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HPVワクチンの普及に向けて(日本思春期学会)

 前記事で、「多くの保護者や保健所・学校関係者はHPVワクチンについては、「メディアの報道と製薬会社のパンフレットしかない」ことに戸惑っています。」というブログ記事を紹介しましたが、日本思春期学会(http://www.adolescence.gr.jp/)のHPV緊急プロジェクトというワーキンググループが、子どもたちにHPVワクチンについて情報を伝える際の学習資料などとして活用が可能な「HPVワクチンの普及に向けて」という冊子(報告書)をこのほどまとめ、同学会のウェブサイトに掲載しています。

HPVワクチンの普及に向けて(日本思春期学会)
 http://www.adolescence.gr.jp/hpv/

 この冊子は、小学校、中学校、高校、大学、専門学校等に関わる教育関係者、保健医療関係者(当然学校薬剤師も含まれる)、保護者、中学生、高校生、大学生、専門学校生等の生徒・学生の活用を想定し、次のような目的の下、作成されています。

 子宮頸がん予防ワクチンと記載せず、HPVワクチンとしていること、「すでに性交経験のある人での予防効果は、経験のない人の半分から3分の1であることを知っておいてください。また年齢が進むほど効果は落ちると考えてください。そのうえで、接種する意義があるかどうか判断してください。」「がんになるかどうかは、HPVに感染するリスク(性行動の活発さやパートナー数)より、むしろ個人の免疫力や環境因子の方が重要です。すなわちがんになるかどうかは、HPVに感染するかどうかではなくて、HPVが陰性化するかどうかによって決定されます。」などの記載(おそらくこれらには異議がでるかも)、また現在申請中のガーダジルについてもふれるなど、最新の情報なども網羅しつつ、かつ平易な表現でまとめられています。

 また、組織的な啓発や各学校における啓発方法の在り方についての記載もあります。

 情報不足に困惑していた、養護教諭にはよい資料となるのではないでしょうか?

 薬学関係の団体による、ワクチンについて詳しく記したこういった冊子も必要だと思うのですが、作ることはできないのでしょうか?

関連情報:TOPICS
  2010.09.06 公衆衛生の専門家から見たHPVワクチン
  2010.09.03 HPVワクチン集団接種なら養護教諭へのサポートが必要
  2010.08.11 子宮頸がん予防ワクチンに関する啓発CMを作成(山梨県)
  2010.08.07 子宮頸がん予防ワクチンによる有害反応の情報開示が必要
  2010.07.21 子宮頸がん予防ワクチン、公費助成は必要だが
  2010.07.08 HPV、Hibなどのワクチン「ファクトシート」

9月6日 18:50更新


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#1 Comment By Blog感染症診療の原則 編集部 On 2010年10月04日 @ 22:17:06

この冊子は本来ベータ版として扱い、各方面の意見を反映させてから配布をすべきでしたが、すでに印刷物として出回ってしまいました。

ご指摘のように根拠のない数字の断言など問題記載箇所が多く、学会作成冊子なのにリファレンスがありません。このため、作成メンバーの医師にはヒアリングの後に第二版を出すようにお願いしたところです。
養護教諭等、ワクチンに詳しくない関係者に配布するのは現時点では危ないと考えています。薬剤師さんによる資料なども期待しております。

#2 Comment By アポネット 小嶋 On 2010年10月05日 @ 01:48:59

承認遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。

確かに、こんなに断定的でいいのかなという個所がいくつもあり気になっていました。

ただ、現場の養護の先生は、限られた情報しかないなか、こういった情報もあってもよいのではないかと思いました。

私も、ワクチンの接種自体には反対ではありませんが、ワクチン接種の公費助成については、政治家たちによる政策アピールばかりが目立ち、本来時間をかけて行うべき本人や保護者への説明が不十分なように思えてなりません。

特に集団接種を行う自治体については、やはりこれに十分な時間をかけると同時に、メーカーのものではなく、独自の資料を作成して、説明を行うべきです。

もし可能であれば、集団接種を行った(行っている)自治体の養護教員や教育委員会が、どのような資料を用いて、どのように本人や保護者に説明を行ったかを取材頂ければと思います。

それと残念ながら、薬剤師にはワクチンについて学ぶことはあまりありません。今回のことで、私もワクチンのことに関心を持つようになりました。

少しづつでも、地域住民からの疑問に答えられるよう、最新の正しい知識を身につけたいと思います。