意味:
 この深山にひとり咲いている山桜よ、私と共にあわれを感じておくれ。山奥でひとり修行をしている私にとって、花のおまえ以外に知っている人は誰もいないのだから。

作者:
 大僧正行尊(だいそうじょう ぎょうそん・1055〜1135)三条天皇の皇子・小一条院敦明親王の孫、参議源基平の子。10歳で父を失い、12歳のとき、近江の園城寺で出家した。17歳のときに寺を出て諸国を修行してまわった。山伏修験の行者としてほまれ高かった。白河・鳥羽・崇徳の三帝の護持僧、のちに天台宗延暦寺の座主を拝命したがすぐにこれを辞去し、天治2年(1125)大僧正となった。

出典:
 金葉集・雑上



読み(現代表記):※赤字がきまり字です。
 もろともに あわれとおもえ やまざくら はなよりほかに しるひともなし