意味:
 むぐらの生い繁るこの寂しい邸は、荒れ果てて今は誰も訪れる人はないが、秋だけはここにも訪れてきたことだ。

作者:
 恵慶法師(えぎょうほうし・生没年未詳)播磨の国分寺の僧で、仏典の講義などをした講師だったという。また、中古三十六歌仙の一人に数えられ、拾遺集時代のすぐれた歌人であった。14番の「みちのくの・・」の作者、源融の建てた河原院が荒廃した後に寺となり、ここに住んでいた融の曾孫、安法法師と親しく、またここに集まる歌人たちの中心でもあった。

出典:
 拾遺集・秋



読み(現代表記):※赤字がきまり字です。
 やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり