当に被害が発生するまで
  は)事を荒立てまいとする傾向がある。
  →住民運動につながっていかない。
8)市議会にも、いろいろと力になってくれる議員はいるが、議会ではこのよう
  な声も少数派で、真剣に取り上げてもらえないようである。
  また、地元の議員は地元とのしがらみからか、むしろ、このような訴えを
  うち消す側(業者側)に立っているようである。
9)運動をしている「清流ネット静岡・吉津ダイオキシン灰撤去の会」は人的
  にも資金的にも厳しい状況である。



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