第 11 章

私の好きな言葉




  • 子供を確実に駄目な人間にするには、
          欲しがるものは何でも与えることだ。

                 (ジャン・ジャック・ルソー)

  • 幸福の中に、時々不幸の混じることを望む。
          反省と進歩の基だから。

                 (アレキサンダー大王の父、フィリッポス)

  • 逆境こそ最良の教師である。
                 (ビクトリア女王時代の首相、ディズレリー)

  • 「憂きことの なおこの上に積れかし、
          限りある身の力試さん。」

                 (山中鹿之介)

  • 一笑一若、一怒一老。
                 (中国の諺)

  • 人生のリハーサルというものはない。
         (rehearsal)  (山城新伍)



 新聞でも週刊誌でも、読んだら捨てるのが普通ですが、その中に時々一、二行の言葉で、捨て難いピカッと光るものを発見することがあります。私は小さい切り抜き用のカッターをポケットに入れておき、すぐ切り取ってポケット手帳に張るか、本ならば書き移します。電車に乗った時など、それを読むと楽しいし、覚えてしまうのです。上に六つだけ載せましたが、その人物だけ簡単に紹介しておきましょう。
  • ルソー(1712〜1778)…フランスの哲学者。スイスの時計職人の子に生まれたが、家庭に恵まれず、16歳で家を出て、ヨーロッパ各地を放浪、独学。独自の人間主権を説き、フランス革命の先駆となる…。著書エミールは有名で、少年エミールを主人公にした小説風教育論は、個性尊重の自由教育を主張し、後のペスタロッチの教育論に影響を与えた。女中に生ませた5人の子供を育児院の戸口に捨てるという奇行もあった。

  • フィリッポス(BC382〜336)…ギリシャの北のマゲドニアの王。少年時代3年間ギリシャの人質となって暮らす。成人して領土の拡大を計り、ギリシャを征服、統一。ペルシャ征討を決議したが暗殺された。BC342年から3年間、子供アレキサンダー(後の大王)のために、ギリシャから哲学者アリストテレスを呼んで家庭教師とした。

  • ディズレリー(1804〜1881)…政治家であり、作家でもあった。インド支配体制を確立、英国の帝国主義制作を遂行、大英帝国の基礎をかためた。彼の言葉は、ドイツの哲学者、ヘーゲルの「悩むことは進歩の第一歩」と同じ。

  • 山中鹿之介幸盛(1545〜1577)…戦国時代の武将。尼子氏の家臣。尼子義久が毛利氏に降服後、主家の再建を計り、信長、秀吉に仕える。上月城の守備を命ぜられたが、毛利元春に征められて降服。勝久は自殺、鹿之介は捕えられ殺された。苦難の一生だったが、尼子氏再興は挫折した。

  • 一笑一若は中国では一笑一小と書くのが正しく、「一度笑えば一日長命」の意。一小とすると日本人には通じないので、私が勝手に一若と改変。

  • 山城新伍…テレビ・タレント。たまにはよいこともしゃべる…。



第12章 W.S.Clarkの "Boys, be ambitious." その心は

目  次

ホームページへ戻る